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【調査】社内キャリアが多様な会社の実態は?LIFULLのキャリアパス解剖

皆さんが所属する会社では、社内でどのようなキャリアパスを描けるでしょうか。


  • 昇進・昇格などタテのキャリアアップはできるが、職種チェンジは難しい
  • 成果は出しているものの、上が詰まっていて昇進のスピードは遅い
  • 事業成長のスピードが早いため、新しいポジションが次々生まれて異動もしやすい


など、社内で実現できるキャリアパスの数や種類は会社によってさまざまです。特に、中途入社であれば異動や昇進の機会が新卒社員と比べて限られる企業も多くある一方で、新卒・中途関係なく多様なキャリアパスを実現できる企業も多からず存在します。


本記事では、社内で実現できるキャリアが多様な会社の特徴をLIFULLの事例をもとに紐解きます。




「社内で実現できるキャリアの多様性」に着目しよう


「いまの会社でこれからキャリアアップする未来が描けない」

「やりたいことがあるけれど今の会社では実現できない」


そんなふうに考えて転職を検討する人は多いでしょう。総務省の『労働力調査(詳細集計、令和5年)』によると、2023年の「転職等希望者数」は1007万人であり、2016年から7年連続で増加しました。実に就業者の6人に1人が転職を希望していることになります。


新たなスキルの獲得や給与アップを求める方が、転職サイトに登録することや、転職エージェントと面談をすることはもはや珍しくない光景となりました。一方、誰もが気軽に転職活動をできる時代に、意外と忘れられているのが「社内で望むキャリアは描けないのか?」という観点です。


転職には少なからずリスクが伴います。転職先の待遇はある程度外側からでも把握できますが、仕事内容、社風やカルチャーなどは実際に転職してみないと分からないこともあるものです。そうしたミスマッチを避けるためにも、キャリアアップを目指して転職をするのであれば、次は「社内のキャリアパスが多様な会社」を選ぶべきでしょう。






社内キャリアパスが多様な会社の見極めポイント3選


では、多様なキャリアが描ける会社はどのように探せば良いのでしょう?


そもそも、自身のキャリアアップを考えるうえで、おさえておくべきは「タテのキャリア」と「ヨコのキャリア」という概念です


「タテのキャリア」とは、昇格や昇級など、職種を変えずに役職・立場が変わるパターン。「ヨコのキャリア」とは、職種、携わる事や携わるドメインなどが変わるパターンです。そして、タテ・ヨコの移動を繰り返し、職種チェンジと昇進双方を実現するパターンが「ナナメのキャリア」と言えるでしょう。


転職であっても異動であっても、このタテかヨコの移動をくり返すことで、キャリアを築くのが基本であり、飛び地・飛び級で新しいチャレンジをすることは簡単にはできません。そのため、理想のキャリアと現在地を見比べて、どのようにマスをすすめていくか?という観点が大事になるでしょう。





そして社内のキャリアパスの多様性は、この「タテ・ヨコのキャリアの流動性の高さ」や「その実例の豊富さ」によって見極めることができると言えます。具体的には、下記3つのポイントを確認することが重要です。





1.経営陣が人材育成に注力しているか

人材育成も含め、社内のあらゆる制度は経営理念を実現するためにあります。経営方針として、人材育成を重視している会社であれば、それに伴い自然に社内でのキャリアアップのための制度や仕組みは充実しますし、充実した人材育成をするために積極的な投資を惜しみません。


2.事業/サービスが多様であるか

キャリアをタテに広げるためのポジションは事業の成長性に左右されますし、ヨコに広げるためのポジションの種類・経験できる領域の幅は、事業/サービスの多様性に左右されます。成長トレンドにある企業で、多様な領域に事業を展開していればその分社内で描けるキャリアの選択肢は広いと言えるでしょう。


3.具体的な活躍事例が豊富にあるか

1,2を前提にして、実際に社内でキャリアアップした社員がどのくらいいるのか、どのようにキャリアアップしたのか活躍事例をチェックしましょう。それにより、制度がきちんと機能し、運用されているかどうかが分かります。


これら1〜3を満たす企業の具体例として、ONE CAREER PLUSでは事業を通じて社会課題の解決に取り組むLIFULLに注目しました。ここからはLIFULLの事例をもとに、社内キャリアパスが多様な会社の実態を具体的に紐解いていきます。






LIFULLで多様なキャリアが叶う理由①内発的動機づけ


まず、LIFULLの人材育成の思想に着目してみましょう。同社における人事制度は、「社員の一人ひとりの成長を支援することで経営理念の実現と社員のキャリアビジョンの実現を両立すること」を目的としています。


特筆すべきは、人事ポリシーにおいて、人の内側から湧き出る「自分はこれを実現したい、将来的にこうなりたい」という欲求(=内発的動機づけ)を尊重している点です。


「社員一人ひとりが仕事を通じて、実現したいことに挑戦することで会社の経営理念の実現にもつながる」という考えをもとに、人事制度や人事施策は社員の挑戦を引き出すように設計されています。


自らキャリアを描くためのスキルアップや挑戦の機会に関する制度、社会課題解決に挑戦するための制度など、多種多様な制度が存在しますが、その一例を下記にご紹介します。





他の多くの会社にも存在する「タテのキャリアアップ」を実現する評価・等級制度だけでなく、本人の意思を踏まえた育成や配置を可能にする社内異動や兼業・実務外の挑戦機会に関する制度も多様なため、「ヨコのキャリアアップ」も叶えることができる環境が整っていると言えます。






LIFULLで多様なキャリアが叶う理由②多様なサービス


次に、会社の成長性と事業領域についてです。


同社は1997年に創業社長の井上氏が「LIFULL HOME'S」を立ち上げて以降、2006年には東証マザーズ市場に上場、2010年には東証一部(現:東証プライム市場)へ市場変更するなど着実に成長を続けています。


現在は、「LIFULL HOME’S」が国内最大級の不動産・住宅情報プラットフォームとして存在感を示すだけでなく、住まい領域の課題解決に限らず、高齢化社会・地方創生・海外の社会課題といったテーマに事業領域を拡大しています。


国内で展開するサービスの領域は介護・引越し・地方創生といった領域から、法人向け融資サービス・人材サービス・農業・NFTなど多岐にわたります。フェーズも新規事業から既存事業までさまざまであるため、社内であらゆるキャリアの選択肢を探すことが可能です。








【実例】社内で広がるタテ/ヨコ/ナナメのキャリアパス


LIFULLにおける多様なキャリア実現の実例を語るうえで、現社長である伊東祐司氏の話は欠かせません。


伊東氏は2006年に株式会社ネクスト(現LIFULL)に新卒で入社した後、営業職として全国を飛び回り、賃貸・流通領域の営業部長に昇格、2015年には最年少32歳で執行役員に就任しました。


その後も、「LIFULL HOME’S」の新規事業を創るべく新UX開発部を立ち上げ、オムニチャネル戦略を推進するなど、縦横無尽のキャリアアップを重ねます。そして、2019年にLIFULL HOME’S事業本部長、2020年には取締役執行役員、2023年には代表取締役社長執行役員に就任しました。


伊東氏のように、LIFULLにおいてタテ、ヨコ、ナナメのキャリアアップを実現している社員は新卒・中途に限らず数多くいます。ここからは中途でLIFULLに入社し、営業職としてキャリアをスタートした場合、どのようなキャリアアップを実現できるのか、社員へのヒアリングをもとに実例をご紹介します。





タテのキャリア:Tさん(2018年入社)


Tさんは前職のIT企業でコンサルティングやシステム販売営業、新サービス立上げ業務に従事していました。2018年に営業メンバーとして入社後、2019年にグループ長補佐、2022年にはグループ長(※1)、2023年にはユニット長と、タテのキャリアアップを実現しています。


入社後には流通・戸建て・マンションなど幅広い不動産領域で営業を経験し、目標達成に向けたプランニング力や組織運営力を評価され、昇進したそうです。ユニット長として働く現在は、流通領域の営業戦略設計やマネジメントを担うなど、役職の上昇とともに戦略・戦術設計といった上流の実務に幅を広げることができています。



ヨコのキャリア:Mさん(2009年入社)


Mさんは、2009年にLIFULLに入社後営業として長く活躍したあと「せっかく反響を獲得しても、クライアントの対応次第で、成約機会を逃しているのでは?」という課題感から、クライアントの接客対応の向上をミッションとするカスタマーサクセス部署に希望を出して異動しました。


また、新卒や中途の営業メンバーのオンボーディングにも携わっていた経験を活かし、現在は事業戦略を担う組織で、セールスイネーブルメントのオンボーディング・ナレッジマネジメントプロジェクトを担当しています。


営業、カスタマーサクセスと営業職としての専門性も磨きつつ、セールスイネーブルメントという企画職へキャリアをヨコに広げています。(※2)



ナナメのキャリア:Oさん(2019年入社)


OさんはLIFULL入社以前から、専門商社やメディアでの営業経験がありました。営業経験を活かしつつ、中長期では営業以外の職種にもチャレンジしたいという考えから、キャリアサポート制度が充実しているLIFULLに2019年に入社を決めたそうです。


入社後は、LIFLL HOME’Sの賃貸マーケットにおいて一都三県の地場不動産会社に対する既存営業を経験。その後、2020年からは職種を変えて、コンテンツマーケティンググループのメンバーとして、BtoBのコンテンツマーケティングを担当しました。リサーチやSEOの専門知識、プロジェクトマネジメントなど新しいスキルを習得し、2024年にはグループ長へ昇格しています。


Oさんはコンテンツマーケティングへの職種チェンジに加え、メンバーからグループ長へのタテのキャリアアップも叶えた「ナナメのキャリアアップ」の典型例といえるでしょう。


(※1) LIFULL社における、「グループ長」「ユニット長」は、他社でいう係長や課長にあたる役職となります

(※2) Mさんは取材後、グループ長に昇格。ヨコ・タテのキャリア移動を経てナナメのキャリアも実現している






【実例】一人一人の「こうしたい」を応援する制度活躍事例


制度が充実していても、活用実態が伴わないのであれば、社内でキャリアが多様に築けるとは言えません。以下では、LIFULLのあらゆるキャリアサポート制度を利用して自己実現した中途社員の方々にヒアリングを行い、制度活用の実態を伺いました。





case1: 兼業制度を活用し新規事業に挑戦


もともと地方創生に興味があったというUさん。1社目で不動産業界の営業を経験したあと、2019年にLIFULLに入社し、戸建て販売を行う仲介業者への既存営業を担当。グループ内での兼業が可能なキャリフル制度にて、当時地方創生推進部のプロジェクトであった「インスタントハウス」の募集がかかった際には迷わず応募されたそう。


キャリフルで実際に地方創生の仕事に携わり、「本業にしたい」という考えからキャリア選択制度を利用して、2020年からは新規事業のセールスに異動します。新規事業という正解のない仕事を前に進める経験を通じて、やりきる力や自ら仕事を作る力が養われていると言います。



case2:営業から経営戦略部門へのキャリアチェンジ


異業種から2017年にLIFULLに入社したHさんは、賃貸マーケットや新築戸建マーケットの既存営業を通じて、コンサルティング営業の力を磨きました。営業経験を積む中で、「大規模な企画業務を実行してみたい」という思いが強くなっていた頃、キャリア選択制度で社内の労働生産性向上プロジェクトの募集が開始され、手を挙げたそうです。


経営戦略を担う部署に2018年に異動してから現在に至るまでは、労働生産性向上施策やKPIマネジメント施策の企画・推進を担当。全社横断のプロジェクト推進を通じて、調整力やプロジェクトマネジメント力が身につくだけでなく、企画に関わるデータ分析の力や生成AIの活用スキルなども新たに習得できたと言います。



case3:対応範囲を広げて営業としての専門性を磨く


Kさんは2015年に営業メンバーとして入社した後、メンバーとしての貢献度が認められ2019年にはグループ長に昇格しました。さらに、営業活動の中で「顧客の退会阻止に貢献したい」と考えたことをきっかけにキャリア選択制度を利用し、カスタマーサクセス部署に異動。現在は同部署のグループ長として会員数をKGIに持っているとのこと。


同じ営業職の中でも、既存/新規、テール/エンタープライズ、カスタマーサクセスなど担う領域によって成果創出のスタイルは異なります。対応範囲を広げながら、営業としての専門性を磨くキャリアを歩んでいると言えます。



これらの事例で出てきた「キャリア選択制度」という制度は、異動希望者の実に6-7割が希望を叶えているとのことでした。他にも、新規事業の立ち上げに挑戦した方や、広告のアカウントプランナー・編集といった違う職種にチャレンジした方など多様なキャリアを実現している事例が同社には存在します。


ここまでで、LIFULLでは「自分はこれを実現したい」「自分はこうなりたい」といった内発的動機づけをもとに、社内制度を活用して多様なキャリアを描くことができることがわかります。






まとめ


今回は、多様な社内キャリアパスを実現できる企業の特徴をLIFULLの事例を基に見ていきました。LIFULLでは、会社への貢献だけでなく、一人ひとりのキャリアデザインに寄り添い、内発的動機づけを高めるように設計された人材育成制度や、多様な事業領域が魅力です。


しかし、社内キャリアアップを実現している人の事例から分かるように最終的には自らの意志をもち、社内制度をどう活用するかがとても重要です。社内キャリアアップを目指す場合でも、目の前の仕事に打ち込むと同時に、各方面にアンテナを張り、チャンスをつかんでいけるようにしましょう。

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