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退職交渉のコツ。知っておくべき6つのポイント|転職ノウハウまとめ

ONE CAREER PLUSのキャリアアナリストが転職活動のよくある疑問にお答えする特集「転職ノウハウまとめ」。今回は、退職交渉をするときに知っておきたい6つのポイントを説明します。


希望の企業に転職が決まった喜びも束の間、次に考えるべきは退職交渉です。転職後のことばかり考えているとおろそかにしがちですが、慎重に進めないとこじれてしまい、余計なストレスを抱えることになるのがこの段階。やるべきことと、避けるべきことを念頭に置いて、円満退職を目指しましょう。





転職の意思決定後、すぐに退職交渉はしよう


無事に転職先が決まって退職交渉をしようと思っても、周りに与える影響や話し出すタイミングを考えると、なかなか上司に切り出しづらい、と尻込みしてしまう人が多いかもしれません。しかし、退職交渉はできるだけ早めに行いましょう。法的には意思を表明してから2週間で退職することが可能だとされていますが、現実問題として引継ぎなど様々な手続きを行うのには最低でも1カ月は必要です。できれば、転職する2、3ヵ月前に退職交渉を始められるのが理想でしょう。


もっとも退職交渉といっても、「退職すべきかどうか」を上司に「相談」してはいけません。相談するスタンスで臨むと、結局は上司に説得され、現職に留まることになりかねないからです。


詳しくは後述しますが、退職交渉とは、退職の意思を「報告」することです。そのため、早めに退職交渉にのぞむといっても、転職が決まらないうちに行うのではなく、転職先の内定通知を受け取ってからにするとよいでしょう。


以下では、退職交渉について、6つの具体的なポイントを説明します。



・ポイント①:就業規則の確認


退職交渉の相手やタイミング、方法などを決めるにあたって、まず自社の就業規則の「退職に関する項目」を確認しておきましょう。


例えば、退職の意思表示に関して退職予定日の何日前までに意思表示をすべきかが明示されていますので、それに基づいて退職交渉を進めます。ただ、こちらが就業規則に従って退職の申し出をしても、明らかな嫌がらせなどにより、手続きが進まない場合があります。


民法では正社員(期間の定めのない雇用)の場合、会社の承認がなくても、退職の申し出をした日から起算して14日が経過した場合、退職となります(民法627条第1項)。退職交渉がこじれた場合に備えて、退職の申し出をメールで送信ログを残しておくとよいでしょう。



・ポイント②:「退職する」は事後報告


前述したように「退職する」は事後報告であることが大前提です。ビジネスでは個人が何かを決定する際には事前に相談すべきであるとされています。しかし、転職に関していえば、職業選択の自由は憲法上の権利として保障されており、どの企業で働くかも個人で決定できます。そのため、自信を持って「退職する」という「決定」を報告しましょう。


現実問題として「相談」の形をとった場合、相談された相手である上司は間違いなく、「現職に残ったほうが活躍できる」とあなたの転職を引き留めるはずです。しかし、転職先から内定をもらっていること、可能なら具体的な退職希望日付を「報告」することで、上司もあなたの強い意志を感じ、あきらめざるを得なくなります。


強い気持ちで「現職には残らない」という姿勢を見せないと、上司や役員、代表から引き留められかねず、転職の準備や手続きが滞ることになります。そうなると、最悪の場合、予定したタイミングで転職先での仕事をスタートできないということも起こり得ます。原則は、「転職(退職)しようと思います」ではなく、「転職(退職)します」という言い切り型です。


転職は権利であり、揺るぎない意思を持って事後報告するといっても、上司にぶしつけに一方的に話してよいわけではありません。誤解のないように丁寧に、かつ正確に自分の考えを伝えますが、上司の気持ちや立場に寄り添うようにもしましょう。


そうした気遣いがあれば、メールだけのやりとりで退職交渉を済ませようとは思わないはず。上司がどうしても時間がとれないなど特別の事情がない限り、直接顔を合わせて敬意を込めて退職の意思を伝えるようにしましょう。


上司が時間を作りやすいタイミングを考慮すると、就業前の朝早い時間帯か就業後がよいでしょう。ただ、就業後は一日の業務で疲れている可能性が高いですし、上司の側に別の予定が入っている可能性もあるため、できれば就業前に切り出すのがよいかもしれません。



・ポイント③:引継ぎのスケジュール作成


上司との退職交渉にのぞむ前に引継ぎのスケジュールを作っておきましょう。そうすることで、上司に対し、自分が退職することで「抜ける穴」にどう対処するつもりかをはっきり示すことができます。


あなたが退職することで上司が懸念することは、部署やプロジェクトに与える影響です。1人分の業務を埋めるために、別のメンバーや上司自身に負担がかかるのを心配しています。具体的な引継ぎスケジュールを作成しておけば、その心配を軽減できます。その結果、退職交渉でこじれることなく、スケジュール通りに手続きを進めて、転職できるでしょう。



・ポイント④:伝えるべき情報をまとめて、条件の確認を済ませる


退職交渉の際は、退職の意思を伝えることに加え、以下のような条件の確認を行う必要があります。


・入社日


退職後、転職先に入社する日付です。先述したように送り出す側である上司や会社の都合を考え、無茶な日程を提示しないようにします。目安としては、退職交渉の日から2、3カ月が理想です。最短でも3週間後に設定するようにしてください。


交渉の際、入社日を一方的に伝えるのは避けましょう。「自分の都合ばかり考えている」と思われ、上司が退職手続きに非協力的になるリスクがあります。あくまでも、「XX月XX日あたりを予定しています」という、調整する余地があることを示した伝え方をしましょう。


・賞与に関係する事項


就業規則には「XX月XX日に在籍している者に、YY月YY日に賞与を付与する」などと定められている場合があります。そのため、その日付を確認してから、退職日を決める必要があります。


・残りの有給休暇日数


現職での有給休暇を消化できるかも検討して、退職日付を決めましょう。特に2019年4月に労働基準法が改正されてからは、年次有給休暇が10日以上付与される労働者に対して、企業は年5日の年次有給休暇の確実な取得をさせなければならなくなりました。逆にいえば従業員にとって年5日の年次有給休暇は保障されている権利です。そのため、企業によっては消化しきれない有給休暇を買い取ることもあるようです。この点も含めて、交渉を詰めておきましょう。



・ポイント⑤:交渉の対象は直属の上司


退職交渉の対象は直属の上司です。当たり前のように思えますが、対象を間違えると目標である円満退職から遠のいていくことになります。


気を付けるべきは、直属の上司に話す前に何気なく同僚に転職のことを話してしまうこと。特に上司との関係が事務的なレベルにとどまっている場合、つい心を許している親しい同僚に先に転職のことを話してしまいがちです。そうなると、上司はあなたから直接聞くのではなく、間接的に別のところからその情報を耳に入れることになります。


上司としては「自分は信頼されていない」「上司として認められていない」と感じる場合もあり、感情を害してしまうと、退職交渉にも影響を及ぼしてしまいます。また、噂話のような形で上司が話を聞くことになれば、不正確な情報により上司が誤解することにもなりかねません。


上司との退職交渉にのぞむにあたり、前もってアポをとっておく必要があります。その際の伝え方にも注意しましょう。例えば、「退職したいので時間をください」と結論から述べてしまうと、退職を快く思わない上司はそのための時間をなかなかとろうとしてくれません。まずは「仕事のことで相談があるので、お時間をいただけませんか?」という言い方をすることで、上司との1対1の時間を確保するようにします。


退職交渉自体は直接会って行うのが理想ですが、約束する際はメールでもよいでしょう。メールであれば送信履歴やログが残るため、万が一退職交渉がこじれた場合に、ちゃんと退職交渉を行ったことを証拠として残しておくことができます。



・ポイント⑥:退職理由を伝えるときは前向きに


上述したように退職理由を自分から具体的に話す必要はありません。しかし、交渉する中で上司の方から退職理由を尋ねられることもあるでしょう。その際は前向きな理由を伝えるようにします。例えば、「新しいチャレンジをしてみたいと思った」「自分の可能性やスキルを試したいと思った」などです。


逆にいえば、現職の会社や役職、待遇についてネガティブな理由を話さないのがベストです。実際のところ、転職の際には少なからず現職について不満があるものです。しかし、転職がすでに決まっている時点で、そうしたネガティブなことを話したところで相手にとっても自分にとっても何のメリットもありません。逆にそれを聞いた上司は気分を害し、退職手続きに非協力的になる可能性すらあります。


また、転職理由を伝える際に、転職先企業の名前も具体的にいわないほうが賢明です。これも上司の感情に影響を与えますし、場合によっては円満退職どころか、退職交渉がこじれることにもなりかねません。



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