コンサルティングファームへの転職活動において、面接は避けて通れない重要な選考プロセスです。コンサルタントに求められる思考力やコミュニケーション能力、そして何よりもその企業への熱意を示す絶好の機会だからです。
本記事では、ワンキャリア転職に寄せられた1,000件以上の選考体験談をもとに、コンサル面接で評価される逆質問の戦略や具体的な質問例、そして避けるべきNG例まで、内定者のリアルな声を通じて徹底解説します。
- 1. なぜコンサル面接で「逆質問」が重視されるのか
- 2. 逆質問を企業が求める理由とは
- 2-1. 入社意欲や志望度を確認するため
- 2-2. 経営方針や事業理解をどれだけ深く把握しているかを確認するため
- 2-3. コミュニケーション能力と人柄を測るため
- 3. コンサル面接で内定者が実践した逆質問準備のポイント
- 3-1.企業研究に基づいた深い質問
- 3-2.面接官の役職に応じた質問
- 3-3.十分な量の質問を用意する
- 3-4.キャリアプランとの接続を意識する
- 4. 選考体験談に学ぶ、逆質問の例
- 4-1. 具体的な業務内容・キャリアパス・働き方に関する質問
- 4-2. 企業の戦略・将来性・業界動向に関する質問
- 4-3. 面接官個人の経験やキャリアに関する質問
- 4-4. 組織文化や社風に関する質問
- 4-5. 企業の課題やネガティブな側面に関する質問
- 5. 逆質問のNG例とその理由。評価が下がる質問は？
- 5-1. 公開情報で済む質問
- 5-2. 自分の損得だけに寄った質問
- 5-3. ネガティブな前提での働き方に関する質問
- 5-4. 具体性がなくYes/Noで終わる質問
- 6. コンサルへの転職を目指すなら
- 7.ワンキャリア転職のご紹介
1. なぜコンサル面接で「逆質問」が重視されるのか
コンサルティングファームの面接において、逆質問は単なる質疑応答の時間ではなく、重要な選考要素として位置づけられています。
実際に、面接時間の大半が逆質問に充てられるケースは珍しくありません。ワンキャリア転職に寄せられた体験談によれば、30分以上、場合によっては面接時間の半分から4分の3を占めることもあると報告されています。
特に最終面接ではその傾向が顕著で、候補者からの質問に答える形式がメインとなることも多いです。これは、スキル面での評価がある程度完了した段階で、候補者の志望度や意欲、熱意を測るための重要な機会と見なされているためです。
また、企業側が候補者に自社を深く理解してもらい、入社後のミスマッチを防ぐという目的も含まれています。したがって、質の高い逆質問を十分な量準備しておくことが、コンサル面接を突破する上で不可欠と言えるでしょう。
2. 逆質問を企業が求める理由とは
もちろん、逆質問は候補者自身が知りたいことを確認する重要な機会です。
しかし、コンサルティングファームの面接における逆質問は、それだけにとどまりません。
企業側にとっては、候補者の志望度や論理的思考力、さらにはコミュニケーション能力を多角的に見極めるための評価プロセスでもあります。
特に逆質問の時間が長く設定される傾向があるコンサル業界では、面接全体の中でも重視される要素の一つとされています。
つまり、逆質問は「質問する力」そのものが評価対象になる場であり、単なる質疑応答以上の意味を持つのです。
以下では、企業が逆質問を求める主な理由を三つの観点から整理します。
2-1. 入社意欲や志望度を確認するため
コンサルの面接では、スキル評価だけでなく「どれほど本気でその会社で働きたいのか」を見られています。
特に最終面接では、パートナーやディレクターなど経営層が登場し、“一緒に働きたいと思えるか”という相性・熱意の部分を重視する傾向があります。
実際、デロイトやアクセンチュアの選考体験談でも「第一志望であることを逆質問で示すことが大切」「意欲を逆質問で見せることも大事」といった声が多く見られました。
一次面接までの不明点は必ず書き留めておき、企業研究で学んだことと絡めながら、より深い質問ができると、面接官にも会社の理解がある程度あると思ったらあると思います。特に第一志望であれば、逆質問で志望度の高さを示すことは大切だと思います。（アクセンチュア/最終面接）
パートナーは相性や人間性を見ていたと思われる、一次面接受けるときの準備が大切。でも逆質問で意欲を見せるのは大事。（デロイト トーマツ コンサルティング/最終面接）
2-2. 経営方針や事業理解をどれだけ深く把握しているかを確認するため
特に後半の段階の面接において、経営方針の理解度を確認する傾向が強いです。
最終面接や役員面接・社長面接では、面接官が経営層であることが多いため、経営方針への理解が十分にあるかという点に関して企業とのマッチ度を測っているからです。
自分の経歴と工夫した点を論理的に話せるよう準備した。また、会社の理念を頭に入れて逆質問に利用した。（PwCコンサルティング/一次面接）
逆質問も競合との差別化戦略やファームとして目指す方向性など、包括的な視点からの質問を心掛けた。（EYストラテジー・アンド・コンサルティング/最終面接）
2-3. コミュニケーション能力と人柄を測るため
逆質問は、単に質問内容を評価する時間ではありません。
面接官の回答を踏まえて即座に再質問したり、回答の意図を的確に受け止めるなど、双方向の対話を通じてコミュニケーション力を測る場でもあります。
特にBCGやデロイトの選考体験談では「雑談を含めた自然な会話の中で人柄を見られた」「逆質問力やコミュニケーション力、パートナーに気に入られるかは重要な要素」と語られています。
このように、質問を通して相手との距離を縮め、論理的かつ共感的に会話を展開できるかどうかが、最終的な評価に大きく影響します。
人柄を見ているような気がしているため、逆質問を準備しておく。
あと、雑談が多くなりそうであれば、しっかりと雑談したほうが良い。（ボストン コンサルティング グループ/最終面接）
最終までにコンサルタントとして必要な能力は判断がついていますが、逆質問力やコミュニケーション力、パートナーに気に入られるかは重要な要素と意識するべきだと思います。（デロイト トーマツ コンサルティング/最終面接）
3. コンサル面接で内定者が実践した逆質問準備のポイント
ワンキャリア転職に寄せられた1,000件以上のコンサル・シンクタンクへの転職体験談を分析すると、逆質問の時間を最大限に活用するため、多角的な準備と戦略をもって臨んでいることがわかります。
3-1.企業研究に基づいた深い質問
まず基本となるのが、徹底した企業研究です。企業のウェブサイトや公開レポートを読み込み、事業内容や組織構造を深く理解した上で、さらに知りたい点を質問としてまとめましょう。これにより、自身の仮説に基づいた深い質問が可能になります。
ある程度、組織構造を把握した上で理解できなかった部分を面接で答え合わせすべきである。ある程度理解していれば、志望度が高い事がアピールでき好印象であると感じた。(アクセンチュア/最終面接/2021年内定)
3-2.面接官の役職に応じた質問
次に、面接官の役職に合わせた質問の調整が有効な戦略として挙げられます。例えば、パートナーが面接官の場合は経営のコアに関する視座の高い質問を、現場のマネージャーであれば具体的な業務やチームの雰囲気について尋ねるなど、相手の立場を考慮した質問を用意することが推奨されています。
3-3.十分な量の質問を用意する
また、逆質問の時間が想定より長くなることを見越して、質問を多めに用意しておくことも重要な戦略です。
さらに・・・
