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【相談#15】将来人事になるために有利な経験は何ですか?


はじめに


ONE CAREER PLUSのキャリアアナリストが、皆様のお悩みや一般的な疑問にお答えする連載企画。

今回は、「将来人事になるために有利になる経験は何ですか?」という相談者さんからのお悩みです。

人事に転職する上で求められるスキルや経験とはどのようなものなのでしょうか?

キャリアデータを知り尽くすキャリアアナリスト佐賀が、率直にお答えします。

本コンテンツは、Podcastまたは記事のお好きな方法でお楽しみいただけます。


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本日のお便り


ONE CAREER PLUSの佐賀です。

キャリアアナリストである佐賀がキャリアの悩みに応えていくこの企画。

これまでONE CAREER PLUSに寄せられた相談や、一般的に皆さんが悩むであろうテーマを取り上げ、ラジオ形式で解決していくコーナーでございます。


さて、本日のお便りはこちら。

ラジオネーム「ピッピ」さんからのお便りです。

「はじめましてピッピといいます。
私は今社会人5年目で、IT企業で法人営業を担当しています。
ずっと人や組織に興味があり、人事へのキャリアについてご相談させてください。
まだ若手とはいえ、4年以上営業の経験があるので、いきなり未経験の人事ポジションに応募するのが最善策ではないような気がしていますし、そもそも営業から未経験で人事になれるのかも分かっていません。
将来的に人事になるために、次はどのようなポジションでどのような経験をするといいのか教えていただきたいです。」


というご相談です。


未経験職種から人事へのキャリアチェンジ”はよくご相談いただく内容です。

私は採用人事を経験していたため、憧れの気持ちは今は特にないのですが、採用人事は確かに楽しかったです。

社内外の様々な方々とお話しすることができる点や、組織の中で重要なトピックである点、仕事の中で触れられる情報量が多い点などから、人気職種であることにも納得がいきます。






採用人事への3つの代表的なキャリアパス


「どうやったら採用人事を目指せるんですか?」ということに関して、色々なキャリアパスがありますが、今回は代表的な3つのルートをご紹介します。


<採用人事へのキャリアパス①> 人材紹介会社のRA (リクルーティングアドバイザー)

1つ目が、人材紹介会社のRA (リクルーティングアドバイザー)と呼ばれる営業職です。

人材紹介会社の営業職種を経験後に採用人事になるケースです。


<採用人事へのキャリアパス②> 人材企業の法人営業

1つ目と似ているのですが、2つ目が人材企業の法人営業です。

これは人材紹介以外の人材サービスを指しています。ワンキャリアも該当します。

商材は採用メディアや採用管理ツール等様々ありますが、こうした人材サービスの法人営業を経験している方が人事に転職するケースもあります。


<採用人事へのキャリアパス③> 営業のハイパフォーマー

3つ目が、営業でハイパフォーマンスを出している人が、人事採用領域が未経験で人事になるというケースも実はあります。






採用人事へのキャリアパス①=人材紹介会社のRA (リクルーティングアドバイザー)


キャリアアドバイザーよりもリクルーティングアドバイザーの方が採用人事への選択肢が広がる理由とは?


まず、「人材紹介会社」とあえてRA (リクルーティングアドバイザー)だけに特化してお話させていただきました。

「求職者と接点を持つCA (キャリアアドバイザー)だと駄目なんですか ?」と、思うかもしれません。


実際、採用人事になっているケースを紐解いてみると、RAだろうがCAだろうが、 つまり法人営業担当だろうが個人折衝担当だろうが、どちらも人事になっている方々がいらっしゃいます。


しかし、CA側だと少し選択肢が狭まる側面があります。

ここでは、法人顧客と折衝する側であるRAの方が適性が高い理由をお伝えさせていただきます。


採用人事の業務は色々とありますが、大きくは採用計画を立てる”Plan”の部分と、 計画に基づいて実際に面接・選考を実行する”Do”の部分に分けられます。

事業会社の人事に求められている役割は、求職者との面接や折衝を持つことよりかは、どちらかといえば”Plan”の部分に該当します


つまり、年間を通じてどういう採用計画を立てるか。

会社全体としての売上目標や離職率が決まると、1クォーターでの部署ごとの採用数のオーダーが次々と出てきます。

そのオーダーをまとめると通年で求められる採用人数が決まり、各媒体やチャネル、エージェントなどへの採用予算の割り振りの計画を立てることができます。


このようなステップが、採用人事においては重要になってきます。


それ以降の実行の部分に関しては、面接の担当を現場に変更してもらうといった自分以外の人間の力を借りた対応をとることで、一定解決できる側面もあります。

またスタートアップなどでは、”Plan”も”Do”もどちらも自分でやらないといけない、いわゆる「ひとり人事」の組織もあります。


しかし、いずれにせよ絶対に必要になるのは、採用計画を立てて、その実行のためにどのようなベンダー・チャネル・ツールを使うのか考えることです。

ベンダーの担当者 (例えば人材紹介会社)を握りにいき、「今期○○名候補者を紹介してくれませんか ?」といった調整を行ったり、エージェントにフィードバックを行いより良い推薦をもらうために改善を行なったりするスキルが期待されています。


こうした観点でRAは、法人営業を行いながら、企業の顧客と一緒に採用計画を立てたり、採用担当者を握りにいったりする経験をお持ちです。


業務の中で、企業様に対して、

「御社の今期の採用計画は何人程度でしょうか。そこに対してこれまでどのようなチャネルを使ってこられましたか。どのような採用課題があり、それをどう改善していこうとしていらっしゃいますか。

弊社だと、人材紹介に関してこういうところの解決に寄与できると思いますので、今期このポジションでこんなふうな採用のご支援をさせてください。 」

といった話を日々しております。


一方でCA側だと、こうした採用計画~実行に直接活かせるようなご経験が薄い場合があります。


そのため、RAを経験された方の方が、事業会社の人事の業務の適正が高いです。




CAから転職しやすい採用人事のポジションとは ?


では、「CAは人事になれないのか ?」というとそのようなことはありません

ただ、人事の中でも役割が限定されている人事の方がなりやすいです。


具体的には、リクルーターという役職です。

「リクルーター」は新卒就活の時に皆さんも聞き慣れた言葉かもしれません。


リクルーターとは、面接や選考の過程において、特定のチャネルやスカウトツール (例:ビズリーチ、Wantedlyなど)を使いながら、実行数を稼ぎ、実績を上げることにフォーカスする役職です。


そのため、

①面接をどのくらいこなせるか

②候補者と伴走して内定承諾をどのくらい勝ち取るか

といった事が期待されています。


上記の期待に応えるためには、CAとして求職者に伴走してきた経験がとても活きてきます

そのため、事業会社の採用人事を目指すのであれば、基本的には人材紹介会社を挟む選択をおすすめします。


ただRA・CA両方の職を選択できる場合は、RA側の職種に就くことで、上記の”Plan”の経験を積むことができるため、より人事職をつかみ取る確率は高まると思うので、1つ目のキャリアパスとして紹介させていただきました。






採用人事へのキャリアパス②=人材企業の法人営業


人材企業の法人営業経験が、採用人事の業務に活きる理由とは?


2つ目が、人材系サービスを提供する企業の法人営業担当です。


例えばワンキャリアの営業担当は、企業の採用担当者や採用人事責任者、場合によっては経営者に対して、「どういう採用計画を持っているのか ?」「新卒に対してどんな期待をしているのか ?」ということを踏まえ、「どういう採用ブランドを作っていかなくてはいけないのか ?」といった計画を立てて提示します。

そのうえで、手段として自社のワンキャリアというメディアサービスやワンキャリアクラウドという採用管理ツールなどを提供しています。


つまり、企業の経営者や採用人事責任者と対峙して、「どのように採用活動を進めていけばいいのか ?」といった施策提案を行っていることになるので、人材紹介会社のRAのように人事側の業務の内容も間接的に経験することができます


そこでの知見を活かして人事に転職することができるというキャリアパスです。




人材企業の法人営業経験があっても選考でつまずくケースとは?


ただ、同じ人材サービス事業の提供会社であったとしても、媒体力に頼った営業活動をしている場合に、なかなか人事の求人で選考通過できないケースがあります


「媒体力がある」とは、求人を掲載すれば半自動的にエントリーが集まるほど強いメディアである場合を指します。

転職時に選考でつまずく理由は、求人を掲載することがクライアント企業に提案するほぼ唯一の打ち手となっており、提案できる施策の幅も狭い場合が多いからです。


また、クライアント企業との期待値の握り方についても、「弊社にいくら払うとエントリーがこれぐらい集まって、〇〇通応募が集まったら選考通過率〇〇%なので、これぐらいの入社が獲得できそうですよね」といったコストパフォーマンスの数字の計算で終わる可能性もあります。


人材企業の法人営業経験がない方にとってはピンとこないことかもしれませんが、上記の経験は、人事に求められているプランニングとはまた違うものです。

そのため、上記の経験をアピールしても経験が浅いと判断されて、なかなか選考突破できないケースもあります。


つまり、どこでもいいから人材企業の法人営業を経験すれば人事への道が開けるわけではないという点にだけはご注意いただければと思います。






採用人事へのキャリアパス③=営業のハイパフォーマー


お待たせしました。最後はピッピさんのケースです。

営業でハイパフォーマンスを出している人は未経験で人事に転職できる可能性があります


営業と人事は業務プロセスに共通項がある


「なぜ営業を経験していると人事になれるの ?」ということに関してですが、営業と人事はプロセスがかなり似ています


営業の仕事は、まず自社の魅力ならびに自社のサービスやプロダクトの魅力を伝え、価値を感じていただきます。

その上で、自社のサービスだと課題をどのように解決できるのか説明を行い、契約を結ぶといった仕事内容になります。


人事も同じです。

自社の魅力を第三者に伝えて、価値を感じていただく。

候補者のキャリアにとって、自社を選ぶことがなぜいいのかという魅力を伝え、最後に内定承諾という契約を取る形なので、営業と人事の業務はかなり近いものと言えます。


例えば私の前職であるビズリーチは採用がとても強い会社と言われていますが、実は人事部門にいる方のほとんどが人事未経験の方です。


ここには創業者である南さんの考え方が反映されています。。

南さんは「人事には営業のハイパフォーマー、営業のエースを置きなさい」といったことをよく仰っていました。


先ほど述べた、営業と人事の業務が近いロジックと同じです。

人事とは、他人に対して自社の魅力を伝えて、最後に内定承諾という契約を取ってくる仕事です。

そのため、営業ができないと、人事の仕事においても、クロージングや自社の価値を感じていただいた際に契約してもらうことができないだろうというロジックです。


この考え方は、様々な会社で受け入れられていて、実際に「営業のハイパフォーマーの方を中心に今回は未経験でもいいので人事として採用していきたい」という募集要項を出している企業もあります。




営業から採用人事に転職する具体的な方法とは?


ピッピさんが人事を目指すのであれば、未経験でも人事ポジションを募集している企業はあるので、まずはこれまでの営業で出してきた実績をもとに挑戦してみてください


しかし、馴染みのない業界よりも現職と近い会社の方が、求められる人材や活躍する人の特徴についての感覚を掴みやすいと思います。


そのため、今ピッピさんが在籍しているIT企業で選ぶ方が無難であると思います。


その上でなかなか内定を獲得できない場合には、さきほどご紹介した人材紹介会社のRAや、人材系サービスを提供する企業の法人営業を1つ間に挟むことで今後のキャリアにおいて人事を目指せる確度は高くなると考えております。


今回は採用人事についてお話をさせていただきましたが、人事の中には、労務や、研修・育成などを行う人事企画という職種もあります。

人事企画を目指すのであれば、人事企画に対して研修を行うサービスを提供している企業に在籍していることで、転職に有利に働く場合があります


過去に本コーナーでご紹介させていただいた、支援会社から事業会社に行くケースと同じ構図です。



今回ご紹介させていただいた観点を踏まえて、人事キャリアを選択するのか検討してみていただければと思います。







さいごに


さあ、いかがでしたでしょうか。

このコーナーでは、皆様からのお便りを大募集しています。

詳細欄のURLの部分から、キャリアに関する疑問やお悩みをどしどしとお寄せください。

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それでは、また次のラジオコーナーでお会いしましょう。

さようなら!



ワンキャリアプラス編集部

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