こんにちは、トイアンナです。
学生時代の友人と、久しぶりの食事。
お酒も進んだころにふと投げかけられる「今の会社、辞めようかな」という言葉。珍しくない話ですよね。
私など、酔っぱらっていると勢いがついて「いいじゃん、あなたならどこでも通用するよ!」「わかる、今の会社はひどいもんね」と、つい背中を押すような言葉をかけてしまいがちです。
しかし、本当に転職を安易に勧めてよいものでしょうか。(転職メディアでこんな話を書いてよいものかはさておき)安直な友人の一言が、キャリアを思わぬ方向へ狂わせてしまう可能性があります……。
今回は、転職相談における「よかれと思って」の危険性について、書いていきます。
「辞めようかな、転職しようかな」発言の多くは、ただの愚痴
まず、友人や同僚が口にする「辞めようかな」という言葉の大半は、本気で転職を考えているわけではありません。
それは、「仕事がつらい」「上司が理不尽すぎる」「正当に評価されていない気がする」といった日々の不満を吐き出すための、一種のフォーマットなのです。
彼らが本当に求めているのは、具体的な転職先のアドバイスではなく、「大変だね」「いつも頑張ってるね」という共感と慰めです。
それなのに、相談された側が真に受けてしまい、「転職しなよ!うちのリファラルあるよ!」などと、過剰に背中を押してしまうケースがあります。と申しますか、私です。
私のような人間が無責任に煽ることで、本人も「そうか、自分は転職すべきなんだ」と、深く考えることなく転職活動に突入してしまう。
これは、キャリアにおける大きなリスクです。転職をするなというわけではなく、深く考える前に転職活動を始めることが危ういのです。実際、そうして周囲に流されるまま転職し、後悔している方々を、私は何人も見てきました。
周りに流されて転職し、失敗した人々の末路
ケース1:「実力派プログラマだから独立した」悲劇
とあるJTCの社内SEとして、高い技術力で評価されていた刈谷さん(仮名)は、同僚との飲み会で「うちの会社は給料が上がらないし、正当に評価してくれない」と愚痴をこぼしました。社内SEはトラブル対応が多く、帰宅時間もまちまち。それなのに、評価は一律部署の成果で決まるところが、不満だったようです。
相談した友人からは「刈谷ほどの実力があれば、フリーランスで稼げるよ」「会社に縛られるなんてもったいない!」と盛大に持ち上げられました。
その気になった刈谷さんは、勢いのまま独立。
しかし、刈谷さんには致命的に欠けているスキルがありました。それは「営業力」です。
刈谷さんの業務は、社内との折衝がメイン。つまり、社外との取引獲得スキルを、今まで一切身に着けていませんでした。技術があっても、自分で案件を獲得する術を知らなかったのです。
刈谷さんにも最初の数ヶ月こそ知人の紹介で仕事があったものの、すぐに途切れてしまいます。そして、あっという間に行き詰まってしまいました。
結局刈谷さんは、独立から1年も経たずに前の業界へ「出戻り転職」することに。「会社員という身分が、どれだけ守られていたのか……。銀行の残高がどんどん減っていくあの感じ、もう味わいたくないですね……」と、力なく笑っていました。
ケース2:ホワイト企業から外資コンサルへ……成長を志して心身を壊す
日系のホワイト企業で、経理として働いていた篠崎さん(仮名)は、定時で帰れる毎日に物足りなさを感じ、「もっと成長したい」と友人に相談します。ちょうど、当時はコンサルティングファームの採用が拡大していた時期。
「篠崎なら、外資コンサルでバリバリやれるよ。学歴もあるんだしさ」「若いうちに挑戦して、失敗したらまた戻ればいいんだから」と、外資コンサルでの修行を勧められました。
篠崎さんはそうして、誰もが知る外資系コンサルティングファームへ転職。しかし、彼女を待っていたのは、月80時間を超える残業が当たり前の熾烈な環境でした。
知的なイメージとは裏腹に、クライアントの雑務に忙殺される日々。「成長」を実感する間もなく、篠崎さんは心身のバランスを崩し、わずか1年で退職。それから別の会社へ転職するまで、回復に1年を要しました。
篠崎さんは現状について「もう頑張れない。激務に向いていなさそうだから新卒でホワイトな業種を選んだはずなのに、なんでいけると思っちゃったんでしょうね。もう、健康は戻ってきません。これからは持病がある前提で生きるしかない。それが本当につらくて」と、教えてくれました。
その背中、押してもいい?転職したい発言への対応
では、私たちは友人がぽろっとこぼす「辞めようかな」発言に、どう向き合えばいいのでしょうか。
前提として、転職=悪では、もちろんありません。しかし、背中を押す前に、転職理由が以下のどちらのカテゴリに属するのかを冷静に見極める必要があります。
転職を「勧めない」ほうがいいケース
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