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M&Aアドバイザリーが「若手の墓場」になりつつある

こんにちは、トイアンナです。

数年前まで「M&Aアドバイザリーへ転職した」というと、一目置かれるキャリア選択でした。


高年収・成長できる環境・華やかな案件。


憧れの視線を一身に受けながらキャリアをスタートできる、若手エリートの登竜門。

それが今、「やめておけ」と囁かれる業界になりつつあります。




採用バブルが業界を破壊した


そもそも、なぜM&Aアドバイザリー業界はここまで人気があったのか。背景を理解するには、2020年前後の採用爆発から話を始める必要があります。


日本のM&A市場は、後継者不足による中小企業の事業承継需要を背景に急拡大しました。M&A総合研究所、ストライク、日本M&Aセンターといった独立系アドバイザリー各社は、この需要を取り込むべく採用を一気に加速させました。

上場による資金調達も重なり、「とにかく人を増やして案件をさばく」フェーズに突入したのです。


結果、何が起きたか。


M&A業界へは、業界未経験の第二新卒・若手が大量になだれ込みました。かつて、この業界へ入るには、投資銀行やコンサルでの経験が事実上の前提条件でした。それが「未経験歓迎・高インセンティブ」という求人に変わり、金融知識もM&A実務も持たない20代が、即戦力として現場に放り込まれるようになったのです。






「3年で1億円稼げる」夢と、現実とのギャップ


M&Aアドバイザリー業界の採用拡大を支えたのは、インセンティブ報酬の魅力でした。


「成果を出せば20代で年収1,000万円超」

「3年で1億稼いだ先輩がいる」


この種の言説がSNSで拡散し、若手の応募を後押ししたのです。


しかし実態は、より複雑です。

M&Aアドバイザリーとして新卒入社し、現在2年目のHさん(仮名)はこう語ります。


入社1年目は案件のクロージングがゼロでした。インセンティブ収入もゼロ。基本給だけで生活しながら、毎日終電まで働いた。さすがに自分がダメな側なのはわかってます。ただ、同期で残っている人数もかなり減りましたね……


M&Aアドバイザリーの報酬構造は、案件成立時の成功報酬に大きく依存しています。


案件が決まらなければ、いくら働いても収入は増えない。そして案件を決めるためには、まず顧客との信頼関係を構築する必要があります。この信頼構築に、最低でも1〜2年かかる。その数年は、職務経歴書に書ける実績がゼロの状態です。

つまり、入社直後の若手は「高収入の夢」と「無収入に近い現実」の間に放置されるのです。






競争激化が生む「共食い」構造


また、競争の激化も状況を悪化させました。採用を拡大したのは、1社だけではないからです。業界全体が市場拡大にあわせ、同時に人を増やしました。


この結果、何が起きたのか。


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トイアンナ

P&G→LVMH→ライター・会社経営。得意分野は法人様の人事・採用インタビュー、キャリア記事。女性のキャリアと結婚を支援する婚活予備校「魔女のサバト」の主宰も。著書に『改訂版 確実内定』(KADOKAWA)、小説『ハピネスエンディング株式会社』(小学館)など。 連絡先:http://werite.info/inquiry

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