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【解説】みずほ×UPSIDER。メガバンクのキャリアはどう変わる?

みずほ銀行が、フィンテックのスタートアップUPSIDERホールディングス(以下、UPSIDER)の株式約70%を460億円で取得し、連結子会社化すると発表した。近年、メガバンクがフィンテック系のスタートアップと提携をする事例は増えており、金融業界に新たな風が吹きつつある


一方で、ワンキャリア転職に寄せられた転職体験談を見ると、メガバンクからスタートアップに転職するケースもあり、人材流出が続いている。果たして、フィンテック企業との協業は、メガバンクにおける人材流出を食い止める打開策となり得るのか。転職体験談やクチコミデータをもとに、メガバンクのキャリア環境について詳しく解説する。


(参考)みずほ銀行による UPSIDER ホールディングスの株式取得について




1. みずほ×UPSIDERの概要


1-1. 460億円でUPSIDERを子会社化


2018年に設立されたUPSIDERは「挑戦者を支える世界的な金融プラットフォームを創る」をミッションに掲げ、AIを活用した与信審査の自動化に強みを持つ。主力サービスである法人カード「UPSIDER」や請求書カード払いサービス「支払い.com」のユーザー数は8万を超え、売上は約100億円に上るなど、着実に成長を続けてきた。


一方で、みずほフィナンシャルグループ(以下、みずほFG)とUPSIDERは、2023年11月より合弁事業としてグロースステージのスタートアップ支援を目的とするデットファンド「UPSIDER BLUE DREAM Fund」の運営を行ってきた。この協業を通じて築かれた信頼と実績が、資本関係まで踏み込んだタッグ結成へとつながった。


今後、みずほ銀行はUPSIDER株式の約70%を約460億円で取得し、UPSIDERをみずほ銀行の連結子会社とする。残る30%は経営陣が引き続き保有し、現在の経営体制は維持したままスイングバイIPO(※)を目指す。


(※)スイングバイIPO:大手企業の支援を受けたスタートアップが成長を加速させ、より早期での上場を目指す手法。KDDI傘下となったIoT企業ソラコムが代表例で、創業者玉川憲氏が宇宙探査機が天体の引力を利用して加速する「スイングバイ」になぞらえて作った造語である。



1-2. みずほが描く未来戦略


みずほとUPSIDERは、以下の3つの軸で協業を推進していく予定だ。


1. 一体的なサービス・ソリューションの提供

UPSIDERのサービスと、みずほ銀行の金融ソリューションやネットワークを組み合わせ、顧客の事業成長や生産性向上に貢献する


2. AIと人の共創による新たな与信モデルの構築

UPSIDERのAI技術や与信ノウハウと、みずほ銀行の豊富な経験や情報を融合し、新たな与信サービスの提供を目指す。みずほ銀行自身の業務の高度化も推進する


3. オープンなエコシステムの創造

多様なパートナー企業とのオープンな連携を通じて、新たなエコシステムを構築し、従来の金融の枠を超えた付加価値の高いサービスの開発・提供に挑戦する。


みずほFGはパーパス「ともに挑む。ともに実る。」の下、5つの注力ビジネステーマを掲げている。その中でも「日本企業の競争力強化」は重要な柱の一つだ。


UPSIDERとのタッグは、まさにこの戦略の具現化と位置づけられる。AIと人の共創による新たな与信モデルの構築は、中小企業へのインパクトが大きいとみられ、大企業中心だった顧客基盤にも変化が起きそうだ。





2. 転職体験談から見えるメガバンクの課題


協業が進む一方で、若手の退職はメガバンクにとっての課題の1つになっている。ワンキャリア転職に寄せられた転職体験談データを分析すると、メガバンクからの転職者の動機には共通したパターンが浮かび上がる。



2-1. キャリアパスへの不安


1つはジョブローテ中心のキャリアで専門性が身につかないことへの不安だ。配属先も個人の希望が反映されづらい傾向があり、自分自身でキャリアを描きにくい点が将来への不安につながっているようだ。


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ワンキャリア転職 編集部

吉川翔大

東京大学卒業後、新卒で中日新聞社に入社。長野、静岡、三重の3県で記者として働く。2019年にワンキャリア に入社。就活生向けの記事制作チームや広報を経て、ワンキャリア転職 編集部でコンテンツ制作を担当。京都市生まれ。

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