アクセンチュアは、製造業や金融、小売、公共分野に至るまで、幅広い業界で支援実績を持ち、経営戦略の立案からIT導入、業務改革、デジタル活用まで一貫して関与してきました。
では、アクセンチュアは実際にどのような企業・業界で、どんな課題に向き合い、どのような形で解決を実現してきたのでしょうか。単なるIT導入や机上の戦略にとどまらず、「変革を現場に定着させる」点に強みがあると言われる理由は、具体的な事例を見ていくことでより明確になります。
本記事では、アクセンチュアの事例を業界別・テーマ別に整理しながら、代表的な支援ケースとその成果をわかりやすく解説します。
- 1.【基礎理解】アクセンチュアとは?事例が豊富な理由
- 1-1. アクセンチュアの会社概要と事業領域
- 1-2. なぜアクセンチュアには事例が多いのか
- 2.【全体像】アクセンチュアの事例を俯瞰する切り口
- 2-1. 業界別で見る事例の傾向
- 2-2. テーマ別で見る代表的な支援領域
- 3.【業界別事例】アクセンチュアの代表的な支援ケース
- 3-1. 製造業の事例
- 3-2. 金融業界の事例
- 3-3. 流通・小売/消費財の事例
- 3-4. 公共・社会インフラの事例
- 4.【テーマ別事例】課題から見るアクセンチュアの強み
- 4-1. DX・IT刷新の事例
- 4-2. 業務改革・BPRの事例
- 4-3. データ・AI活用の事例
- 4-4. ソング(マーケティング改革・CX)の事例
- 5.コンサルへの転職を目指す人へ
- ワンキャリア転職のご紹介
1.【基礎理解】アクセンチュアとは?事例が豊富な理由
1-1. アクセンチュアの会社概要と事業領域
アクセンチュアは、世界120か国以上で事業を展開する世界最大級の総合コンサルティングファームで、世界中に約78万人の社員を擁し、クライアント数は9,000を超えます。
経営戦略、デジタル、テクノロジー、オペレーションに関する幅広い支援を提供しており、クライアントの変革を構想から実行、運用まで一貫して支援する点を特徴としています。
アクセンチュアの事業は、主に以下の5つの領域で構成されています。
ストラテジー & コンサルティング
企業の経営戦略立案や事業変革、業務改革を支援する中核領域です。経営アジェンダの策定から、変革を実現するためのロードマップ設計までを担います。
テクノロジー
クラウド、AI、データ、アプリケーション開発などのテクノロジーを活用し、企業のデジタルトランスフォーメーションを実行する領域です。大規模システムの構築・刷新や、デジタル基盤の整備を通じて変革を支えます。
オペレーションズ
業務プロセスの効率化や高度化を目的に、運用・アウトソーシングを含めた継続的な支援を行う領域です。業務の最適化を通じて、クライアントの競争力向上を図ります。
インダストリーX
製造業やエンジニアリング領域を中心に、デジタル技術を活用した製品・サービス・生産プロセスの変革を支援する領域です。設計から製造、保守までを含むバリューチェーン全体の変革を対象としています。
ソング(Accenture Song)
マーケティング、デザイン、テクノロジーを組み合わせ、顧客体験(CX)やブランド価値の向上を支援する領域です。顧客接点の変革を通じて、企業の成長を後押しします。
これらの領域を組み合わせることで、アクセンチュアは業界やテーマを問わず、多様な課題に対応できる体制を構築しています。
(参考)アクセンチュア | 会社概要
1-2. なぜアクセンチュアには事例が多いのか
アクセンチュアの事例が豊富だと言われる背景には、公式HPでも明示されているいくつかの構造的な強みがあります。
グローバル×日本市場の強み
アクセンチュアはグローバルで蓄積された知見やアセットを活用しながら、日本市場の特性に合わせた支援を行っています。海外での成功事例や先進的な取り組みを、日本企業向けにローカライズして提供できる点が、多くの実績につながっています。
戦略から実行まで一気通貫で関与するモデル
アクセンチュアは、戦略立案だけでなく、テクノロジー導入や業務定着、運用フェーズまで継続して関与するビジネスモデルを採っています。この「構想で終わらせず、実行まで担う」姿勢により、プロジェクトが長期化・高度化しやすく、その結果として多様な事例が蓄積されていきます。
大企業・公共領域との長期的な取引構造
公式HPからもわかるとおり、アクセンチュアは多くの大企業や公共機関と長期的なパートナーシップを築いています。120カ国以上に9,000以上のクライアント、350以上のエコシステムのパートナーを抱えているのです。単発のプロジェクトにとどまらず、複数年にわたる変革プログラムとして支援を行うケースが多いため、業界別・テーマ別に数多くの事例が生まれています。
こうした背景から、アクセンチュアは「幅広い業界で、実行を伴う変革事例を数多く持つコンサルティングファーム」として評価されています。
(参考)Why Accenture : 今アクセンチュアを勧める理由
「Client Value Creation(クライアントへの価値創造)」 が重要視されており、単にプロジェクトを遂行するだけでなく、クライアントの課題解決やビジネス成長に貢献するための「プラスαの価値提供」を常に意識する文化が根付いている。そのため、社内では積極的なフィードバック文化 があり、若手でも意見を発信し、クライアントにとって最良の結果を目指すことが奨励されている(アクセンチュア/中途/SE)
アクセンチュアの強みは、世界120以上の国・地域に広がるグローバルネットワーク、業界別に蓄積した豊富な知見、AI・クラウドなど最先端テクノロジーを活かした変革力。戦略立案からシステム実装、運用定着、人材育成まで一気通貫で支援できる総合力と、多数のアライアンス・成功事例に裏付けられた高い実行力、継続的なイノベーション創出力と変化への適応力、サステナビリティを重視した提案力を持つ(アクセンチュア/中途/財務・会計コンサルタント)
豊富な業界知識と最先端のデジタルテクノロジー を組み合わせたコンサルティング能力にある。多様な業界のクライアントに対して、戦略立案から実行支援、運用・保守まで一貫したサービスを提供しており、その対応力は他社と比較して群を抜いている。また、グローバル規模のナレッジ共有システム により、世界中の最新事例や技術的知見を活用できる環境が整っているため、クライアントに対する提案の質が非常に高い。一方で、急速な事業拡大とともに組織の硬直性が課題となっている。社員数の増加に伴い、評価プロセスが複雑化しており、現行の評価制度が実際のパフォーマンスを十分に反映できていないと感じる場面もある(アクセンチュア/中途/SE)
2.【全体像】アクセンチュアの事例を俯瞰する切り口
アクセンチュアの事例は、単発の成功例が並んでいるわけではありません。業界特性に根ざした支援と、テーマ別に横断可能な変革ノウハウが組み合わさることで、非常に体系的な事例群が形成されています。
ここでは「業界別」と「テーマ別」の2つの視点から、アクセンチュアの事例全体像を整理します。
2-1. 業界別で見る事例の傾向
製造業
製造業向けの支援では、設計・開発、生産、サプライチェーン、保守といったバリューチェーン全体を対象にした変革が中心です。単なる業務効率化にとどまらず、デジタル技術を活用して「ものづくりの競争力そのもの」を高める取り組みが特徴的です。
金融(銀行・保険)
金融分野では、顧客体験の高度化と業務の安定運用を両立させる支援が多く見られます。デジタルチャネルの刷新、データ活用、基幹システムの高度化などを組み合わせ、変化の激しい環境に対応できる体制づくりが進められています。
流通・小売
流通・小売業界では、顧客データを起点とした経営・マーケティング改革が重要なテーマです。オムニチャネル戦略や需要予測、在庫最適化など、フロントからバックエンドまでを一体で見直すアプローチが取られています。
通信・メディア
通信・メディア分野では、既存事業の高度化に加え、新しいサービスやビジネスモデルの創出が重視されます。デジタル技術を活用し、変化する利用者ニーズに柔軟に対応できる基盤づくりが進められています。
公共・官公庁
公共領域では、行政サービスのデジタル化や業務プロセス改革を通じて、住民サービスの向上と業務効率化の両立を目指す取り組みが中心です。制度・業務・ITを一体で捉えた大規模な変革が進められています。
2-2. テーマ別で見る代表的な支援領域
DX・IT刷新
アクセンチュアの支援を語る上で欠かせないのがDXです。単なるデジタル技術の導入ではなく、組織・業務・人材まで含めた全社的な変革としてDXを推進する点に特徴があります。
業務改革・BPR
業務改革では、既存業務の効率化にとどまらず、業務プロセスそのものを再設計するアプローチが取られます。テクノロジーとオペレーションの知見を組み合わせ、変革を「実行して定着させる」ことが重視されています。
データ活用・AI導入
データ分析やAI活用は、意思決定の高度化や業務自動化を実現するための中核テーマです。業界を問わず展開されており、DXを支える重要な要素となっています。
CX/マーケティング変革
顧客体験やマーケティング領域では、ブランド戦略、顧客接点設計、デジタル施策を統合した変革が進められています。顧客視点での価値創出を軸に、企業成長につなげる取り組みが特徴です。
(参考)アクセンチュア | 事業内容
3.【業界別事例】アクセンチュアの代表的な支援ケース
アクセンチュアの事例は、特定の業界に深く入り込んだものが多く、単発のIT導入ではなく「事業・業務・テクノロジー」を横断した変革として展開されている点が特徴です。ここでは、公式に紹介されている事例を紹介します。
3-1. 製造業の事例
アクセンチュアは、国内製造業企業に対し、全社的なDXと業務構造改革を一体で進める支援を行っています。本事例では、環境変化に迅速に対応できない要因として、部門ごとに分断されたデータ管理や縦割り組織が課題となっていました。
そこでアクセンチュアは、経営層と現場を巻き込んだ全社横断のDX体制を構築し、社長を含むトップマネジメントと週次で議論を重ねながら改革を推進しました。特に製造領域では、工場ごとにばらついていた製造原価データに着目し、現場視察を通じて実態を把握したうえで、適切なデータ粒度と業務プロセスを再設計。
原価データの収集から分析までを実際に回しながら検証し、デジタル活用による効率化も進めています。戦略立案にとどまらず、現場で使われる仕組みとして定着させる点、そして将来的なグローバル展開まで見据えている点に、この製造業支援事例の特徴があります。
(参考)プロジェクト事例:戦略立案から実行まで、一気通貫で製造業のデジタル構造改革に挑む
3-2. 金融業界の事例
アクセンチュアは、伊予銀行と連携し、地方銀行の競争力強化を目的とした包括的なデジタル変革を支援しました。本事例では、「D-H-D(デジタル・ヒューマン・デジタル)Bank」というコンセプトのもと、人口減少や低金利といった環境変化に対応しながら、顧客体験と行員の生産性を同時に高めることを目指しています。単なるIT導入ではなく、経営戦略・業務プロセス・顧客接点を一体で見直す点が特徴です。
具体的には、来店手続きを効率化するタブレット型窓口「AGENT」や、住宅ローン手続きをデジタルで完結させる「HOME」などのサービスを共同で開発しました。これにより、事務作業の削減と相談業務への集中が可能となり、店舗の役割も「手続きの場」から「付加価値を提供する場」へと進化しています。
3-3. 流通・小売/消費財の事例
アクセンチュアは、資生堂と協業して、パーソナルビューティー体験のデジタル変革を推進しました。資生堂は「PERSONAL BEAUTY WELLNESS COMPANY」という長期ビジョンのもと、顧客一人ひとりの美容・健康ニーズに合った体験を提供し、顧客との関係を深めることを目指しています。この取り組みでは、データ分析、AI、自動化、サービスデザイン、デジタルマーケティングなどを活用し、個々の顧客に適切な製品やコンテンツを最適なタイミングで提案できる仕組みづくりが加速されました。具体的には、店舗の美容部員サービスとオンライン体験を統合し、パーソナライズされたコンテンツ供給やアドバイス機能の高度化を実現しています。
この変革を支えるため、資生堂とアクセンチュアは戦略的パートナーシップを結び、合弁会社「資生堂インタラクティブビューティー」を設立しました。この組織は、デジタル技術と顧客データの統合を進め、オムニビューティー体験を創出する中心的な役割を担っています。結果として、ECチャネルの売上や継続購入者の増加が見られるなど、美容体験の高度化と経営成果につながる動きが進展しています。
3-4. 公共・社会インフラの事例
アクセンチュアは、国土交通省が進める 3D都市モデル構築プロジェクト「Project PLATEAU」において、都市のデジタルツイン(現実世界のデータを3Dモデル化した都市データ)を活用した“まちづくりのDX(デジタルトランスフォーメーション)”支援を行っています。本プロジェクトでは、全国約50都市の3D都市モデルが整備され、都市計画や防災、都市サービス創出などの活用が進む中で、アクセンチュアは 民間向けサービス開発の立ち上げ支援、実証調査のマネジメント、持続的な発展に向けた戦略策定 を担いました。
これにより、都市活動データを統合したシミュレーションや分析基盤を実現し、都市データの活用価値を高める取り組みが推進されています。
具体的な支援として、アクセンチュアは 3D都市モデルを活用した民間サービスのユースケース創出に向けて、複数の実証プロジェクトの立ち上げを支援しました。調査テーマは「まちあるき・購買体験」「AR/VRを用いたコミュニケーション」「物流ドローンのシミュレーション」など多岐にわたり、都市データを基にした新サービス開発につながる成果創出を後押ししています。また、こうした知見は「3D都市モデルのユースケース開発マニュアル」としてまとめられ、広く活用される仕組みづくりにも貢献しています。
4.【テーマ別事例】課題から見るアクセンチュアの強み
アクセンチュアの強みは、特定の業界や技術に閉じない「課題起点」の支援にあります。DX、業務改革、データ・AI活用、マーケティング・CXといったテーマごとに見ていくと、アクセンチュアが単なるコンサルティングやシステム導入にとどまらず、構想から実行、定着までを一貫して担っていることが分かります。
ここでは、実際の支援事例をもとに、企業や組織が直面する課題に対して、アクセンチュアがどのようなアプローチで価値を生み出してきたのかを整理します。
さらに・・・



