企業の強さはどこで決まるのか? 潤沢な資金力か、優れた設備か、それとも優秀な人材か──。この問いに答えるヒントが、プロ野球の世界にあります。
今シーズン、厳しい競争を勝ち抜きクライマックスシリーズ(CS)への切符を手にした6球団は、いわば「業界トップクラスの成果を上げた優良企業」です。その成功の裏には、それぞれ独自の経営戦略が存在します。
ワンキャリア転職がお送りする新企画「野球に学ぶキャリア戦略」は「野球を知れば、キャリアが拓ける」をコンセプトに、野球を通してビジネスやキャリアの本質に迫ります。
初回は、スポーツライターの西尾典文さんに、経営分析の基本フレームワークである「ヒト・モノ・カネ」を用い、CSに進出する6球団を徹底比較してもらいました。
- はじめに
- 【カネ】ROI(投資利益率)が高いのは? 6球団の投資哲学
- パ・リーグ:資金力のソフトバンク、コスト管理の日本ハム
- セ・リーグ:年俸総額とリーグ順位が逆転
- 外国人への投資が顕著なDeNA
- ぶっちぎりの優勝を生み出した阪神の投資判断力
- 【モノ】未来への投資が競争力を生む。事業基盤を強化するハード戦略
- 球場投資の成功例はエスコンフィールドと横浜スタジアム
- ファーム(二軍)への先行投資が競争優位性を生み出す
- 【ヒト】新卒育成か、中途採用か、外部人材か。結果を生むタレントマネジメントとは?
- 「新卒育成」の理想形。ドラフト1位が主軸に育つ阪神
- 外部人材に依存するDeNA
- 巨人の大型中途採用には陰り
- 中途採用戦略の違いが際立つパ・リーグ
- 2025年CSの先も見据えた球団戦略に注目
はじめに
10月11日に開幕するプロ野球のクライマックスシリーズ(以下CS)。セ・リーグは阪神、DeNA、巨人、パ・リーグはソフトバンク、日本ハム、オリックスの各3球団が出場を決めているが、球団によって強化戦略は異なっている。
一般的な企業の重要な経営資源は「ヒト(人材)・モノ(物資)・カネ(資金)」と言われており、これはプロ野球の世界にも共通する。この3つに焦点を当てて、強化戦略を比較してみたい。
【カネ】ROI(投資利益率)が高いのは? 6球団の投資哲学
プロ野球における「カネ」で多くを占めるのがやはり選手の年俸である。実績のある選手を獲得するためには高額な年俸が必要となり、また結果を残した実力のある選手の年俸は当然年々高騰していく。
ただ一方で年俸の高い選手を揃えても、既にピークを過ぎていてそれに見合うだけのパフォーマンスを発揮できないケースも多く、そういった選手は“不良債権”と呼ばれることもある。そんな選手の年俸について、6球団を比較したのが次の表だ。
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