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【相談#14】営業からマーケターにキャリアチェンジしたいです


はじめに


ONE CAREER PLUSのキャリアアナリストが、皆様のお悩みや一般的な疑問にお答えする連載企画。

今回は、「営業からマーケターにキャリアチェンジしたい」という相談者さんからのお悩みです。


将来的にマーケ職に挑戦することを見据えて、まずは法人営業としてキャリアをスタートしたという相談者さん。

営業からマーケへのキャリアパスにはどのようなものがあるのでしょうか。

キャリアデータを知り尽くすキャリアアナリスト佐賀が、率直にお答えします。


本コンテンツは、Podcastまたは記事のお好きな方法でお楽しみいただけます。


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本日のお便り


ONE CAREER PLUSの佐賀です。

キャリアアナリストである私佐賀が、キャリアのお悩みに答えていくこの企画。

これまでONE CAREER PLUSに寄せられた相談や、一般的に皆さんが悩むであろうテーマを取り上げ、ラジオ形式で解決していく、シンプルなコーナーでございます。


さて、本日のお便りはこちら。

ラジオネーム「エビシュウマイ」さんからのお便りです。


「佐賀さん、こんにちは。
私は今、社会人2年目の半ばに差し掛かっています。
新卒のころからマーケ職に興味があったのですが、新卒からマーケ確約のポジションは多くなく、まずは法人営業としてキャリアをスタートしました。
売上目標を追い求めてアポを重ねる中で少し疲弊感を感じており、より自由度が高くクリエイティブなマーケ職への想いが再燃しています。
どうやったらマーケターになれますか?」






前提:マーケターこそ「数字」を追求する職種


「どうやったらマーケターになれるか」という質問はとても多いです。

私も社会人3年目に転職活動をした際に全く同じ考えで、売上などの数字を追い求めることに対して疲れを感じていたことから、何も考えずにマーケターになりたいと言っていました。


また、当時は営業職に対しての解像度が低いために、「営業は手に職がつかないのでは」という不安を抱いていました。

そして、「どこでも通用するスキルセット=エンジニアorマーケター」というイメージから、エンジニアが自分には難しそうだからマーケターを目指す、という浅い考えで志望していた時期がありました。



そのため、今回の相談者であるエビシュウマイさんも、マーケターという職種を誤解している部分があるのではないかと思っています。

なぜなら、マーケターこそ数字を追い求める職種であり、業務内容が営業よりも地味な側面も大いにあるからです。


マーケター界隈にいる方からすると「数字を追うのに疲れたからマーケターに転職する」というのは矛盾していると感じるそうです。

そのため、マーケターの選考でそうした趣旨の発言をしてしまうと、その時点で面接官から「業務内容への理解がない」「適正がない」と判断されると認識しておいてください。


マーケターが数字を追求する仕事である理由は、自社のKPI達成のために地道な施策を重ねる役割を担っているからです。

マーケターは、企業の顧客に対して商品やサービスの認知を広げていき、自社の数値アップにつなげて行くことを求められています。


商品やサービスのフェーズや状況によって

  • 会員獲得などのような集客の視点
  • 商品のイメージや認知向上などのPRの視点
  • 商品やサービスの売上の視点

など様々な視点が求められます。

どの視点においても、施策を重ねていき、自社のKPI達成を目指すという点は共通しており、その施策は地道にやっていくものになります。


地道に施策を行うことについて、集客の視点を例にして説明します。

集客を行う広告の手法は、オフライン時代は街中の看板広告やテレビCMなどが主流でしたが、オンライン時代である現代は、FacebookやXなどのプラットフォームでのデジタル広告が増えています。

そのため、インプレッション数を目標に立て、広告配信の施策を地道に繰り返し、配信単位で詳細に数字を改善・向上させていく仕事もあります。


このような仕事では、広告の定量的な評価を細かい部分まで追い求めることになるため、相談者さんが逃れたい「数字」をむしろ追求しなければならず、この時点でイメージとのギャップがあるのではないでしょうか。






最短ルートは、営業経験を活かしたBtoBマーケター


このような前提を踏まえた上で、マーケターになる方法について回答していきます。

相談者さんのような法人営業を経験した方におすすめしたいのは、BtoBマーケターです。


これまでの法人営業としてのキャリアで

  • 自社の商品やサービスの魅力
  • クライアントが自社の商品・サービスを導入する理由

などのような、法人向けのビジネスの知見を培ってきたと思います。

その知見を生かすことのできるBtoBマーケターは比較的目指しやすいのではないか、という考えです。


しかしながら、BtoBマーケターも未経験では簡単になれない職種です。

そのため、「営業→マーケター」の経由地点としておすすめな職種はインサイドセールスです。


「インサイドセールスって、また営業じゃん」

と思うかもしれませんが、多くの企業では、インサイドセールスとBtoBマーケを同じ組織に配置する構造を取っています。

その理由は、インサイドセールスとBtoBマーケは、SaaS企業の多くが取っている「The Model型」の組織構造において密接な関係を持っているためです。


▼The Model型について解説している記事はこちら



業務の流れとしては、BtoBマーケターが、イベントマーケティングやコンテンツマーケティングなどの様々な手法で見込み顧客を集め、そこで獲得した顧客に対してインサイドセールスがアプローチします。

※イベントマーケティング:展示会に自社の商品やサービスを出展し、顧客情報を集めること

※コンテンツマーケティング:商品やサービスに関する資料を配布し、顧客情報を集めること


そのため、リードのクオリティのフィードバックや展示会・コンテンツの準備などにおいて、BtoBマーケターとインサイドセールスは共に仕事をするケースも多く、ここで積んだキャリアをもとにBtoBマーケターに移籍・転職するキャリアもあります。


このようなことから、

  • 最短での転職の場合:法人営業の経験を活かせるBtoBマーケターへ転職
  • 最短での転職が難しい場合:インサイドセールスへ転職→社内異動/転職などでBtoBマーケターへ

といったキャリアパスを目指すのが良いのではないでしょうか。






比較的敷居が低い「デジタル領域」も狙い目


それ以外でおすすめなマーケ職として、デジタル領域での広告運用などを行うデジタルマーケターがあります。

理由としては、デジタル領域の広告運用は、最初に行うアクションの敷居が低いためです。


例えば、FacebookやXなどのプラットフォームにクリエイティブや期間の設定を行うような業務も存在します。

少し語弊はあるかもしれませんが、誰でも遂行可能な業務も存在しているため、OJTで育成しやすい環境であり、未経験の方でも受け入れられるのがデジタル領域の特徴です。


そのため、最初はデジタル領域の広告運用からマーケティングのキャリアをスタートさせ、その中で難易度の高い経験も積んでいき、マーケティング施策の企画やクリエイティブ制作などにキャリアアップを目指していくことも可能です。


▼デジタルマーケターへの転職ついて解説している記事はこちら



【法人営業からデジタルマーケターへの転職実例】






FMCGメーカーへの唯一の道は、組織にない”特出したスキル”


マーケターといえば、P&Gやコカ・コーラなどのFMCG(消費財メーカー)のブランドマーケターをイメージし、ブランド戦略を担うことへの憧れを感じている方も多いのではないでしょうか。

しかし、FMCGのブランドマーケターは新卒採用者を育成していく企業がほとんどであり、中途入社はかなり狭い道です。

中途採用の募集があったとしても、FMCGメーカーからの経験者の採用に閉じているケースが多いです。


FMCGメーカーのブランドマーケターに転職する方法についてのご相談は多いですが、基本的には難しいという回答をするケースが多いです。

ただし、組織において経験者が少ない知見を身につけておくことができれば、中途入社するチャンスもあります


具体的には、総合コンサルティングファームのマーケティングに特化した組織から、FMCGメーカーに転職しているケースもあります。

このような転職の背景には、伝統的にオフラインでのマーケティングを行なっていたFMCGが、近年デジタル広告にシフトしていることがあります。

従来、テレビなどの媒体を使ったマーケティングを行なっていたことから、知見が偏っており、デジタル領域でもマーケ機能を内製していくためにデジタルマーケティングの知見を持った方を欲しがっていたと思われます。


このように、現状その組織において即戦力を張る方がいない可能性のある領域で、尖った経験を積むことができているのであれば、人気のFMCGメーカーのブランドマーケターにも中途入社できる可能性はあるのではないでしょうか。


FMCGメーカーのブランドマーケターになりたい方々の多くから、「将来、CMOを目指していきたいから」「CMOはほとんど元P&Gの方じゃないですか」という相談をいただきます。


P&GなどのFMCGメーカーのマーケターに転職することができれば良いですが、

P&GなどのFMCGメーカーのマーケター出身の方がCMOを務める企業で、その方の直下で働く

という選択肢もあります。

その代表的な企業がマネーフォワードで、CMOを務める駒口さんという方は元P&Gです。


このような方々から基本的なマーケティング手法だけでなく、テックやデジタルマーケットでの戦い方に転換させたマーケティングも学ぶことができるため、こちらの選択肢もおすすめです。






さいごに


さあ、いかがでしたでしょうか。

このコーナーでは、皆様からのお便りを大募集しています。

詳細欄のURLの部分から、キャリアに関する疑問やお悩みをどしどしとお寄せください。

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また、佐賀や他のキャリアアナリストと直接話してみたいという方は、無料のキャリア面談も受け付けております。

こちらもお気軽にご応募ください。



それでは、また次のラジオコーナーでお会いしましょう。

さようなら!




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