戦略コンサルティングファームの代表格ともいえるベイン・アンド・カンパニー。
20代前半で年収1,000万円、30代で年収5,000万円を狙える企業です。
細かく期待役割が定義されていたり、各グレードの想定卒業年数が決まっているなど、透明性の高い評価制度も特徴です。
また、プロジェクトの数に対してコンサルタントが足りていない現状もあり、アベイラブルと呼ばれるプロジェクトに入れないメンバーはほとんどいないと言います。
狭き門ではありますが、今後採用拡大の可能性もあるかもしれません。
本記事では、2024年に実施した社員への独自インタビューやONE CAREER PLUSに寄せられた5万件以上のクチコミをもとに、ベイン・アンド・カンパニーの給与体系や評価制度を解説します。
ベイン・アンド・カンパニーってどんな会社?
ベイン・アンド・カンパニーは、世界のビジネスリーダーが「結果」を求めるときに訪れる世界有数の経営戦略コンサルティング会社です。
創業以来、国内外のフォーチュン500に名を連ねるクライアントが厳しい競争環境の中で成長し続けられるよう、最重要経営課題に対しユニーク且つ具体的な解決策を提供しています。
また、企業がグローバル市場へ事業を拡大するに際し、様々な業界や経営テーマに精通しているベイン海外オフィスと協働して問題解決に取り組みます。
真に進むべき道「True North(真北)」を示すことを信条とし、企業が変革を遂げることを支援します。
結果として、ベインのクライアントは市場を上回る業績を実現することに繋がり、クライアント企業の株価は市場平均に対し約4倍のパフォーマンスを達成しています。
ベインは1973年に創設され、現在世界40カ国に65拠点のネットワークを展開し、約18,500名を擁しています。
ベイン・アンド・カンパニーのグレード別年収まとめ
以下がベイン・アンド・カンパニーのグレード別の年収です。
ベインには、8つのグレードが存在します。
同じグレード内ではベース給与は変わらないため、ベース給与が上がるのはグレードが上がった時のみです。
賞与は半年ごとに行われる評価によって変動しますが、賞与のアップダウンは評価の次の期にしか反映されず、次の査定で異なる評定を取れば賞与の金額はまた更新されます。
グレードとベース給与は1 : 1対応しており、評定や前職の給与によって同一グレード内でベース給与が異なるというケースは存在しません。
また、各グレードごとの期待卒業年数が定まっており、人によって大きく昇格タイミングがズレることはありません。
アソシエイトコンサルタントの中にはアソシエイト1, 2の2段階が存在し、アソシエイト1からアソシエイト2へは通常1年程度で昇進し、合計約3年のアソシエイト期間を経てでシニアアソシエイトコンサルタントに昇格します。同様に、シニアアソシエイトコンサルタントにも2つの段階が存在します。
新卒入社の場合はアソシエイトコンサルタント1から、キャリア入社の場合はアソシエイトコンサルタント2移行での入社が一般的です。
シニアマネージャー以降は、会社全体のボーナスが支給されます。
金額はグローバルの業績に連動して変わり、500万円単位で数字が変動します。
表中の数字は、そうした業績連動分も含めた下限の年収とご理解ください。
パートナーは稼働率ベースで報酬が規定されます。
パートナー昇格直後はしばらく固定給の期間が存在しますが、一定期間を経過すると、稼働率すなわちどれだけお客様を持ち自分の時間をチャージできているかで金額が大きく変わります。
ベイン・アンド・カンパニーの各グレードの期待役割
【アソシエイトコンサルタント】年収600~900万円
新卒で入社した場合、アソシエイトコンサルタントからキャリアがスタートします。
チームメンバーとして、マネージャーからの指示をもとにリサーチや分析、資料作成などを行います。
いわゆるコンサルタントの見習いとして、ベーススキルやお作法を身につける期間です。
第二新卒や、社会人3~4年目でキャリア入社する場合は、アソシエイト2からスタートします。
【シニアアソシエイトコンサルタント】年収1,000~1,200万円
一連の作業設計~実行や現場レイヤーのクライアントとの議論を一人でリードするのがシニアアソです。
また、ジュニアメンバーのコーチングを担う人もいます。
プロジェクト内のサブチームである「ワークストリーム」のリーダーとして実行責任を持ちます。
キャリア入社者のうち、社会人5~6年目以降の方や、他ファームで昇進経験がある方は、シニアアソからキャリアをスタートします。
【コンサルタント】1,700万円~
シニアアソよりも複雑なワークストリームをリードしたり、時には複数のワークストリームをマネージする段階です。
他ファームでマネージャーをやっていた方や、MBAホルダーの場合は、コンサルタントで入社するケースも存在します。
【マネージャー】年収2,000万円~
アソシエイトパートナーとペアを組み、プロジェクトのマネジメントを行います。
マネージャー段階では、単独でプロジェクトをマネージすることはなく、アソシエイトパートナーと50%ずつで管理を行います。
【シニアマネージャー】年収2,500万円~
パートナー直下で、単独でプロジェクトのマネジメントを行います。
シニアマネージャーまでは、1人が同時に管掌するプロジェクトは1つのみです。
また、シニアマネージャー以降は、自分が今後専門とする業界やファンクションを徐々に定めていきます。
【アソシエイトパートナー】年収3,000万円~
複数プロジェクトの管理をしながら、パートナーとともに営業に同行し、案件獲得のスキルを身につける段階です。
シニアパートナーやパートナーが持つクライアントを引き継いで、ディスカッションや追加提案をする中で、「自分のお客さん」と言えるクライアントを複数見つけられると、ファームの売上への貢献が認められてパートナーへの道が開けます。
【パートナー】年収5,000万円
パートナーから明確にグローバルファームの「共同経営者」としてのポジションに変化します。新規・既存クライアントに対して営業を行い売上をあげ、納品に向けてチームを組成し結果責任を負います。
プロジェクトごとの利益管理も行うため、どの程度の納品をどの程度のチームでどの程度の期間をかけて実施するか、コントロールします。
【シニアパートナー】年収8,000万円~
よりグローバルの経営に携わるグレードです。自身が担当する業界や領域のアジアひいてはグローバルにおける売上のリードを担うなど、管掌する範囲が広がります。
また、エキスパートとしての色合いも強くなるので、自分が直接管掌していないクライアントやプロジェクトであったとしても、外部アドバイザーとして関わることが増えます。
ベイン・アンド・カンパニーへのキャリア入社で押さえておきたいポイント
① 採用要件はあまり広がっていない
マッキンゼーやBCG (ボストン コンサルティング グループ)などの他戦略ファームでは、数年前から採用要件が広がっているとの声を聞きますが、ベインはキャリア入社者のバックグラウンドにあまり変化はないようです。
- 総合商社、金融機関、保険などの大手企業出身者
- 官公庁出身者
- Big4などのコンサルや総研などのシンクタンク出身者
②コンサルタントとしての入社がメイン
マッキンゼーでは実行支援専門のキャリアパスで採用を行っていたり、BCGではデジタル専門の採用枠が存在したりするなど、入社のパスが複数存在していますが、ベインではコンサルタントとしての入社がメインです。
リサーチやテックの専門部隊もファーム内には存在するものの、スペシャリスト枠であり、常に採用がオープンになっているわけではありません。
③ キャリア入社者でも社費留学や海外オフィス勤務などの制度を利用できる
ベインには、ファーム外での経験を積むためのサポートが主に3つあり、これらはキャリア入社者でも利用することができます。
- 社費の留学制度:1年以上在籍しており、パフォーマンスに問題なければ、キャリア入社者も社費でMBAなどの留学に行くことができます
- トランスファー:プロジェクトのマッチングがうまくいけば、海外オフィスで半年間勤務することができます
- エクスターンシップ:事業会社やNPOに半年間出向できます。主にベインの卒業生が在籍または起業している企業でのポストが多く、自ら出向したい企業を提案してファームがポストを用意するケースも存在します
他にも、借り上げ社宅制度も全員が一様に利用できます。
グレードごとに賃料の上限が存在しますが、会社が賃貸物件と契約をして給料から事前に天引きすることで税金メリットを受けられます。
ベイン・アンド・カンパニーの評価基準・評価フロー
昇格・昇給にかかわる評価は半期に一度行われますが、半期評価を待たずして、プロジェクトが終わるごとにもレビューが行われます。
プロジェクト内での直上司が評価をドラフトし、それをマネージャーが最終化、パートナーのレビューを経てプロジェクトごとの評価が決まります。
半期評価では、評価に携わる自身の専属のメンターがプロジェクト内で協業したメンバーにインタビューを行い、総合的な評価を決定します。
メンターはPDAと呼ばれ、自分より3個程度グレードが上のコンサルタントが担当します。
自身がアソシエイトであればマネージャーがPDAを担当する、といった具合です。
評点は5段階存在し、昇格および次の期のボーナス額に反映されます。
評点に応じた基本給のアップはなく、あくまでも来期のみかつ賞与のみが影響範囲です。
高評価を得られると、支給額が10%~15%程度上がります。
- CO:ほとんど出ることはない
- FE:20%程度。ボーナスアップ
- SC (strong contribution):60%程度。「期待通り」
- IC:20%程度
- ???
評価はProblem solving, Client, Teamworkの3つの項目について行われます。
各項目について、5~10個程度のサブ項目があり、サブ項目の総合点として各項目の評定が決まります。
合計30個程度のサブ項目について、グレードをさらに3~4つずつに細分化したレベル別に期待される動きが定義され表になっているのが、ベインの評価制度の特徴です。
この期待役割表はグローバル共通で、記載される定義に沿ったパフォーマンスができていればSC、半年先のパフォーマンスがすでにできていればFEがつくという、明確な絶対評価が行われています。
FEの評価を複数回取ったとしても、昇格するか否かは、パートナーを中心とした評価会議で決められます。
評価期間の半期で接点を持ったパートナー全員が投票権を持っているため、どのプロジェクトでもパートナーとも信頼関係を築けた人が昇格へと進みます。
ベインでは、プロジェクトの平均期間は3か月程度ですが、場合によっては長期に渡る場合も存在します。
同一プロジェクトに6か月以上在籍している場合、他プロジェクトへの移動の希望を申請することができます。
ベイン・アンド・カンパニーで評価が高い人の特徴
ベインでは、グレードレベルごとかつ評価項目ごとの期待されるパフォーマンスが明確に定義されているため、社内政治などが評価に影響を与えることは少ないです。
また、稼働の10%をオフィスの貢献活動に使わないといけないというルールが定められており、規定値を割ると賞与へのマイナスの影響が出る場合がありますが、逆にオフィス貢献活動によって査定が上昇するケースはほとんどありません。
期待される役割表に記載された内容を粛々と身に着けていくことが、高評価を得る鍵になりそうです。
一方で、評価基準が明確な分、Up or Outが色濃いとも言えます。
特に、期待されるグレードの卒業期間から1年半以上遅れると、実質的なクビ候補になるという声も上がりました。
具体的には、該当者向けのトレーニングを受けたうえで、クライアントにチャージしないポジションで業務を行います。
その期間中に改善がない場合は、実質的なクビ勧告を受けることもあるそうです。
評価の透明性が高い分、実力主義も徹底されているのが特徴と言えそうです。
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※本記事は、原稿作成の一部過程において生成AIを使用していますが、ONE CAREER PLUS編集部のエディターが編集・校正を行った上で公開しております。