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ニトリとファーストリテイリング|決算・年収・社風を徹底比較【2025年最新】

ニトリとファーストリテイリングは、ともに日本を代表する製造小売業(SPA)の大手であり、転職市場でもよく比較される2社ですが、実際のところ、どちらが自分にフィットするのでしょうか。


本記事では、両社の最新決算とワンキャリア転職に寄せられた多数のクチコミから、数字とカルチャーを徹底的に比較。転職を考えるあなたが「どちらの会社が自分に合っているのか」を見極めるための判断材料を提供します。


目次




1:数字で見る、ニトリとファーストリテイリングの「今」──2025年最新決算の比較


まず、両社の経営状況を客観的な数字から比較します。事業の成長性や収益構造、未来への投資姿勢から、それぞれの「今」の姿を明らかにします。


1-1:ニトリとファーストリテイリング|売上・利益の成長



ニトリ

ファーストリテイリング

対象決算期

2026年3月期 第1四半期
(2025年4月〜2025年6月)

2025年8月期 第3四半期

(2025年3月〜2025年5月)

売上収益

2,316億円

(前年同期比 △0.7%)

8,265億円

(前年同期比 +7.7%)

営業利益

369億円

(前年同期比 △0.5%)

1,467億円

(前年同期比 +1.4%)

営業利益率

15.9%

(前年比 ±0pt )

17.8%

(前年比 △1.1pt)

(出典)ニトリ 決算資料ファーストリテイリング 決算資料


直近3ヶ月の業績を見ると、成長の勢いではファーストリテイリングに軍配が上がります。


ファーストリテイリングの2025年8月期第3四半期(3ヶ月)の売上収益は前年同期比7.7%増の8,265億円、営業利益は同1.4%増の1,467億円と増収増益を達成しています。


特に国内ユニクロ事業が好調で、既存店売上高は7.5%増と力強い伸びを見せています。これは、夏物コア商品や通年商品の販売が好調だったことに加え、感謝祭やゴールデンウィーク商戦が盛況だったことが要因です。


一方、ニトリの2026年3月期第1四半期の売上収益は前年同期比0.7%減の2,316億円、営業利益は同0.5%減の369億円と、わずかながら減収減益となりました。国内の既存店売上高も前年比98.0%と、前年を下回る結果となっています。


両社とも高い利益率を維持していますが、売上成長率や既存店の伸びにおいてはファーストリテイリングがニトリを上回っており、市場での勢いの差がうかがえます。




1-2:ニトリとファーストリテイリング|利益構造と投資スタンス


両社はSPA(製造小売業)モデルを採用し、商品企画から製造・販売までを自社で担うことで、高い利益率を実現しています。



ニトリ

ファーストリテイリング

粗利率

53.4%

54.9%

販管費率

37.8%

37.7%

営業利益率

15.9%

17.8%


直近3ヶ月の決算を見ると、売上総利益率(粗利率)はファーストリテイリングが54.9%、ニトリが53.4%と、いずれも50%超えの高水準。中間マージンを排除した効率的な供給体制が強みです。


販管費率は両社とも約38%と同水準ですが、営業利益率ではファーストリテイリングが17.2%、ニトリが15.9%とやや上回っています。これは、粗利率の高さに加え、価格決定力や為替による追い風、在庫管理などの効率性が寄与していると考えられます。


一方で、将来を見据えた設備投資にも違いが見られます。ニトリは2025年3月期に1,260億円を投じ、新物流拠点の整備などに注力ファストリも同じく1,485億円を投資予定ですが、こちらはグローバル出店や自動倉庫、情報基盤の強化が中心です。




1-3:ニトリとファーストリテイリング|グローバル展開


事業のグローバル展開においては、ファーストリテイリングが大きく先行しています。


ファーストリテイリングは世界中に2,495店舗を出店し、2024年8月期通期の売上収益に占める海外ユニクロ事業の割合は55.2%に達しており、すでに海外が収益の柱となっています。(*)


特に2025年8月期第三四半期では、LifeWearのブランド価値が伝わる質の高い出店の継続により、韓国、東南アジア・インド・豪州地域、北米、欧州で増収増益を記録しています。


対するニトリは、2025年6月末時点で海外に199店舗を展開していますが、2026年3月期第1四半期の売上構成比における海外事業の割合は6.4%にとどまります。中国大陸では店舗数の純減が見られるなど、海外展開はまだ途上にあると言えます。


売上の過半数を海外で稼ぎ出し、グローバルブランドとしての地位を確立しているファーストリテイリングに対し、ニトリは国内市場を主戦場としつつ、海外展開を模索している段階であり、市場ポジションには明確な違いがあります。


(*)統合報告書/アニュアルレポート | FAST RETAILING CO., LTD.ファーストリテイリングについて | FAST RETAILING CO., LTD.




1-4:ニトリとファーストリテイリング|中長期の注力領域


両社が描く未来への戦略からは、それぞれの注力領域が見えてきます。


ニトリは、EC・アプリ戦略に力を入れています。2025年6月末のアプリ会員数は2,333万人に達し、2026年3月期末には2,500万人を目指しています。ECと店舗の連携を強化するアプリ刷新も行っており、2025年3月期にはEC化率が13.2%と前年比で増加していることからも、ECチャネルの強化にも着実に取り組んでいる様子がうかがえます。


一方、ファーストリテイリングは、「情報製造小売業の進化」と「グローバル化の加速」を重点課題に掲げています。需要に合わせた機動的な生産・販売の実現や、旗艦店を含む質の高いグローバル出店を継続することで、LifeWearのブランディングを強化していく方針です。


ニトリが国内でのデジタル基盤強化に注力しているのに対し、ファーストリテイリングはグローバル規模でのデジタル×ブランド戦略を推進しています


デジタル起点で既存顧客との関係性を深めたい人にはニトリグローバルな視座でブランドビジネスに関わりたい人にはファーストリテイリングがよりフィットする可能性が高いでしょう。






2:クチコミで見る、両社の「内側」──働く人の声から見えた違い


決算データから見えてきた事業戦略の違いは、働く環境やカルチャーにどう反映されているのでしょうか。ここからは、ワンキャリア転職に寄せられたクチコミから、「実際どうなのか」「自分に合っているのはどちらか」を探っていきます。


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ワンキャリア転職 編集部

井口 祥子

一橋大学卒業後、新卒では大手人材系企業に入社し法人営業を経験。その後、就活プラットフォームを運営する人材ベンチャーに入社。学生の就職支援に携わった後、スタートアップ、大企業、コンサルティングファーム等の採用ブランディング記事の企画・編集・執筆を手掛ける。2022年よりワンキャリア入社。ワンキャリア転職にて社会人向けのキャリア支援やコンテンツ企画・編集に携わる。

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