コンサルティング業界への転職は、高い年収や成長環境、多様なキャリアパスを求める若手ハイクラス層から高い人気を集めています。しかし、「コンサル」と一口に言っても、戦略コンサルからITコンサル、総合コンサルまで種類は多岐にわたり、それぞれ特徴や求められるスキルセットが異なります。
本記事では、ONE CAREER PLUSに集まる数千件のキャリアデータと転職体験談をもとに、コンサル業界の基礎知識から転職に必要な情報まで、コンサル志望者必見の情報を総まとめします。未経験からのチャレンジを検討している方も、まずはこの記事で全体像を把握しましょう。
- 1. そもそも、コンサルとは
- 2. どんなファームがあるの?コンサルの分類と代表例
- 2-1. 戦略コンサル
- 2-2. 総合コンサル
- 2-3. ITコンサル
- 2-4. シンクタンク
- 2-5. 組織・人事系コンサル
- 2-6. 事業再生系コンサル
- 2-7. FAS系コンサル
- 2-8. 中堅・中小企業向けコンサル
- 2-9. AI系コンサル
- 3. 具体的にどんなことをするのか?コンサルの仕事内容
- 4. 論理的思考力だけじゃない。コンサルに向く人の特徴6選
- 5. コンサルのやりがい:スキル成長と企業・社会への貢献実感
- 6. コンサルの年収相場:20代で1,000万円も夢じゃない
- 7. コンサルに転職するには:戦略的な準備が必須
- 8. コンサルからの転職傾向:ポストコンサルキャリアを知ろう
- 9. クチコミでみる、コンサルで働くリアル
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1. そもそも、コンサルとは
コンサルティングとは、企業や政府が抱える課題に対して解決策を提示し、実行をサポートするプロフェッショナルサービスです。形ある商品を売るのではなく、課題解決によってクライアントから報酬を得るのが特徴です。
コンサルティングファームは、取り扱う課題の種類によって「戦略コンサル」「ITコンサル」「総合コンサル」などに分類されます。戦略コンサルは企業の経営戦略に関する課題を、ITコンサルはIT関連の課題を解決します。
2. どんなファームがあるの?コンサルの分類と代表例
2-1. 戦略コンサル
戦略コンサルの仕事内容は企業の経営課題を解決し、さらなる成長戦略を提案するというものです。具体的なサービス領域は経営戦略や事業戦略の立案、M&A、新規事業創出などが挙げられます。
戦略コンサルは高度な分析力と論理的思考力を武器に、クライアントの経営層に対して中長期的な事業戦略や組織改革の提言を行います。
年収水準は業界トップクラスで、特に外資系戦略ファームでは20代の若手でも1,000万円を超えることも珍しくありません。戦略コンサル経験後のキャリアパスは戦略コンサル、大企業の経営企画、スタートアップ、起業・経営者、VC・PEファンドなど多様です。
代表的なファーム例:
- マッキンゼー・アンド・カンパニー
- ボストン コンサルティング グループ
- ベイン・アンド・カンパニー
2-2. 総合コンサル
総合コンサルとは、戦略、IT、組織人事、業務支援など幅広い領域でクライアントの課題解決を行うファームのことを指します。総合コンサルはどのファームも自社で解決できるサービスのラインナップやリソースが豊富で、戦略から施策の実行まで自社のリソースで提案できるという特徴があります。
多くの場合、総合コンサルの組織は「サービス(解決する課題)×インダストリー(顧客の業界)」の軸で構成されています。そのため、総合コンサルに入社した場合はどこかの組織に所属し、その中で専門性を磨くキャリアとなります。
転職市場での選択肢の多さを理由に、総合コンサルへの入社を検討する人も多く、ポスト総合コンサルのキャリアパスは多様です。近年は戦略コンサルへ転職するケースや、スタートアップで事業開発などに携わるケースが増えています。
代表的なファーム例:
- アクセンチュア
- デロイト トーマツ コンサルティング
- KPMG コンサルティング
- PwC コンサルティング
- EY ストラテジー・アンド・コンサルティング
- アビームコンサルティング
- ベイカレント・コンサルティング
2-3. ITコンサル
ITコンサルは、システム開発から導入、セキュリティ体制の見直しなど、企業のITに関わる幅広い課題を解決するコンサルティングファームのことを指します。また、解決策を提示するだけではなく、システムの実装など、実行支援まで行うファームが多いのが特徴です。
近年テクノロジーの急速な発達により、企業におけるITに関する課題は多様化・複雑化しており、ITコンサルは非常にニーズの高い領域とも言えます。
ITコンサルからのキャリアパスも総合コンサルと同じく多様ですが、ソフトウェアの要件定義〜開発の経験や顧客用の業務ソフトの導入支援の経験を活かして、ITベンチャー・スタートアップへの転職するケースが近年増加傾向にあります。
代表的なファーム例:
- IBM コンサルティング
- 日立コンサルティング
- レイヤーズコンサルティング
2-4. シンクタンク
シンクタンクは、調査・研究を軸に政策提言や事業戦略の策定支援を行う組織です。コンサルティングファームとの違いは、より学術的・研究的アプローチを重視する点にあります。政治・経済など専門性が深く幅広いため、民間企業だけでなくクライアントが官公庁となる場合もあります。
シンクタンクからの転職は、総合・ITコンサルといったコンサルティングファームへの転職や事業会社へリサーチャーとして転職するといったキャリアパスが考えられます。
代表的なファーム例:
- 三菱総合研究所
- 日本総合研究所
- 野村総合研究所
- 三菱UFJリサーチ&コンサルティング
2-5. 組織・人事系コンサル
組織・人事コンサルは、企業の人材戦略や組織設計、人事制度の構築などを専門とするコンサルティングファームです。従業員のエンゲージメント向上や人材育成、組織変革など、企業の「人」に関わる課題解決を支援します。
組織・人事コンサルからのキャリアパスは、総合・ITコンサルなど他領域へのコンサルティングファームへいくケースや、人材企業への転職、事業会社での人事ポジションへの転職などがあります。
代表的なファーム例:
- リクルートマネジメントソリューションズ
- リンクアンドモチベーション
- マーサー・ジャパン
- コーンフェリー
2-6. 事業再生系コンサル
事業再生コンサルは、経営不振や財務的危機に陥った企業の立て直しを支援する専門家です。財務分析から事業計画の見直し、組織再編、資金調達支援まで、企業の再生に必要な一連の業務を行います。
高度な財務知識と経営判断力が必要な他、経営者や現場社員を巻き込みながら責任の重い仕事を推進するタフさやコミュニケーション力の高さが求められる分野です。
事業再生コンサルからのキャリアパスは、戦略コンサルや総合コンサルといった別領域へのコンサルティングファームや、スタートアップ、起業など様々です。
代表的なファーム例:
- IGPI(経営共創基盤)
- フロンティア・マネジメント
- YCP
2-7. FAS系コンサル
FAS(Financial Advisory Services)コンサルは、M&A支援や企業価値評価、財務デューデリジェンスなど、財務面での専門的なアドバイザリーサービスを提供します。会計・財務の専門知識を活かし、企業の財務戦略や投資判断をサポートします。
会計・財務の専門性の高い知識やハードな仕事をこなすタフさが求められる分野です。FAS系コンサルからは、事業会社のCFO的ポジションや、コンサル、VC・PEファンドなど財務の専門性を活かしたキャリアパスとなるケースが多くなります。
代表的なファーム例:
- デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー
- KPMG FAS
- PwC アドバイザリー
2-8. 中堅・中小企業向けコンサル
中堅・中小企業向けコンサルは、大手企業だけでなく中小規模の企業に特化したコンサルティングサービスを提供します。経営戦略から業務改善、マーケティング支援まで幅広く対応し、中小企業の成長をサポートします。
ロジカルな提案力や専門知識だけでなく、中堅・中小企業の経営陣や現場社員の懐に入り込むコミュニケーション力の高さも必要になります。
中堅・中小企業向けコンサルからは、総合コンサルなど他の領域のコンサルへ転職するケースや、事業会社の営業系ポジションに転職するケースが多く見受けられます。
代表的なファーム例:
- 船井総合研究所(船井総研)
- 山田コンサルティンググループ
- タナベ経営
2-9. AI系コンサル
AI系コンサルは、人工知能やデータ分析技術を活用した経営課題の解決を支援する新興のコンサルティング分野です。デジタルトランスフォーメーション(DX)やAI導入支援、データ活用戦略の立案などを専門としています。
AI・データといった先端の領域で課題解決をしたいというニーズを持つ人たちから近年注目を集めています。AI系ファームからのキャリアパスとしては、専門知識を活かしたAI系スタートアップ・ベンチャーなどが考えられます。
代表的なファーム例:
- ブレインパッド
- エクサウィザーズ
- ABEJA
- FLUX
3. 具体的にどんなことをするのか?コンサルの仕事内容
コンサルティングファームを行うクライアントの課題解決は、大きく分けて「提案・コンペ」「情報収集・施策の作成」「施策の実行」「評価・フォロー」4つのフェーズがあります。
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