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マネーフォワードとfreee|決算・年収・社風を徹底比較【2025年最新】

マネーフォワードとフリー(以下、freee)は、日本のSaaS業界を牽引するクラウド会計企業ですが、その事業戦略や社風には違いが存在します。転職市場でもよく比較される2社ですが、実際のところ、どちらが自分にフィットするのでしょうか。


本記事では、両社の最新決算とワンキャリア転職に寄せられた多数のクチコミから、数字とカルチャーを徹底的に比較。転職を考えるあなたが「どちらの会社が自分に合っているのか」を見極めるための判断材料を提供します。


目次



1:数字で見る、マネーフォワードとfreeeの「今」──2025年最新決算の比較


まず、両社の経営状況を客観的な数字から比較します。事業の成長性や収益構造、未来への投資姿勢から、それぞれの「今」の姿を明らかにします。



マネーフォワード

フリー(freee)

対象決算期

2025年11月期 第2四半期

(2025年3月~5月)

2025年6月期 第4四半期

(2025年4月~6月)

売上高(四半期)

115億円

94億円

売上高成長率(YoY)

+12%(全社)

+34.4%(プラットフォーム事業)

ARR

344億円(SaaS全体)

344億円(プラットフォーム事業)

ARR成長率(YoY)

+28%(SaaS全体)

+31.8%(プラットフォーム事業)


(出典)マネーフォワード 決算資料フリー 決算資料

※freeeの2025年6月期第4四半期売上高は、通期売上高から第3四半期までの累計を差し引いて算出

※freeeのプラットフォーム事業はSaaS領域が中心のため、ARR比較においてもマネーフォワードのSaaS ARRとの対比が妥当と判断


1-1:マネーフォワードとfreee|売上・ARRの成長比較


まずは両社の売上高とARRから、「今どちらが勢いがあるのか」を見てみましょう。




マネーフォワードの2025年11月期の第2四半期の全社売上高は115億円で、前年同期比+12%の成長を記録しています。中核事業であり、法人・個人事業主向けSaaSを提供するBusinessドメインの売上高は、前年同期比+28%と高成長を達成しています。


一方、freeeの2025年6月期第4四半期(2025年4月〜6月)の売上高は94億円となり、前年同期比で+34.4%と高い成長率を維持しています。


ARR(Annual Recurring Revenue:年間経常収益)は、SaaSビジネスの成長性を示す重要な指標です。


マネーフォワードのSaaS ARRは、2025年5月末時点で344.3億円となり、前年同期比+28%の成長を見せています。一方、freeeのプラットフォーム事業のARRは、2025年6月末時点で343.9億円に達し、前年同期比+31.8%の成長を達成しています。


売上高およびARRの成長率では、freeeがマネーフォワードをわずかに上回っており、成長の勢いという点ではfreeeに軍配があがります。しかし、両社ともにARR規模・成長水準ともに両社は拮抗しており、大差はないと言えます




1-2:マネーフォワードとfreee|ARPUと顧客戦略


次に、顧客一人当たりの平均単価を示すARPU(Average Revenue Per User)と、両社が注力する顧客層を見ていきます。


freeeの2025年6月期末のARPUは567,000円で、前年同期比+15.8%の成長です。特に法人セグメントのARPUは1,141,000円と高く、前年同期比+15.4%の伸びを示しています。


マネーフォワードの全体のARPUに関する情報はありませんが、法人顧客のARPA(1アカウントあたりの平均売上)は前年同期比+7.4%、中堅企業向けARPAは+16.4%と拡大しています。


また、両社の顧客戦略には明確な違いが見られます。



マネーフォワードは、特に中堅企業(従業員数目安:51名以上)に注力しています。中堅企業向けARRは前年同期比+52%という力強い成長を遂げており、今後の成長ドライバーとして位置づけていることがうかがえます。


対照的にfreeeは、「スモールビジネスを、世界の主役に。」というミッションを掲げ、個人事業主と従業員1,000名以下の法人をターゲットとしています。 有料課金ユーザー企業数は60.6万を超え、個人事業主から法人まで幅広い顧客基盤を築いているのが特徴です。


マネーフォワードは中堅企業市場の開拓を強化し、単価向上を狙う戦略です。一方、freeeは個人事業主を含むスモールビジネス全般をターゲットとし、広範なユーザー基盤からの収益拡大を目指しています。


両社の戦略の違いは、キャリアの選択軸にもつながります。例えばマネーフォワードでは、成長過程にある中堅企業への深耕提案や、複雑な業務課題に応えるプロダクトの設計・改善に関わる機会が多くなるかもしれません。


一方、freeeでは、スモールビジネスの多様な課題にスピーディに対応する柔軟さや、マス向けのスケーラブルな戦略に関与できる可能性が高いと考えられます




1-3:マネーフォワードとfreee|利益状況と経営スタンス


売上やARRだけでなく、利益指標も企業フェーズや経営スタンスを見極めるうえで重要な材料になります。なお、両社は開示指標が異なるため、数値の単純比較は難しい点に留意が必要です。


マネーフォワードは、2025年11月期第2四半期において調整後EBITDA(HIRAC FUND除外)で7.1億円を計上し、過去最高益を達成しています。EBITDAはキャッシュ創出力を示す指標であり、同社が積極投資を継続しながらも健全な財務状態を維持していることを意味します。


一方、freeeは2025年6月期に調整後営業利益で18.9億円を計上し、通期での黒字化を達成。前年度の営業損失(75億円)からの大幅な改善となりました。本業の利益水準での黒字転換は、ビジネスモデルの収益性が軌道に乗ってきた証拠と言えるでしょう。


両社ともに黒字化を達成しているものの、その経営スタンスには違いがあります。


  • マネーフォワード:三井住友フィナンシャルグループとの協業や、経理BPO領域への出資など、将来の非連続な成長に向けた積極投資を継続中。利益よりも中長期の拡大を重視する“成長投資型”のスタンスが見えます。


  • freee:黒字化を果たしつつ、次年度も利益拡大を見込む予想を発表しており、今後は収益性と成長投資の両立を目指す“バランス型”の経営フェーズへ移行している印象です。


あなたが、大胆な投資環境に身を置きたいか、それとも収益基盤の安定した組織で着実に事業を伸ばしたいか──その志向によって、魅力に映る会社は変わってくるはずです。






2:クチコミで見る、マネーフォワードとfreeeの「内側」──働く人の声から見えた違い


決算データから見えてきた事業戦略の違いは、働く環境やカルチャーにどう反映されているのでしょうか。ここからは、ワンキャリア転職に寄せられたクチコミから、「実際どうなのか」「自分に合っているのはどちらか」を探っていきます。


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ワンキャリア転職 編集部

井口 祥子

一橋大学卒業後、新卒では大手人材系企業に入社し法人営業を経験。その後、就活プラットフォームを運営する人材ベンチャーに入社。学生の就職支援に携わった後、スタートアップ、大企業、コンサルティングファーム等の採用ブランディング記事の企画・編集・執筆を手掛ける。2022年よりワンキャリア入社。ワンキャリア転職にて社会人向けのキャリア支援やコンテンツ企画・編集に携わる。

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