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夢破れた後に「仕事に全振り」して見つけた、人生を楽にするための方法

自分の強みを活かし、主体的にキャリアを選び取る。それこそが現代における新たなロールモデル像といえます。そんなカッコいいロールモデルたちは、ファッションにおいても自分を生かす術を知っているはず――。


キャリアとファッションを確立した2人に、これまでのキャリアとファッション変遷を語ってもらう今企画。2回目は、新卒で大手製薬会社に入社、その後ダンサーにも転向するといったドラマチックなキャリアを歩んできた、セレブリックスの梅田翔五さんに話を聞きました。

※今企画はFABRIC TOKYOとのコラボレーション企画です

 



 

 


ダンスのために選んだファーストキャリア。仕事に本気で向き合えなかった


 


——上智大学経済学部のご出身の梅田さんは、卒業後に大手製薬会社に入社されました。当時はどのようなキャリアパスを描いていましたか?


梅田:僕は15歳でダンス(ブレイクダンス)に出会って以降は、ダンスに没頭していて大学時代は勉強面でも仕事面でも特にやりたいことはありませんでした。将来的にはダンスで評価されたいと思い、ダンス漬けの日々を送っていました。


ただ、我が家は父に逆らうことが許されない家庭のため、就職は必須。ダンスを続けられる環境、そして父と同じ営業職という考えから志望先を決めました。そこでご縁をいただいた製薬会社に医療情報担当者(MR)として入社し、札幌の配属となりました。



 ——ダンス中心の生活のなかでのMRのご経験については、どのように振り返っていますか。


梅田:ダンスの継続を優先して選んだ選択肢ということもあり、正直にいうとMRの仕事に本気で向き合うことはできていませんでした。


今振り返ってみると、MRの社会的な意義ややりがいを十分に理解できますが、ダンスのことばかりに気を取られていた当時の僕は、製薬会社の文化を理解しようとも思いませんでした。ダンスという若者文化かつ、自己表現が重視される世界で育ってきた僕には、MRに限らず、調和を重んじる日本の企業文化に違和感を持っていたのだと思います。


また、MRにとっては重要な「ドクターとの関係づくり」にも苦労しました。ブレイクダンサーの世界から、人々の生命を守るために強固なルールや倫理観を持つ医療の世界に飛び込んだのだから当然ですよね。そして昼のMRとしての自分と、夜のブレイクダンサーとしての自分のギャップが日に日に広がっていくばかりで、個人としてのアイデンティティが揺らいでいるような日々でした。



 





夢がかなった、ダンサー・スタジオ経営者時代。理想と現実の矛盾に葛藤

 

 

 

——札幌ではMRの仕事に苦悩しながらも、ダンサーとしては実績を残されていたのですね。


梅田:札幌には特有のダンスカルチャーがあり、プライベートは充実していました。大会で優勝したり、大会で審査員を任命されたりと立場や活動範囲も広がり、ダンサーへのアイデンティティのほうがますます強くなっていきました。そのうちに、ダンスだけで生計を立てようと、ダンススタジオの経営を考え始めたのです。



——そして製薬会社を退職し、自身のダンススタジオを起業して、初めて育成にもチャレンジされます。


梅田:自分としては希望のあるチャレンジだったのですが、結果的には1年半という短い期間でスタジオは閉鎖してしまいました。


理由としては大きく2つが挙げられます。1つは、ダンサーと経営者の立場の矛盾。ブレイクダンスは個性や表現が重要なのですが、スタジオ経営を成功させるにはダンサーとしての自分のコピーを量産しなければならず、生徒の個性を殺してしまう部分も多かったのです。


ダンサーとしての個性やこだわりを捨てれば経営はしやすいのですが、その点において自分のアイデンティティと衝突しました。葛藤しているなかで、自分はあくまで踊ることが好きなだけで、ダンサーの育成がしたかったわけではなかったと気づきました。


もう1つは経済面です。当時は経営者としてビジネスリテラシーが低く、経営前の収支計算が甘かった。MR時代に比べると収入も減っていたので、ダンサーとしては個性を捨てねばならず、生計を立てることに必死で、自分は一体なにをしているのだろうと思うこともしばしば。そうした複合的な理由で、閉鎖という選択をしました。


 ——スタジオ閉鎖を最後にダンスをきっぱり辞めたそうですが、以前のように会社員との二足のわらじを履く選択肢はなかったのでしょうか?


梅田:当時29歳だったのですが、同時期に行われた大会で16歳の高校生に負け、選手生命の限界を感じました。ダンスを続ける理由が見出せなかったので、これからは仕事に生きていこうと決意しました。


僕の人生は、ダンスを始めるまでの15歳までが第1章で、ダンスを始めて辞めるまでの29歳までが第2章。そして新しい仕事にチャレンジした30歳からが第3章だと思っています。この第2章を終えるときは「僕からダンスを取ったらなにが残るのか」とかなり悩みました。

 




「仕事に全力」のスイッチが入り 見いだした自身の活路


——そんな不安の中で、初めての転職はどのような軸で検討されましたか。


梅田:性格的に一つのことを突き詰めたいタイプなので、第一に「真剣に取り組めそうな業界・職種」を重視して探していました。同世代がどんどん起業したり、大企業で昇進したりと成功していくなかで、なにがなんでも遅れを取り戻したかった。


改めて自己分析するなかで、僕の強みはコミュニケーション能力だと確認し、それを活かしつつ、きちんと評価される成果主義の会社を探しました。そして転職先に選んだのが人材エージェント企業です。



 ——MRから人材エージェントという大きな方向転換でしたが、手応えはありましたか。


梅田:日々がむしゃらに努力しました。他の社員と差をつけるために、週末はインプットし、平日には誰より多くの求職者と面談しました。その結果、1年半という社内最速のスピードでマネージャーに昇格しました。これがダンスをやめた後の大きな成功体験であり、「社会に通用するかも」という手ごたえを覚えた瞬間です。



 ——その後は会社との方向性の違いなどで、転職をされたのですね。


梅田:次の会社はHR×ヘルスケアSaaSのスタートアップで、営業として入社しました。2年半ほど在籍し、マネージャーにも昇格しましたが、その後のキャリアが見えなくなったことで現在のセレブリックスに転職しています。いまセレブリックスでは新規事業開発部署の責任者として、営業からマーケティング・採用まで、幅広い業務に挑戦しています。



——ダンス一筋だった生活から、ビジネスパーソンとしてキャリアを積み重ねていく。前向きな梅田さんの原動力はどこにあったのでしょうか。


梅田:とにかく、負けず嫌いな性格です。だからその時々の環境や社会に対する怒りのようなものが原動力かもしれません。ひとつひとつの転職も「逃げ」だと思われたくなくて、「前職よりも絶対に成功する」という覚悟で踏み出していました。思えばそれも本気でダンスをしていた経験からくるエネルギーであって、その意味では、これまでの経験に無駄なことは一つもなかったと思います。


   

 




仕事に向き合って初めて考えた「見せたい自分」になるためのファッション


 ——歴史ある製薬会社、ダンススタジオ経営者、スタートアップ企業とさまざまな環境を渡り歩いてきた梅田さん。ビジネスファッションの変遷も教えてください。


梅田:新卒のMRの時はスーツですが、まったくオシャレに気を使うことはありませんでした。MRは病院に出入りするので、トレンドを意識したファッションよりも地味めで医療機関の中でも目立つことのないようなスーツが好まれる世界。僕自身もビジネスファッションに無頓着だったこともあり、目立たない地味なアイテムを身に着けていました。


当時の僕の頭のなかはダンスのことが大多数を占め、社内や取引先からどう見られているかという視点すら持てなかった。いま思えば、そういった客観性のなさが低調な業績につながっていたと思います。


また、当時は眼鏡をかけていたのですが、それはブレイクダンサーである夜の自分と、社会人としての昼の自分を分けるツールとして使っていました。眼鏡をかけることで、アイデンティティが引き裂かれつつある自分を守っていたのかもしれません。



——そこからダンススタジオ経営を経て、もう一度ビジネスの舞台に戻ってきました。人材エージェント企業時代にファッションの変化はありましたか。


梅田:転職時に新調した無難なスーツを着ていました。当時の上司はアパレル業界の出身でオシャレな方だったのですが、ある日、僕を見て「ネクタイがダサい」と言いました。


自分は仕事でも成果を出していて「イケてる」と思っていた時だったのでショックが大きく、周囲からはそんな風に見られているのかと驚きました。ここで初めて、より自分の体型に合うものやトレンドを主体的に調べるようになりました。



——それを境にビジネスファッションに興味を持たれたのですね。一方、次の転職先は、ヘルスケア系スタートアップ企業。ここでのファッションのポイントは?


梅田:商談のある日はジャケットも羽織りますが、基本的にはカジュアル。僕としては、この頃から会社のカルチャーと自分らしさのベン図に重なる部分を探し、最適と思われるアイテムを身につけていました。そうした服装選びにより、自然に仕事の成果も上がっていったように感じます。



——そして現在のセレブリックスでは、毎日スーツを着用されているそうですね。今回、FABRIC TOKYOで初めてオーダーされたご感想を教えてください。


梅田:セレブリックスは、これまでの会社のなかで最も「スーツをかっこよく着よう」という意識のある会社です。特に僕は新規事業にかかわる部署にいるので、ファッションにも常に新しさを取り入れていたい。その意味で、かなり気に入る一着ができたと思っています。


僕は人より手が長めなので既製品だと腕か身幅のどちらかに合わせるしかないのですが、オーダーならその問題から解放されます。採寸や生地選びの際も、FABRIC TOKYOさんが「個性」「トレンド」「企業カルチャーとのマッチング」の3つの観点でさまざまな提案をしてくださいました。自分の好み+プロの目線が入ることで、すごく楽しく、発見の多いオーダー体験となりました。



——梅田さんなりのセレクトポイントはどういう部分でしょうか。


 

梅田:今回はデニム風の素材を選びました。シックだけど、ビジネスパーソンとしておしゃれな雰囲気が演出できて気に入っています。なかでも特にこだわったのは機能性です。僕は「無駄なもの」が嫌いで、いくら見た目がよくても着心地の悪いものではファッションとして本末転倒だと思っています。


その点この1着は生地に伸縮性があり、セットアップ仕様で裏地がないため、夏でも涼しいということで、トータルの納得感がありました。自分の体にフィットして動きやすく、着心地は最高です。採寸から製品の仕上がりまでFABRIC TOKYOさんのプロならではの丁寧な仕事ぶりが感じられ、ぜひまたビジネスウェアの相談をしたいと考えています。





「仕事を楽しくすることは人生を楽にする方法でもある」


——いま現在、かつての梅田さんのように、やりたいことと仕事のバランスで悩んでいる若者も多いかもしれません。そういった人たちへのエールをお願いします。


梅田:僕は29歳で転職をしてからひたすら努力し、30代前半でなんとか仕事を軌道に乗せることができました。それでも成功者には程遠いのですが、満足なキャリアを歩んでいます。そんな僕の場合、若いうちに努力したことは、すべて人生の後半戦に役立ちました。ワークライフバランスも大切ですが、若いうちに一つでも多くの資産を積み上げることをぜひ意識してほしいです。



——自分の強みや生かし方がわからないという人も多いですが、その見つけ方としてはどういった方法がありますか?


梅田:とにかく人と議論することが大事。家族や友人のほか、転職エージェントや先輩に相談するのもいいでしょう。一人で自問自答しているよりも、他者との比較やフィードバックを通すほうが、新たな気づきを得やすいとは思います。


あとは、実際に転職をしてみること。勇気はいりますが、これがいちばん人の強みをあぶりだすと思っています。僕のファーストキャリアでも、その環境に飛び込んだことでわかる自分の強み・弱みがありました。そのなかで自己理解を深め、次につなげていくことが将来を豊かにすると思います。



 ——自分なりの強みを生かして仕事に向き合えば、ゆくゆくは充実した人生に繋がるということですね。


梅田:はい、仕事を楽しむことこそが、人生を豊かにすると思います。仕事というのは一日の長時間を占めるものなのに、過去の僕のように「休日や仕事が終わってから趣味や生きがいを頑張るため、月~金はひたすらやり過ごそう」とすると、一日の大半が疲れやストレスに支配されてしまう。それは非常にもったいない。


そうでなく会社で結果を出したり、必要とされたり、スキルを活かせている実感があるほうが、楽しいことは間違いないです。現代では価値観の変化するスピードも早いので、一度立てた人生設計にしがみつくのではなく、どんどんアップデートしていってほしいです。ファッションもそうですが、変化に対して柔軟な姿勢が、その人の強みを磨き、人生を充実させていくと思います。






FABRIC TOKYOとは


“Fit Your Life.”をブランドコンセプトに、体型だけでなく、お客さま一人一人の価値観やライフスタイルにフィットする、オーダーメイドのビジネスウェアを提供するブランドです。


一度、ご来店いただき、店舗で採寸した体型データがクラウドに保存されることで、以降はオンラインからオーダーメイドの1着を気軽に注文することができます。リアル店舗も自社で展開し、関東・関⻄・名古屋・福岡の合計10店舗を運営中。


2023年6月より、女性のお客さま向けに「WOMEN’S ライン」をスタート。


公式ECサイトはこちら

WOMENS’ ライン 特設ページはこちら





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