はじめに
ONE CAREER PLUSのキャリアアナリストが、皆様のお悩みや一般的な疑問にお答えする連載企画。
今回は、「マネージャーになるより現場に立ち続けたいです」という相談者さんからのご相談です。
現場で残り続けるために必要なことは何なのでしょうか。
キャリアデータを知り尽くすキャリアアナリスト佐賀が、率直にお答えします。
本コンテンツは、Podcastまたは記事のお好きな方法でお楽しみいただけます。
▽Podcastで聴く方はこちら
▽Voicyで聴く方はこちら
本日のお便り
お世話になっております、ONE CAREER PLUSの佐賀です。
キャリアアナリストである私佐賀が、キャリアのお悩みに答えていくこの企画。
これまでONE CAREER PLUSに寄せられた相談や、一般的に皆さんが悩むであろうテーマを取り上げ、ラジオ形式で解決していく、シンプルなコーナーでございます。
さて、本日のお便りはこちら。
ラジオネーム「アポジェネレーター」さんからのお便りです。
「佐賀さんこんにちは。
新卒から一貫して法人営業としてキャリアを積んで、今年で7年目になります。
アポ取り、提案、受注後のフォローなど、営業に関するすべての業務がとても楽しく、好きがこうじて、社内MVPをいただいたりもしました。
ところが最近、『部下やチームを持たないか』という要請を会社から強く受けています。
私自身はまだまだプレイヤーとして現場に立ちたいですし、マネジメントにはあまり気が乗りません。
プレイヤーとして成績を上げるほど、マネージャーになるよう勧められます。
こういう時、どのように考えるのが正解でしょうか?」
前提:自身のキャリアプランとマーケット評価の理解
私もとても気持ちはわかります。
私自身もメンバーとして働いている時は、マネージャーは「苦労が絶えなさそうで、自分には難しい役割」という認識でした。
しかし、アシスタントマネージャーとしてマネジメント職にチャレンジした際、想像以上にやりがいや面白さを感じられる役割であると気が付きました。
また、マネージャーのあり方は多種多様であり、自分に合ったマネージャーの形でチャレンジすることができるとも感じています。
そのため、自分のマネージャーの適性に不安や悩みを感じている方は、自分に合ったマネジメント方法を上司の方に相談してみるのも良いと思います。
ただ、今回は「マネジメントにあまり気が乗らない場合、キャリアについてどう考えたらよいか」というご相談であるため、マネジメント職を選ぶか否かの判断軸や、ならない場合の選択肢ついて話していきます。
相談者さんのようなお悩みを持つ方は、まずは
- 今後どういったキャリアを作っていきたいのか
- そのキャリアがマーケットでどういった評価をされるのか
について自分自身で理解することが必要です。
現職の会社に勤め続けるつもりの方であれば、極論、マーケットからの評価を気にする必要はあまりありません。
一方で、今後のキャリアを考えた際に、相談者さんの選択肢に「転職」が含まれるのであれば、選択したキャリアでの経験がマーケットでどのように評価されるか、を理解しておくことは重要になってきます。
2つの昇格の道:マネジメント職orスペシャリスト
今回の相談者さんのご経験を見ると、
- 入社7年目(20代後半〜30代)
- 入社後から一貫してメンバーとして法人営業を経験
ということで、営業パーソンとしてのスキルセットは確かなものであると思います。
では、相談者さんのような営業パーソンとしての今後のキャリアについて考える前に、2つの昇格の道について説明させていただきます。
1つ目は、マネジメント職としての昇格です。
マネジメント職は、1人の営業メンバーとしてではなく、チームや部署を持って大きな数字を動かし、自分一人では成し遂げられないような大きな達成を積み重ねていくキャリアです。
企業によっては、このようなキャリアを「ジェネラリストキャリア」や「マネジメントキャリア」と呼びます。
2つ目は、スペシャリストとしての昇格です。
マネージャーとしてではなく、1人のキャリアパーソンとして大きな成果を残すことができる方が歩むキャリアです。
スペシャリストキャリアは市場の中でも出現率が低く、目指すことが難しいキャリアであるため、一般的にはマネジメント職を目指すことを推奨されるケースが多いというのは押さえておいてください。
スペシャリスト相応の実績を挙げられているか
この2つのキャリアがある中で、ご相談者さんの経験や実績を社内で見た際に、いち営業担当では到底達成することができない成果をあげており、その状態を継続できるのであれば、スペシャリストとしてのキャリアを目指せると思います。
スペシャリストの場合は、他の営業マンには達成できないような特別なミッションを持って取り組むことで、年収も上がっていき、社内でも社外でも市場価値を高めていくことはできるのではないでしょうか。
例えば近年のSaaS市場では、エンタープライズセールスは市場価値が高くなっています。
エンタープライズセールスの方の中には、億単位での売上を作っている方もいらっしゃいます。
このような方は、30代前半から中盤でのマネジメント経験がなくても、会社からの引き合いが強く、転職にも困らないです。
このように、相談者さんの営業スキルや実績が社内・社外で見た際に、1人の担当者として秀でているのであれば、今後スペシャリストとしてのキャリアを形成していくことに問題はないと思います。
一方でそうではない場合は、スペシャリストとしてのキャリアを歩むハードルは高いと言えます。
スペシャリストキャリアが難しいとなると、20代後半から30代の期間は、複数の専門性や強みを掛け合わせて自身の独自性を高めていく必要があり、徐々にマネジメントを経験する方が増えてきます。
そして、会社側としても市場としても、このあたりの年次の社員にはマネージャー・リーダーの経験を求めるようになります。
そのため、社内でマネジメントを経験することが無難な意思決定なのではないでしょうか。
まとめ
今回の相談者さんのようなお悩みを持つ方は、まずは今後どういったキャリアを歩んでいきたいのかを理解する必要があります。
その上で、今後のキャリアの選択肢に「転職」が含まれるのであれば、自身の市場価値を意識をする必要があるため、
- 年齢対比で見た際にこれまで積んできた経験や実績は何か
- 今後歩もうとしているキャリアがマネジメント職か、スペシャリスト職か
- スペシャリストキャリアを歩むのであれば、相応の実績を挙げられているのか
などの点をご自身で明確にすることで、相談者さんが歩むべきキャリアが見えてくるのではないでしょうか。
ただ、ご自身で市場価値について考えたとしても、これまで詰んできた経験が他社やマーケットでどのように評価されるのかがわからない方も多いと思います。
そういった際には、市場価値算出のために外部のエージェントに相談することも有効な打ち手だと思いますので、ご活用いただければと思います。
さいごに
さあ、いかがでしたでしょうか。
このコーナーでは、皆様からのお便りを大募集しています。
詳細欄のURLの部分から、キャリアに関する疑問やお悩みをどしどしとお寄せください。
また、佐賀や他のキャリアアナリストと直接話してみたいという方は、無料のキャリア面談も受け付けております。
こちらもお気軽にご応募ください。
それでは、また次のラジオコーナーでお会いしましょう。
さようなら!