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トップマーケターが徹底議論! マーケターキャリアの現在

新卒、中途問わず人気の職種、マーケター。


しかし憧れはあっても、扱う商材によって業務は多岐に渡るため、実際の仕事を想像できない人も多いのでは? 輪郭がぼんやりとした同職のキャリアを確実に歩むためには、一体どのようなキャリアパスがあるのでしょうか。


そんな疑問を現場のプロにぶつけるイベントが2022年4月17日に開催。内容は、スタートアップCMOが外資から急成長ベンチャーへの転職を語る「マーケターキャリアの分岐点」


▼ 当日の対談動画はこちら




登壇したのは、大手外資系消費財メーカー、いわゆるFMCGメーカーでマーケターとしてキャリアをスタートさせ、ベンチャーに転職されたマネーフォワードの駒口哲也さん、グロースキャンプの山代真啓さん。急成長企業で開発側から事業をスケールさせてきたスマートニュースの森山大郎さんの3名。


・駒口哲也さん P&Gジャパン プロダクト戦略策定やブランドマネジメント → マネーフォワード ビジネスカンパニーCMO
・山代真啓さん P&Gジャパン ブランドマネージャー → メルカリ マーケティング統括→株式会社グロースキャンプ創業
・森山大朗さん リクルート → 新規サービスの立ち上げ → ビズリーチ 検索エンジン開発 → メルカリ エンジニア組織統括 → スマートニュース テクニカルプロダクトマネージャー


誰もが耳にしたことのあるCMや話題をさらったサービスの仕掛け人である彼らの歩みから、マーケターキャリアの現在について迫ります。





駒口 哲也(こまぐち・てつや):マネーフォワード ビジネスカンパニーCMO。東京大学大学院卒業後、P&Gジャパンに入社し、日本とシンガポールオフィスにて、プロダクト戦略策定やブランドマネジメントに従事。2018年に株式会社マネーフォワード入社。家計簿アプリ『マネーフォワードME』のPMM、『マネーフォワード クラウド』の経理財務領域事業統括を経験。現職では同社のマーケティング全体を統括。
山代 真啓(やましろ・まさひろ):株式会社グロースキャンプ 共同代表。2007年にP&Gジャパンに入社。マーケティング本部にて複数製品のブランドマネージャーを務める。メルカリでは、同社のIPOまでのマーケティング全般を統括。2018年からはメルペイのグロース責任者として事業の立ち上げに従事。2020年に株式会社グロースキャンプを創業し、スタートアップ企業を対象にマーケティングのコンサルティングを行う。
森山 大朗(もりやま・たいろう):スマートニュース テクニカルプロダクトマネージャー。リクルートや新規サービスの立ち上げを経て、ビズリーチでは検索エンジンの開発に従事。2016年から、メルカリで検索アルゴリズム改善やAI出品機能の開発に従事し、エンジニア組織を統括。現職では開発をリードしながら、株式会社ソウゾウの支援にも携わる。『たいろー』名義でブログやSNSを通じ、転職やキャリア、テック業界について発信する人気アカウントも運営する。



【前半】トップマーケターが注目する最近のマーケティング事例





マネーフォワード 駒口(以下、駒口)最近は一周回ってフィンテックが面白いです。2010年代半ば頃に一世風靡したのですが、当時は銀行が保有する情報を、どう利便性高く取ってくるのかがテーマでした。そのあとメルペイやペイペイなどの小口決済、つまりお金の流れの出口部分の利便性向上がメインに。これが今、銀行以外の給料や売り上げ、融資といった上流への価値提供が隆盛になっています。


そして為替は、現在テック活用によってバリューチェーン全体が見直され、とても興味深いフェーズに入りつつある。ブラジルやインドでは、それまで銀行がポンコツだったため、バリューチェーン全体の見直しが急速に進み、リープフロッグ現象が起きています。一方日本は、もともと既存の銀行がとても優秀でした。その中でテック変換を起こすには、マーケティングスキルが必要になると注目しています。


グロースキャンプ 山代(以下、山代):日本では今後、規制緩和や大きな法改正がいくつも起きると想定されています。そうなると、ネオバンクの波も本格化するので、やはりフィンテックは熱いです。


また最近は、現実世界にテックが普及し始めていて。例えば、完全栄養食のカテゴリー。完全栄養食市場は日清がかなり力を入れており、一昔前はスタートアップが対抗するなんてありえませんでしたが、現在は競合のようになっています。


マーケティングを含めたグロース支援をしていく中で、単純なテック要素だけではなく、コンビニでの戦略やサブスクリプション型ビジネスのグロース方法、テックドリブンなLTV(顧客生涯価値)やCAC(顧客獲得単価)の話など、テックとリアルが融合したビジネスが増えてきていると感じます。求められるスキルの幅は広がるので、難易度も上がりますが市場も大きい。取り組む企業も増加している印象です。


ONE CAREER 佐賀(以下、佐賀):PMの観点から目に付いた事例はありますか?





スマートニュース 森山(以下、森山):直近のスマートニュースの事例だと、プロダクトとマーケティングが協働した雨雲レーダーでしょうか。


以前は雨雲レーダーのアプリから「周囲が雨雲になっている」という情報のみでした。しかし人が欲するのは、雨雲の動きより、雨が降るか止むかの情報。なのでスマートニュースは「あと2分で雨が降ります」と、「From 自分の視点」で予告的に少し作り替えた。プロダクト視点で、クリアカットのカットの入れ方を変更したパターンです。


難易度の高いプロダクトにおける特許取得ですが、この仕様変更によって雨雲レーダーは特許を取得することができました。マーケティングによる少しの工夫で、既存の習慣を変えた好例です。



【後半】マーケターにまつわる6つの「疑問」





Q1. 未経験でもマーケターになれるのか?

→ A. YES


佐賀:マーケターは花形のイメージがあり、駒口さん、山代さんのように新卒からマーケター専任で教育されノウハウをつかんだ人ばかりが活躍している印象です。未経験でも中途採用される可能性はあるのでしょうか?





駒口:全然なれます。当社の場合、前職で営業、カスタマーサポート、バックオフィス業務に従事していた人がマーケターのキャリアをスタートしていますね。


一般的にマーケターのスキルセットといわれるものは、SEOや広告運用といった「HOW」など。しかし実際は、顧客やビジネスモデルを理解し、適切な「HOW」の施策を打って、事業の改善に取り組むことです。なので、顧客やビジネスモデルへの突出した理解が大きな武器になる。その活用が、マーケターキャリアの入り口になると思います。


当社は、人事向けのバックオフィスクラウドサービスを提供していますが、人事・労務領域に詳しい人はわずか。ですから例えば、中小企業で労務の責任者や、大手で人事に3年ほど従事していた人は、すぐにでも来てほしい。彼らには、他のマーケターにない顧客理解や実践で培った経験値などが備わっていますよね。




Q2. マーケターへのキャリアに活きる経験とは?

→ A. CS、ファイナンス、PM。代理店を挟むパスもアリ!





山代:私も駒口さんとほぼ同意見ですが、他にもルートはあると思います。


実は当社で最も活躍するマーケターは、社内異動でマーケティング課に移った人たち。カスタマーサクセスに近い領域やファイナンス、PMは、自社の顧客やビジネスモデルへの理解が深いので、マーケティングへの移動も可能でした。


そして一般的に、大企業よりベンチャーのほうが社内異動しやすい。なので、「とりあえずベンチャーに入って、のちにマーケティングの部署へ異動」というプランは、未経験のマーケター志望者にとっては参考になると思います。


あとは、代理店に入ること。代理店の営業やプランナーからスタートし、顧客にソリューションを提供する。マーケティング的な思考法や「HOW」の部分を学ぶうえでも、メリットのある道です。





佐賀:『Work in Tech!』の中でもコの字型人材のキャリア形成が語られています。やはりまず、自身が経験のある分野から成長産業に入ったり、マーケター素養が学べる環境に入るキャリアもあるのかなと思いました。


森山:マーケターの定義を、ある企業のマーケティング部門で採用され、そこで働くとします。顧客課題を理解したカスタマーサクセス(CS)や営業も、そのスキルから、例えばSaaS企業のマーケティング部門を受けるのはズレてない。むしろそのような人材が欲しいことも。


総じて、そこまで大きくない企業であれば、チャレンジする価値はあると思いますね。


佐賀:企業のフェーズによって、マーケターが採用されないこともあるのでしょうか?


駒口:一概にフェーズだけで語れるものではないと思います。それこそWork in Tech!を読んで、200回くらい汲み取れたんですが(一同笑い)。


フェーズという捉え方をしたときに、従業員数はもちろん、それ以上に相関があるのは成長率。例えば今年の売り上げが3,000万円、翌年の売り上げが3,500万円になる企業は、そこまで人材不足に陥っていません。


一方、200〜250億円を目指す企業は、かなりの人材不足です。というのも、高いクオリティの人材を有する一方、どの部門も人手が必要で、かつ顧客理解が重要視されている。


そのような企業は、マーケティング未経験でも顧客理解が完璧な人がいたらぜひジョインしてほしい。つまり、成長期にある企業であれば、未経験でもマーケターとして採用されるチャンスはある。





Q3. 事業会社と支援会社で身に付くスキルの差は?

→ A. 事業責任を伴うマネジメントスキル or 特定のスキル特化


山代:この問いには明確な持論があります。それはマーケティングは事業会社でしか学べないということ。つまり、事業責任の可否がマーケティングの本当の分岐点です。代理店やコンサルなどで支援するだけでは、マーケティングの本質は身に付きません。


ただ、支援会社で働く中で良いこともあります。一つがいろいろな事例を見れること。


私はキャリアのスタートがP&Gで、そこで2、3つのブランドマネジャーを担当しました。メルカリでは、フリマ事業のマーケティング責任者となり、メルペイでフィンテックのスマホ決済を含めた事業をグロースさせ、現在のグロースキャンプでは、累計で20社ほど見ています。このように、支援側だといろいろな事業を見れるので、学びのカーブは右肩上がりに大きくなるとは思います。


もう一つが、「特定のスキルに特化できる」こと。SEO、デジタル、SNSならディスプレイ広告と、機能によって縦に深掘りできる。そこが「HOW」の知になってくるかと。


ただ、マーケティングで最も重要なのが、いくらで売り上げを立てて、どれだけの利益を出すかというところ。その肌感や比率は、事業会社じゃないと身に付かないと思いますね。


佐賀:将来が見えていないタイミングでは、とりあえず可能性を広げようとしがちです。マーケターのキャリアを求めたとき、一つに絞って市場価値を高めるか、一旦選択肢を広げるか、どちらが良いのでしょうか?


山代:それは一概に言えません。ただ、意思決定可能な打席に入ることは重要です。


P&Gのマーケ1年目は、販促物のポップしか決定権がありません。しかし、せいぜい10万円のディスプレイですが、それも立派な意思決定です。打席の数が成長カーブを高めていきます。



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Q4. toBとtoCの土俵の違いは?

→ A. おおむね変わらない。toBは工程が増え、決裁まで時間がかかることも


佐賀:駒口さんはマネーフォワードに入ったとき、toC事業を担当され、その後toB側のクラウドも見てらっしゃいます。toC、toBによって、マーケターにどれぐらい影響があるのでしょうか?


駒口:極論はそこまで変わりません。両方とも顧客を理解し、何らかの価値提供するのみです。


toBの場合は、意思決定者(担当者)が施策を提案した際、決裁者に説明責任が必要だったり、登場人物が多くなって売り方が少し変わることはあります。


佐賀:メルペイなどの決済サービスは消費者から見ると、どれだけ広告費を投入できるかが重要に見えますよね。





山代そもそも認知率の高低差がブランドだと思っています。P&Gはブランドの認知度が高く、一般的な日用品を扱うので、結局はシェア争い。競合の動きを見ながら、マーケティング戦略を考えるのが王道です。


メルペイを経て、認知の少ないスタートアップサービスの競合について考えました。よく言うのは「一番の競合は日々の習慣である」「競合を意識するな」。メルペイも、競合はペイペイではなく現金。基本的に、使っていないものをどう使わせるか、カテゴリーをいかに大きくするかが勝負です。


佐賀:toCだと既存の習慣が競合とおっしゃいましたが、マネーフォワードのtoB事業にも、そのような考えが入っていますか?


駒口:おっしゃるとおりで、私は現金のことを「日銀ペイ」と呼んでいます。クラウド会計の強豪サービス全体の普及率はせいぜい10%程度。それ以外は紙やエクセルの表計算ソフトです。その層にどう態度変容してもらうか、これしか考えていません。





Q5. マーケター志望者が知るべき5つのこと


(1)言語化されたマーケティングの知見を押さえる


山代マーケター志望者は、言語化されたマーケティングの知見を押さえておくと良いと思います。


P&G時代の先輩が書かれた本をおすすめしたいです。技術的な部分がかなり言語化されていて、10冊ほど読むとマーケティングの外観がつかめてきます。


とはいえ、実際の運用はまた違う話で、マーケター志望でも意外と丸裸で挑んでくる人が多い印象です。


(2)マーケティングとは、事業の価値を消費者に届けること





駒口:「マーケターってなんだ?」という話があって(苦笑)。「マーケター志望です」という一言は、「飲食ビジネスやりたいんです」と同じくらい広い意味合いです。ホールのスタッフ、吉野家の社長、ウーバーのようなプラットフォームを作るのも全て飲食ビジネス。つまり、なりたいものが何なのか明確化されていないのと一緒。


面接で彼らに質問すると、「事業責任者に近いからマーケターになりたい」という動機が多い。例えば、50店舗展開するチェーン店のマネージャーになりたい人がいる。本当になりたいなら、玉ねぎを切ることが最良の道筋かどうか、きちんと判別できなくてはいけない。


テクニカルな刃を学んだほうが良いのか、経営企画的なアプローチをするべきか、営業からマーケターに進むか……。ゴールによって複数のパスがあるので、漠然と「マーケターになったら世界が広がる」という期待を持ちすぎないほうが良いです。





森山:マーケティング能力が高い人はマーケ以外の部署にもたくさんいます。要は、自分のサービス・価値を届けられる人。デザイナーやエンジニアでも「マーケティングセンス」を持った人は結構いる。何かしら注目を集めるものや人は、マーケティングスキルが高いのと同義です。だからもっと視野を広げても良いんです。


逆に、「マーケティングをがんばっています」と豪語する人ほど、自分をまったくマーケティングできていないことも。


山代消費財メーカーは外資のテック系メーカーより、マーケターの職種が独立しています。はっきりと棲み分けがあるパスもそれはそれで良い。


ただ、スタートアップ的に言えば、職種のボーダレス化の傾向は大きいです。消費財のほうがはっきり分かれていて、そのルートに乗りたいなら乗ったほうが良い。


駒口さんも私もマーケ出身ですが、事業の回し方、プロダクトやセールスの連携を考えたりと、マーケティングの仕事をしている印象はそこまでありません。


森山:P&Gのマーケティングも二分化されている印象です。事業責任者になるパターンと、マーケティング一本で外資などを渡り歩くエスタブリッシュな道があります。


(3)スキルを「かけ算」してキャリアを作る


山代:私にとってのキャリアの分岐点は、P&Gからメルカリへの転職。教義、カルチャー、ビジネスの領域もがらっと異なり、全く違う世界に来た気分でした。マーケティングの基礎の半分以上は通用しない感覚で、ほぼゼロベースで取り組んできましたね。


そこで得られたP&Gのクラシックなマーケティングを基に、急成長スタートアップのマーケティングに向き合った「かけ算」の経験は非常に大きかったです。


マーケターは、同じことを繰り返すのでなく、新しいチャレンジを続ける必要があります。今置かれている場でやりきっているなら、市場価値はかなり高い。経験のかけ算が、マーケターのキャリアでは重要ですね。


(4)今後求められるのはデジタルマーケティング





佐賀:そうすると、次に何をかけ算すべきか、多くの人は気になるはず。今だとデジタルマーケティングを学んだほうが良いと聞きますが、メガベンチャーのCMOを見ると、P&Gなどの伝統的なマーケティングを学んでからデジタルに転用していたり。そこに最適解はあるのでしょうか?


山代個人的に、デジタルマーケティングはやったほうが良いと思います。


P&Gはテレビセントリックなマーケティングからスタートして、現在デジタルに到達していますが、デジタルマーケティング・ネイティブはデジタルがベース。3〜4年デジタルのスキルを突き詰め、マーケティング戦略の上位互換をやり込んだほうが、10年先の市場で求められるCMO像だと思いますね。





駒口:私も山代さんと同じで、「HOW」の部分で、P&Gでの学びの活用は正直かなり低いです。唯一の良いクセは、予算の感覚。P&Gは、新商品ローンチやテレビCMなど、一回の施策の予算が大きく、顧客理解を突き詰めないでミスをしたら終わり、という感覚が強い。


一方、デジタルマーケティングで数字の改善をしている人は、その問いを立てなくても生きていける環境にある。なのでデジタルマーケティングでそこまで問える人は最強で、それができたら一番良いと思います。


佐賀:であれば、クラシカルなマーケティング手法を熟知し、デジタルマーケティングも成功している企業に入るのが最適解に思えますが。


森山:要は学びましょうということ。一定の基礎理論にマーケティングの本質はありません。例えば、マネーフォワードのマーケティングがすごく洗練されていたら、それ以外の穴埋めを考えられる人のほうが活躍できると思います。


(5)おすすめは、打席でたくさんバットが振れる企業


駒口:打席に立って場数を踏むことは重要です。加えて、マーケター志望者におすすめなのが、急成長企業と事業部がある程度分かれている企業(ワンプロダクトで総力を挙げて取り組むより、分かれているプロダクトで各々PLを持つ集合体の企業)。


なぜなら、ワンプロダクトで成り立つ企業だと、若いマーケターが打席に立つチャンスはなかなかありません。方やベンチャーは、年間売り上げ2000万円から40億まで、いろいろな事業部がある。企業成長のため、ある程度ローリスクな部分を若手にチャレンジさせ、徐々に大きな打席に立てる環境作りをしている。


このような、「急成長で若手もバットを振れる環境」を選んだら伸びると思います。





Q6. 一緒に働きたいタイプは?

 → A. ズバリ「良い奴」。臨機応変に意思を手放せる人も


駒口:私がいつも言っているのは「良い奴」ということ。いるだけで空気を悪くしたり、周りを蹴落として自分だけ目立とうとする人は、本人がいくら優秀でもチームの生産性を下げるのでいりません。


そのうえで、良い意味でプライドが高くないことが大事。そういう人は、打席に立ってバットを振って、空振りやゴロを出したときに、その経験と教訓を素直に周りに共有できる。





森山:あと、自分の意思や意見を持ちつつ、時と場合によってどうでも良いと言える人。


働く人は大体2パターンいて、一つがプロフェッショナルタイプ。意思があり、専門知識がありますが固執しがち。反対意見に守りに入ったり、拒絶する人もいます。


もう1パターンは、そのようなプランすら持てない人。「それ良いですね」と単にコメントするだけで、現場であまり価値が出せません。


その点、スマートニュースの上司、前田慎太郎(広告サービスのプロダクトマネージャー兼エンジニア)はすごい。ものすごい勢いで起きている現象を上から書き出します。この部分は調べる、ここはデータを取る、ここはよく分からない、みたいな。しかし、異なる証拠が提示された際は、「僕の仮説は棄却されました」と、さくっと切り替えられる。


経営層に近づくほど、責任のプレッシャーが増して、異論が受け入れられなくなる。しかしそのように意志を客観視できる人は、一緒に働いていて気持ちが良いです。


佐賀:一緒に働きたい人の条件に、スキルセットはいらないのですね。


駒口スキルセットはあとからいくらでも付いてきます。自ら学んで失敗を共有できる人は、周りのフィードバックを受けやすく、成長が後押しされる。入社時点でスキルが高いに越したことはないですが、スキルの高低が一緒に働くことを拒絶する理由にはなりません。





山代逆に「このスキルがめっちゃあります」と豪語するほうがリスキーです。特定の範囲から出られず限界を設定したり、過去の成功パターンから抜け出せなかったり。オープンマインドでいれば、スキルは自ずとついてくる。それより意思決定の経験から培うスキルが重要だと思います。



まとめ


花形職業と言われるものの、意外と間口の広いマーケターという仕事。今いる場所で、クライアントや業界のために試行錯誤を繰り返し、チャレンジし続けているのであれば、マーケターのキャリアは想像以上に近そうです。ぜひ、そこから自身が理想とするマーケターの在り方を追求し、企業を、社会を前進させる人材になっていただきたいと思います。



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