こんにちは、トイアンナです。
転職でミスマッチが起こりづらいと言われるのが、友人や元同僚のツテで転職する「リファラル採用」。
もともと外資系企業で広く採用されており、リファラル採用で内定すると、紹介者へキャッシュバックが行われることもあります。企業からすれば、求人サイトや転職エージェントへ費用を払うより割安で、人材の質も担保できるというわけです。
このような背景から友人や元同僚を誘うリファラル採用は拡大し、日系企業やベンチャーでも導入するところが増えています。他方、リファラル採用だから楽しく働けるというかというと、落とし穴もあります。
リファラル採用では社内のプレゼンスを盛りたくなる

リファラル採用のとき、応募者が気にするのは「もし、自分がカルチャーフィットしなかったらどうしよう」というリスクです。そこで、紹介者はあの手この手で自社をPRします。
その中には、「大丈夫、私・俺が社内で口利きしてあげるから」「けっこう自分が影響力あるポジションにいるから、なんとかしてあげられる」といった一言です。
私は実際、こういう言葉を信じて、とある外資系企業へ年単位で参画したことがあります。ところが、入ってみると状況は全く異なっていました。
役職者ではないですが、勤務歴の長いベテランが強い影響力を持っており、紹介者から事前に聞いていたような実態はありませんでした。
当然、私がやりたかった仕事は任せてもらえず、そのベテランの方がやりたくない雑務を拾う日々。これでも、その方のお気に入りだから雑務をやれるという名誉にあずかっているわけです。
外資ならJob Descriptionに記載された職務を行うのが普通ですが、全く関係ない庶務を通じ、ベテランの方の手足になるばかり。暇つぶしにはもってこいでしたが、30代の貴重なキャリアを使って、暇をつぶしても機会損失が大きすぎます。
しかも、私はとびきりの注意力散漫人間。すなわち、「着実に、しっかり、ミスなくこなす」ことが重視されるアシスタント系業務への適性がまったくありません。決断、リサーチ、戦略立案。私の強みが全く使えず、どんどんしんどくなりました。
このような経緯で、そのプロジェクトからは早期に離脱を決めました。ベテランの方が気に入らない人間を次々と退職へ追いやる社内は、常にギスギスしていました。
いつしか、苦手な悪口大会に顔を出しながら「リファラルだからといって、安心することは二度とあるまい」と心に誓っていました。
応募者へ誠実になりきれない……リファラル採用の罠
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