「エキスパートとしての成長もプライベートもあきらめたくない」
「子どもを持っても挑戦者であり続けたい」
株式会社三井住友銀行(以下、SMBC)に転職し、専門性を磨きながら仕事と家庭の両立に奮闘中の中田桜子さんと野田秀明さん。そして将来像を検討中の西原友里子さん。
ライフステージの変化に合わせて柔軟に働き方を変えていこうとする彼、彼女らに対し、SMBCが提供している価値とは。
キャリアのフレキシビリティや多様性を重視し、前向きに変化と向き合うSMBCの姿を、3人の声を通してお届けする。
求めたのは「自分の専門性を磨ける環境」
―今日はSMBCの子育て世代&若手社員の皆さんに、「理想のキャリア像」「仕事と家庭を両立する上での課題」「両立のために必要な支援」について、その本音をお聞きしたいと思います。
最初に、皆さんがSMBCへの転職時に重視したポイントを、仕事とプライベートの両面から教えてください。
西原:転職時に重視したのは、これまで携わってきた専門性の高い税務業務を継続できることと、仕事とプライベートをしっかり切り分けられることです。
前職の税理士法人では専門性の高い税務事業に従事できた反面、クライアントの要望に合わせて急ぎの仕事が突然舞い込むことがありました。
現在は上司からの細やかな配慮があったり、個人ではなくチームで仕事をする空気感があることから、メリハリをつけやすい環境だと感じています。
野田:私も、かねてから興味を持っていたデリバティブ関連の分野で、学生時代に学んだ知識を活かして働きたいと考えたからです。なお、転職当時は今より若かったこともあり、プライベートとの両立についてはほとんど意識していませんでしたね。
中田:お客さまとの継続的な接点が重要視されるデジタルマーケティングの世界での潮流に対し、専門性の高い経験を積みたいと思ったからです。数ある商材の中でも、生活になくてはならないものである「お金」を扱うことで、関わるお客さまの広さ・深さの両方の観点で専門性を高められると思い、銀行に興味を持ちました。
また、前職時代に参加した社外勉強会でSMBCの方(入行後の上司にあたる方)の講演を伺った際に、赤裸々なエピソードを聞け、デジタル推進に力を入れている実態を垣間見ることができたため、SMBCを選びました。
当時はプライベートとの両立の観点は重要視していませんでしたが、他企業との比較を行う際には家庭との両立のしやすさや休暇制度の充実度合い、給与水準等の情報も見ていました。
「理想のキャリア」はエキスパート化とプライベートの充実
―ここからは、皆さんの理想のキャリア像について、仕事とプライベートとの両立面も含めてお聞きしたいと思います。
西原:理想のキャリア像は、税務のエキスパートとしてのキャリアを築いていくことです。皆さんから「あの人は税務のことなら何でも詳しい」と言われるような存在になりたいと思っています。
幸いSMBCには「エキスパート制度」というキャリア選択を意思表示できる仕組みがあります。この制度をうまく活用することで、事業会社にいながらも専門性を極めていければと思っています。
野田:現在はデータを用いた運用や市場分析の分野に携わっていますが、そちらでも専門性を伸ばしていきたいと考えています。私の職場には業務内容と興味・趣味の距離が非常に近く、休日も関連分野の勉強をしている同僚が少なからずいます。私もそうした学びを仕事に活かしつつ、仕事もプライベートも充実させられればと思います。
なお、昨年度からは管理職としてマネジメント業務も担うようになり、メンバーのスキル把握やバックアップといった役割が増えました。自分の専門性の追求とマネジメント業務をどう両立させていくかが今後の課題です。
中田:私は入行後に出産し、現在は子育てとエキスパートキャリアを並行して両立しています。子どもが生まれてからは家庭とのバランスを重視するようになり、優先順位が変わりましたが、子どもと接する時間を心から楽しむためにも、仕事において自分だからこそのアウトプットを出せているという満足感や充実感を得られているかどうかを重要視しています。
また、30代後半での出産だったこともあり、一時的に子育てに集中する期間を経てから仕事に集中する(=仕事とプライベートをずらして両立する)という選択肢はありませんでした。
なぜなら、一時的にでも仕事の優先度を下げることで、ビジネスパーソンとして脂が乗る時期を逃すことに繋がり、もったいないと思ったからです。
―皆さんのお話を聞いていると、エキスパート志向の方が多いようですね。さきほど西原さんから「SMBCのエキスパート制度」について話が出ましたが、この制度は専門性を活かしたキャリアを歩むことを目指す方々にとっては心強い存在であるように思われます。
人事:「エキスパート制度」は、従業員それぞれがより自分らしいキャリア選択をできるよう、専門分野に限定したキャリアパスが保証され、専門性をより一層向上させる機会を得ることができる制度です。
西原:このエキスパート制度を活用することにより、自分が高い専門性を身につけて従事していきたいと考えている特定分野の仕事を続けるための努力や挑戦を後押ししてもらっていると感じています。私の所属する財務企画部でも活用している方は多いです。
野田:私のまわりでもクオンツ、データサイエンティストなどの分野で活用している人がいますね。
中田:私自身、転職後にエキスパート制度を知り、現在活用しています。銀行でないと所有しづらいデータやログをもとに仮説を立てて商品をご案内できるという魅力をもった業務であるため、所属しているリテールマーケティング部でデジタルマーケティングの経験をできる限り積みたいと思ったことが背景です。
管理職に昇進する以外にも、専門スキルに沿ってエキスパートとして実績を積むキャリアを歩むことができるので、とても心強いです。
―皆さん活用されているのですね。「エキスパート制度」以外にも個人のスキルやキャリアアップに向けた制度はあるのでしょうか?
人事:入行後3年以上経過した社員を対象に、大学院通学や各種資格取得に要した講座費用の一部を補助する「キャリアデザイン学習支援制度」があります。利用できる資格も幅広いため、ご自身のキャリアアップに向けた挑戦のためにも、ぜひ積極的に利用していただきたいです。
野田:私のまわりでもSMBCの制度を活用し、MBAの取得を目指して海外留学をしている人がいます。その他にもデータサイエンス・アナリティクス、ロースクール等への募集も定期的にあり、学ぶ意志のある人を積極的にサポートしてくれる環境だと思います。
「柔軟な働き方」の実態とは?
―ここからは、仕事とプライベートとの両立について重点的に伺っていきたいと思います。仕事と家庭とを両立させるためには、柔軟性のある働き方が不可欠になってくると思います。皆さんの部署では、現在、在宅勤務や時差出勤といった働き方がどの程度導入されていますか。
野田:現在の業務内容の性質もあってですが、私のグループでは比較的フレキシブルな働き方が浸透しており、家庭との両立もやりやすいと思います。多くのメンバーは週に 1, 2 回は在宅勤務をしていますし、出社時も夕方 18 時にはほとんどの人が帰宅します。
在宅勤務も子供の送り迎え等のために午前だけ、午後だけといった部分的に実施するという柔軟な活用も行っています。なお、こうした在宅勤務の体制が整った背景としては、新型コロナウイルスの影響が大きかったと思います。
西原:財務企画部では、業務性質上どうしても紙作業を行わなければならないシーンはあるものの、少しずつ時短勤務や在宅勤務を活用して子育てと仕事を両立している方も増えてきました。
前職では基本的に在宅勤務だったため、同僚とのリレーションシップに課題を感じる場面もありましたが、現在は顔を合わせて仕事を行うことで業務が進みやすくなりますし、個人の事情に応じて働き方を選ぶこともでき、良いとこどりができていると感じます。
中田:私の部署では皆さん自分のタイミングや仕事のスタイルに合わせて柔軟に在宅勤務を活用しています。私は仕事とプライベートのメリハリをつけたいタイプなので基本的には出社していますが、2週間に1回程度は子どものスケジュールに合わせて在宅勤務をしています。
通勤時間がない分、勤務時間を確保しやすいですし、昼食休憩時や勤務終了後すぐに家事にも取り掛かれるため、気持ちにゆとりを持って子どもとも接することができています。
また、在宅勤務以外にも、子どもの健康診断や保育園の行事の際は、時間単位でも取得することが可能な「子ども休暇」を活用しています。
仕事と家庭の両立のためには周囲の理解も必要
―SMBCでは「子ども休暇」以外にも「両立支援制度」など、個々のライフステージに合わせて仕事とキャリアの両立をサポートしていますが、西原さんはこうした制度についてはご存じでしたか?
西原:制度があることも活用されている方がいるのも知っていますが、将来、自分が結婚して子どもが生まれたときに完璧に両立できるのかと問われるとまだイメージがついていません。
なぜなら私の部署では子育てをしながら働く女性の方が多くなく、身近でお話を聞く機会があまりないからです。実際に仕事と子育てを両立してこられた先輩たちから、具体的な体験や事例を共有いただけたら、より自信を持てると思います。
―西原さんのように制度が活用できることは理解していても、将来の子育てと仕事との両立について不安を抱えておられる方は多いのではないかと感じます。中田さんは子育てと仕事を両立していらっしゃる当事者ですが、実際に両立する上で困ったことや悩みをどう解消していますか?
中田:子どもの急な体調不良による早退やお休みは避けられないため、丁寧に進捗共有や情報連携を行うなど日々の業務での工夫を心がけています。
とはいえ、打ち合わせに出られない・同僚に業務をお任せせざるを得ない状況になってしまうことにはいつも心苦しさを感じますが、周囲の方々が「お大事に」「無理はせず」と優しい声掛けをしてくださることにとても救われています。
幸いにも私の部署には子育て中のパパ・ママが多く、悩みの共有や相談もしやすい環境だと感じています。また、子育てをしながら管理職を務めるママ社員の存在は良きロールモデルです。そういった環境に所属部署問わずアクセスできるようになるとより良くなると感じます。
人事:会社としても育休復帰時には研修の一環として、育児と両立をしている方同士の座談会を企画するなどの試みを進めています。また、当事者だけでなく、同僚や上司も参加できるような取組として、現在、管理職向けに育休復帰後の社員をケアするための研修動画の視聴を勧めています。
少しずつではありますが、より会社全体で様々なライフステージの方々をサポートできるように仕組みを整えていきたいです。
SMBCならではの面倒見の良いカルチャーが両立の助けに
―両立支援のためには、子育ての当事者以外の人、とくに管理職に就かれる方々の意識変革も不可欠だと思いますが、これまでに仕事とプライベートの両面に関して、上司から受けて嬉しかったケアなどはありますか。
西原:全社的に月に1回、グループ長と1対1でざっくばらんに話ができる場が設けられています。それにより、上司と気軽に話せる関係性が構築でき、仕事の相談だけでなく、「今日はプライベートな用事があって早く帰りたいです」といったことでも気軽に言い出すことができています。勤務管理に関してもPCログできっちり見てもらっており、見守られている安心感がありますね。
中田:1on1で業務だけでなくプライベートの相談ができるので、子育ての負荷が普段よりも高くなる時も率直に共有することができます。共有するだけでも心が軽くなりますし、いつも気遣っていただけるのでとても感謝しています。
また、私の上司自身も子育て中ですが、「子どものお誕生日なので休暇をとります!」といった宣言を自主的にしてくださるので、体調不良の看護を目的としたお休みだけでなく子どもとの時間を充実させるための前向きなお休みも取得しやすくなっています。
―一方で、マネジメントポジションにある野田さんと中田さんは、どのようなメンバー支援をしておられますか。
野田:私のグループではみんな高い専門性を持って自ら進んで自己研鑽に励んでいるので、現段階では特に細かく指示を出す必要を感じていません。私の仕事は環境を整えることであり、基本的には公私ともに各自の裁量に任せています。ただ、メンバー同士で知見を共有する機会は意識的に設けていますし、私にしかできないようなことがあれば、惜しまずシェアするつもりです。
中田:「自分がやってもらっていることは周囲にも返す」ということを意識しています。子どもがいる・いないに関わらず、メンバーの体調不良時も含めてフォローしあえる関係性がなければ仕事とプライベートを両立することは難しいと考えているからです。
また、そもそも専門スキルを持ち合わせた方が多い部署ではありますが、相互に情報提供を行うことで全員で専門性を向上させられるようにしています。
専門性向上のためには外部からの知識も必要ですが、日々の業務に集中するとどうしてもインプットは後手に回りがちです。そのため、自分が仕入れた調査データやレポート、社外セミナーの資料や議事録などは積極的にメンバーに共有しています。
社員のマインドセットの変革と生産性に応じた評価を
―今後、どのようなカルチャーや環境が整備されれば、仕事と家庭との両立がよりやりやすくなると思われますか。
野田:私は業務効率性に対する社員一人ひとりの意識改革とそれに対する評価が重要だと思います。例えば、純粋な作業時間量だけではなく、プログラム等を用いた自動化による作業時間を短縮したという事実をしっかりと評価するなど、効率性や生産性による評価をもっと取り入れていくことも重要ですね。
人事:わたしたち人事部門としても、今後は生産性や効率性を評価するような仕組みを導入していこうと考えています。
中田:私は上席の方ほど積極的な休暇取得や、ご家庭の都合に応じた在宅勤務の活用をしてほしいなと思います。もちろん、みなさん必要なお休みは取得されていますし、経営陣とのコミュニケーションが多いため対面の方がスムーズな業務進行につながることも理解はしています。
ですが、ご家庭やお子さん、ご自身のために休む・在宅勤務をすることをあえて公言してくださるともっと気軽に、前向きになり、好循環につながる社員も多いと思います。
社員の声に耳を傾け、より働きやすいSMBCを目指して
野田:本日、こうして仕事と子育てを両立して頑張っておられる方の生の声をお聞きして、自分も父親の一人として、日ごろの育児や家事に対する姿勢を顧みるよい機会になりました。
西原:これまで、結婚や育児をしながら働き続けるイメージは持てるものの、不安な面もありました。でも、今日こうして仕事と家庭を両立させながら頑張っておられる先輩の姿を目の当たりにして、大きな勇気をいただくことができました。今後のライフステージの変化を考えるとき、こうしてSMBCの第一線で活躍しておられる先輩がおられるのはとても心強いです。
中田:皆さんのお話を聞き、SMBCは専門性を高める業務を続けながらプライベートも充実させられる環境であることを改めて認識できました。今後も両立に悩むことがあるかもしれませんが、その際は上司や周囲の方とより密にコミュニケーションをとったり、会社の制度をもっとうまく活用したりすることで前向きに乗り越えていけたらと思います。
―今回の座談会を通して、SMBCが仕事と子育ての両立に悩む社員が抱える課題を真摯に受け止めて変化をし続けていこうとしている会社であることを実感することができました。本日はありがとうございました。
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