こんにちは、トイアンナです。
外資系コンサルティングファーム、そして日系トップファーム出身のコンサルタントが目指す次のステップには「独立起業」も多く含まれます。中には、新卒の段階から独立起業を夢見て、経験を積むためにコンサルティングファームへ入社した強者もいます。
そういった中で、実際にどれくらいコンサルタントが独立起業できるのか。そのリアルに触れたいと思います。
「コンサルタントとして」独立するも、大手の下請けに
コンサルティングファーム出身者の独立起業には、大きく分けて①コンサルタントとしての独立と、②他業種での独立がありえます。まずは、前者の「ファームとして独立開業するケース」に触れてみましょう。
パートナーレベルまで出世した方であれば、コンサルティングファームの業務における営業の重要性を痛感しています。そのため、一に営業、二に営業と、案件獲得のために奔走するところから動き始めます。しかし、営業経験が薄いアナリスト、コンサルタント(ここでは職位)のまま独立開業すると、えてして営業の重要性を踏まえずに開業へ至ることがあります。
いくら優れた分析・提案ができようとも、知られていないファームへ依頼するクライアントはいません。また、大手ファームと零細では、当然ながら大手が案件獲得で有利にはたらきます。まずは実績を作らねば……となれば、新米起業家は古巣である前職のコネクションを使い、コンサルティングファームの下請けとして目の前の資金を稼ぐのが手っ取り早い。
そうして、月々の売上を作りながらふと気づくのです。
「あれ? これって前職でやっていることと差がないな」と。
せっかく独立したはずなのに、前職の仕事をもらうだけの下請けになってしまうのです。
もちろん、そこから徐々に独自性を磨き、専門特化型ファームとして拡大していく企業もあります。しかし、2024年度には経営コンサルタントの倒産が過去最多を記録するなど、生き残りは容易ではありません。紺屋の白袴のごとく、自分の差別化戦略・経営戦略を立てられないまま廃業するケースも少なくないのです。
実際、かつて独立したものの、今はファームに戻った知人がこう語ります。
独立していたときの方が、年収は確かに高かったですよ。経費の裁量もありますし。ただ、どこまで行っても労働集約型ビジネスで、体力が衰えたら続けられないなと思ったんですよね。だから、出戻りができる今のうちに損切り(廃業)することにしました。その選択は正しかったと思いますよ。会社員なら外資とはいえ日本の解雇規制に守られているし、なんだかんだ、安定していますから
事業会社を設立したものの、キャッシュ不足でコンサルの下請けを兼任
次に、コンサルティングファームとは別業種で独立開業するケースを見てみましょう。多くのコンサルティングファーム出身者は、事業会社……つまり、実際のサービス・商品を扱う業種へ移りたがります。なぜなら、課題解決したその先にある、商品の発売、改善プロセスまで一貫して見ることができるからです。
これまで「クライアント」として接してきた業種へダイレクトにかかわりたい。しかも、コンサルタントとして働いていた期間に担当していたインダストリー(業界)なら知見もある……というわけで、独立起業するケースが多く見られます。
しかし、スタートアップはキャッシュとの戦いです。会社のテナント料、PCなどの備品、そして人件費。首尾よく投資してもらえたとしても、あっという間に現金が減っていきます。
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