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日本メーカー時代の終わり リストラの嵐で未来はあるか

こんにちは、トイアンナです。


資生堂が2025年12月期に、過去最大額となる520億円の赤字を出すと発表しました。同社では200人規模の希望退職者を募ることも明らかになっており、社内外に動揺が広がっています。


しかし、こうした動きは「資生堂だけ」ではありません。







日系メーカーの約4万人が仕事を失う事態に


以下の表は、日本の大手メーカーのうち、2025年に人員削減・または希望退職者を募ることが発表された企業です。


会社名

人員削減または希望退職者募集人数規模

パナソニックHD

5,000人

※グローバルも合わせ1万人

ジャパンディスプレイ

1,500人

資生堂

200人

リコー

1,000人

※グローバルも合わせ2,000人

三菱電機

10,000人

三菱ケミカル

募集人数非公開

日産自動車

グローバルも合わせ20,000人

明治HD

募集人数非公開

オムロン

1,000人

協和発酵キリン

432人

ブリヂストンサイクル

180人

ジャパンディスプレイ(JDI)

1,500人


これらの数字を合わせると、世界中で最低でも約4万人が失職する予想です。


とはいえ、このリストラ劇には「不景気だ!」とパニックに陥らないよう注意が必要です。というのも、今回のリストラでは黒字企業でも断行されたケースが多く見られるからです。


そこで、まずはどうしてこれほど大規模なリストラが続いているかを解説したいと思います。






黒字でもリストラが次々起こる真の理由


なぜ、黒字企業でもリストラが相次ぐのか。その理由は、大きく3つに分かれます。



(1)ついに「選択と集中」を始めた日本企業


日本企業といえば、「あれもこれも手を出し、どこかが赤字でも、他部門が黒字なら最後に帳尻は合わせられる」という方針での、多角化経営戦略を取るメーカーが多かったものです。


しかし、直近では多くの日本メーカーが収益性の低い事業から撤退し、成長が見込める分野に経営資源を集中させる「選択と集中」を加速させています。投資家から見れば「ようやくか」といったタイミングでしょう。


たとえば、パナソニックHDでは車載電池などの成長戦略分野にリソースを集中させるために、人員削減に踏み切った背景があります。



また、生成AIとRPA(ロボットによる業務自動化)が急速に進んだことから、管理部門・間接部門のコストカットが見込まれるようになりました。これに伴い、バックオフィスの人員整理が進むものと予想されています。部署単位でいえば、これも「選択と集中」でしょう。



(2)グローバルな競争激化と景気減速


ここ10年単位で、日本は新興国メーカーとの価格競争に直面しています。「品質が良いから高い」とされてきたメイド・イン・ジャパン製品ですが、他国でもプロダクトの品質が向上したことから価格競争に負けつつあるのです。


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トイアンナ

P&G→LVMH→ライター・会社経営。得意分野は法人様の人事・採用インタビュー、キャリア記事。女性のキャリアと結婚を支援する婚活予備校「魔女のサバト」の主宰も。著書に『改訂版 確実内定』(KADOKAWA)、小説『ハピネスエンディング株式会社』(小学館)など。 連絡先:http://werite.info/inquiry

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