キャリアアナリストの佐賀の、「5分で答えるキャリアのお悩み相談室」。
今回はこんなお悩みです。
Kさん:社会人5年目、大手金融 → 人材系スタートアップ、事業企画
「色々な業界に関われて、社会に生み出す価値も大きい。やりがいがありそう」と考え、金融業界に就職しました。 そのイメージと大きなズレはなかったものの、多くの経営者と会う中で「もっと自分で事業を推進するリアルを経験したい」という思いが高まり、スタートアップの事業企画職に転職したのが半年前です。事業作りの手触り感が得られているのでその点は満足しています。
一方で、スタートアップだからこそ、社員全員が「人材業界を変えたい」というミッションに強くのめり込んでいて、自分はそこまで「人材業界を変えること」に共感できていないと気付かされました。 事業企画としての経験は積めているものの、今後もミッション共感がないまま現職でキャリアを歩むべきか悩んでいます。
最近は、事業企画の経験を活かして、大手企業のDX部署/新規事業なんかにも興味が出てきています。 今後のキャリアをどう考えていくべきでしょうか。
テコになりたいか?手触り感を得たいか?が本質。キャリアはステップアップしており、健全な悩み。
今回いただいたご相談は、「テコとしての社会貢献か?手触り感か?」という視点が重要だと感じました。
大手企業は、社員一人ひとりがテコになることで、大きなモノを動かせます。社会への大きなインパクトを創出できるでしょう。一方で、あくまで一部分であり、当事者意識は感じづらくなってしまいます。
スタートアップの場合、目の前の人への貢献実感、事業作りの手触り感は強く感じられる一方で、生み出すインパクトの規模は小さくなってしまいます。
この、「テコか?」「手触り感か?」は、キャリアを考える上で、ぜひ考えて欲しいポイントです。
Kさんは、新卒の就活時点では、社会への大きなインパクトにやりがいを見出していたようにお見受けします。
一方で、キャリアを重ねるにつれ、手触り感を求めるようになり、スタートアップに転職。
ただ、ミッションに共感できていないことには漠然と不安がある。
すなわち、「なんのために人生の時間を使うか?」の解像度が高まっているんだなと感じました。
共感なくして、今の会社に時間を投資することが正しいのか?と感じ始めているわけです。
キャリアアップしているゆえの健全な悩みです。
そもそも「共感」は必要か?必要ないと、開き直るキャリアもあり得ます。
Kさんが今後とりうる方向性は、以下ではないでしょうか。
- ①ミッションに共感できるスタートアップを探す
- ②ミッションに深い共感は必要ないと開き直る
相談内容から拝察するに、Kさんには、②の方向がいいのではないでしょうか。
もし、「①ミッションに共感できるスタートアップを探す」パターンの場合は、すでに、ミッションに共感できる業界を探し出されているはずです。
そうでないなら、そもそも、ミッション共感が最重要なポイントではないのでは?と思います。
「ミッションに共感が必要ない」と考えた際に、力を貯めるために現職で引き続き頑張っていくことも、ひとつの可能性です。
時間をかけていくことでミッションへの共感が醸成される可能性もあります。
ただ、推測ですが、Kさんは、自身の力を生かせる新しい領域に挑戦したい・力試しをしたいのでは?と感じます。
だからこそ、すでに、大手企業のDX部署/新規事業に興味を抱いているのではないでしょうか。
インパクトの大きさと、事業作りの手触り感を両取りできる可能性があるため、「ミッション共感」を無視すれば現実的な選択肢だと思います。
キャリアの選択肢を提案するなら、「事業開発の伴走者」「メガベンチャー事業企画」「成長マーケットでのスキルアップ」
すでに検討されている、大手企業のDX部署/新規事業以外のキャリアの選択肢を提案させてください。
①事業開発の伴走者
もし特定領域に深い共感がないのだとしたら、さまざまな領域に挑戦するクライアントの事業開発支援は、いかがでしょうか。
コンサルファームや、事業開発支援を行うスタートアップなどに存在する求人です。
②メガベンチャーの事業企画
すでに検討されているかもしれませんが、大きな資本力、広い事業領域を兼ね備えたリクルート社などへのキャリアもありえます。
③成長マーケットでさらなる研鑽を
特定領域へのこだわりを重視せず、伸びるマーケットにキャリアをベットし、力をさらに蓄えに行くのはどうでしょう。例えば、エムスリー社などを提案するかもしれません。
終わりに:キャリアの悩みは100通り
今回は、「手触り感か?テコのインパクトか?」「ミッション共感は必須か?」という2つのテーマで、回答いたしました。
キャリアの悩みは、在籍企業・業界・年齢・給与・家族構成など、100人いれば100通り。
一方で、共通する考え方のフレームワークがあるのも事実です。
今回のKさんへの回答が、少しでもお役に立てれば幸いです。
無料キャリア面談受付中!
佐賀をはじめ、キャリアアナリストがみなさまのキャリアの悩みに合わせて、転職支援をしています。
興味ある方はぜひ以下のリンクからお申し込みください。
お悩み受付中
記事で取り上げて欲しい悩みを募集中です。
ぜひ以下のフォームより、要望をお送りください!
https://forms.gle/VF7hE72koaAfA8v46