コンサルティング業界の急激な拡大により、「コンサルが増えすぎている」という声が聞かれるようになりました。
本記事では、ワンキャリア転職が行なった独自調査や、業界トップへのインタビュー内容をもとに、コンサル急増の背景から将来性、そして「替えの効かない人材」になるためのキャリア戦略まで詳しく解説します。
- 1. 「コンサルが増えすぎ」の現状と背景
- 1-1. コンサル業界の規模拡大
- 1-2. コンサル業界拡大を支える需要側の要因
- 1-3. データで見る「コンサル急増」ー主要ファームの従業員数の変化
- 2. これからのコンサルタントの市場価値
- 2-1. 生成AIの台頭とコンサルタントの価値
- 2-2. 成長環境としての価値と出口戦略の重要性
- 3. コンサルトップに聞く、替えの効かないコンサルになるためのアクションプラン
- 3-1. 冨山和彦氏が提唱する「経験の非対称」戦略
- 3-2. 杉田浩章氏が説く「プロフェッショナル経営参謀」への道
- 3-3. 越境キャリアの実践方法
- 4. コンサル業界への転職事例
- 5. 特集:コンサルからのネクストキャリア
- 6. まとめ:コンサル増えすぎ時代でも活躍するためのキャリア設計ガイド
- 7. コンサル転職を目指すなら
- ワンキャリア転職のご紹介
1. 「コンサルが増えすぎ」の現状と背景
1-1. コンサル業界の規模拡大
コンサルティング業界の急拡大は、客観的なデータからも明らかです。
経産省の業種分析によると、日本の「経営コンサルタント業」の市場規模は2011年度から2020年度の間で約2.5倍(約3.2兆円)、従事者数も約2.2倍(約11.6万人)に増加し、10年連続で増加傾向を続けています。
(出典)経済産業省「令和3年度 商取引・サービス環境の適正化に係る事業(各種サービス産業の実態調査)
また、2024年8月の日本経済新聞の情報によると、アクセンチュアなど大手ファーム7社の国内従業員は約7万人を超え、3年間で4割人員が増えています。
(出典)コンサル7万人に膨張 アクセンチュアは買収でDX増強|日経転職版
1-2. コンサル業界拡大を支える需要側の要因
近年、企業を取り巻く経営課題が複雑化し、多くの企業が全社的な変革を迫られる中で、コンサルティング需要が高まっています。
特にDX(デジタルトランスフォーメーション)への対応は、業界全体の需要拡大をけん引する大きな要因となっています。
DXとは単なるIT導入ではなく、事業ポートフォリオの見直しや、業務プロセス・組織構造・人材戦略の刷新などを含む全社変革を意味し、多くの企業がその進め方に悩んでいます。そのため、外部の専門知見を持つコンサルタントへの継続的な依頼が増加しており、従来の一時的な課題解決を超えた中長期的な支援ニーズが広がっています。
1-3. データで見る「コンサル急増」ー主要ファームの従業員数の変化
さらに、主要ファームの具体的な人員推移を見ると、その成長の勢いがより鮮明になります。BIG4を中心とした主要コンサルティングファームの過去数年間での国内人員数の変化は以下の通りです。
(出典)デロイト トーマツ、2022年度の活動報告『Impact Report 2022』を発行、デロイト トーマツ、2021年度の活動報告『Impact Report 2021』を発行、PwC Japan Group Annual Review 2024、EY Japan Integrated Report 2024 - Facts and figures、SUSTAINABILITY REPORT 2023、SUSTAINABILITY REPORT 2024、ベイカレント 有価証券報告書 第6期、ベイカレント 有価証券報告書 第11期
ワンキャリア転職に寄せられたクチコミをみても、実際に在籍しているコンサル社員からも、この急拡大を実感する声や、量的拡大に伴う質の確保の課題を懸念する声が見受けられます。
業界の需要もあり、会社も大きく・強みもあるので、拡大しております。最近は大量採用を続けているので、社員のレベルを保ちながらの成長が必要だと感じます(アクセンチュア/中途入社)
中途同期には明らかに能力が不足がありそうな者もおり、大量採用の副産物だと思う(ベイカレント/中途入社)
2. これからのコンサルタントの市場価値
コンサルティング業界の急拡大とコンサルタントの大量採用が進むと気になるのは、コンサルタントの市場価値の変化です。コンサルは市場価値が高まるキャリアの選択肢として注目されていますが、コンサルの人数増加によってどのように価値が変わるのでしょうか?
ここからはワンキャリア転職がIGPIグループ会長の冨山和彦氏・元BCG日本トップの杉田浩章氏へ行なったインタビューの内容をもとに解説していきます。
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