こんにちは、トイアンナです。
「怒られたわけじゃないんです。牽制された、だけで」
そう語り始めたのは、国内最大手クラスの重工メーカーで半年間の育休を取得した、30代後半の男性です。彼は、育休を申請したことで上司から「これがどういうことか、わかってるんだろうな」と威圧され、そのまま出世コースから外されたのでした。
さらに、彼を出世コースから外した上司は、社内報で「男性育休の推進」を語っていた本人だったのです。
男性育休取得率は、ついに50.9%へ届いた
厚生労働省の令和7年度雇用均等基本調査 事業所調査によれば、男性の育児休業取得率は50.9%。前年度の40.5%から10ポイント以上伸び、初めて5割を超えました。女性は88.3%です。
数字だけ見れば、日本企業は変わりました。10年前には考えられない水準まで。
ところが、取得した側の実感は別のところにあります。
その他の厚生労働省による調査では、育児休業を取得した男性のうち約20%がハラスメントを受けたと回答しました。その内容は上司や同僚からの「育休制度の利用妨害」がそれぞれ24.2%で最多となりました。
育休の取得率は伸びている。取得後の扱いは、そこまで変わっていない。 このねじれが、今回の話の全てです。
「外された」ことは、誰も言葉にしません
冒頭の男性であるYさん(仮名)は、入社以来、海外向けの大型プラント案件を担当してきました。第2子の誕生にあわせ、社内で前例のない半年間の育休を申請します。
直属の上司の反応は好意的でした。「いいんじゃない、これからはそういう時代だし」。人事も歓迎しました。実際、Yさんの取得事例は社内報に載りました。しかし、部長からは「わかってるんだろうな」と威圧されたと言います。
さらに問題は、復職後です。
戻った初日に、担当案件の一覧を見たら、私の名前が入っている案件が3つとも国内の小規模改修だったんです。それまで5年やってきた海外案件からは、きれいに抜けていました。上司に聞いたら、『半年空いたし、リハビリからでいいでしょ』と。悪気があるわけではなかったんですよ。むしろ、気遣ってくれてる感じで。……その気遣いが、いちばんきつかったですね
さらに・・・



