コンサルキャリアで最も特筆すべきことは、「ネクストキャリアを見越した入社」の方が多いことでしょう。
そして、コンサルに入社した方の多くが直面するのが、以下のような問いです。
・いつファームを去るべきか
・コンサルを経由したからこそ行けるネクストキャリアはどこか
・年収の増減をどう捉えるか
本シリーズでは、実際にコンサルを卒業してネクストキャリアを歩まれる方々にインタビューをし、ポストコンサルキャリアの実録を集めていきます。
実録:「事業会社・コンサル」——多様な経験を経てたどり着いた、揺るがぬキャリアの軸
50歳を超えた今、Gさんの歩んできた道は決して一直線ではありません。
金融、人事、そしてコンサルティング。時には「反省案件だった」と振り返る転職もありましたが、そこには常に「納得感をもって選ぶ」という信念がありました。
事業会社で人事戦略を担い、外資コンサルでの苛烈な経験に直面し、事業会社で再び人材の本質に向き合った日々。
キャリアの浮き沈みを経たからこそ語れる、働くことと人生に向き合う覚悟。そして、一つの専門領域を深めていくことの価値。
本記事では、そんなGさんのリアルな言葉を通じて、揺るぎない「自分の軸」を見出すヒントをお届けします。
人事と金融、ふたつの軸で築いてきたキャリア
社会人になって約四半世紀、人事が約6割、金融が約4割ほどですね
Gさんのキャリアは事業会社での人事戦略に軸足を置いてきました。
金融機関での10年を優に超える経験を経て、事業会社やコンサルティングでも経営目線からの人事戦略に携わり、現在は再び事業会社でその知見を活かしています。
「キャリアのなかでも印象深かったのは、外資系メーカーでの人事改革」 と語ります。
プライベートエクイティ(PE)が出資したタイミングで、PE監視の下、組織変革が進んでいました。Gさんは管理職として人事の中期経営計画の策定や、評価制度の運用を担当しました。
早期退職や報酬制度改革といった繊細な課題にも取り組む機会がありました。いずれの業務も逆風が吹き荒れる中で進行しており、強い推進力が求められる難易度の高い仕事でした
同時にここで、Gさんにとっての転機が訪れます。プロジェクトで関わった外資系戦略コンサルティングファーム出身のメンバーによる高いパフォーマンスに強い衝撃を受けました。
事業会社で長年の経験を積み、それなりに自信は持っていました。しかし、彼らのパフォーマンスは明らかにレベルの違うものでした。自分もあのように思考を深め、構造化できる力を身につけたい
と思ったことが、その後外資コンサルへの転職を決意する大きなきっかけになったと語ります。
外資コンサルで味わった苦しさと学び
その後、彼はコンサルティングの世界に足を踏み入れます。外資コンサルでは人事・組織領域にて、未経験ながらマネージャーとしてジョインします。
当初は営業の役割を想定していたのですが、入社してみるとデリバリー担当でした。しかも、2016〜17年当時は、いわゆる“古き良き外資コンサル”の文化がまだ色濃く残っていた時代でした。率直に申し上げて、想像以上に厳しい環境でした。
さらに・・・



