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ベイカレントの決算を見ると、BIG4に肩を並べる日が見えてきた、って話

どうも、外資系うさぎのちょこさんです。


春先のこのシーズン、コンサル業界で秘かに注目を集めるとあるイベントがあります。


どこかのファームの入社式や、新人研修の様子などではなく…でもコンサル業界の未来を考えるうえで欠かせない出来事…そう、ベイカレントの決算発表です。


ベイカレントは毎年2月が決算期となり、例年4月中旬にIFRS(国際財務報告基準)ベースでの決算短信の開示があり、5月末頃に株主総会が開催されたのち有価証券報告書が開示される流れとなります。


この記事の公開時点では決算短信とそれに関するFAQ、説明資料が開示されている段階のため、今回は決算短信をベースに見ていくことにしようと思います。


上場系のコンサルファームはこのような情報開示が充実しており、株主総会に出席し経営陣の考えに直接触れることもできるため、株を保有しないまでも、業界分析/企業分析の一環として各社の決算には目を向けておくこともおススメします。


なお、この記事はあくまで「現役コンサルがベイカレントの決算をどのような視点で読んでいるか」の一事例の紹介であり、投資先の選定に向けた財務分析を行うものではないことのみ、ご了承くださいませ。


IRって、もっと気軽に読んで全然問題ないものですからね。


(注)記事中の数値等は、断りのない限りベイカレント公式IRニュースページより取得し、記事化の都合で筆者にて適宜集計/丸め処理等を行ったものとなります
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目次



1.最新決算の数字から見るベイカレント




1-1.売上の伸びは引き続き加速中


毎年本当に驚くべき数字が出てくるのですが、2026年2月期末の売り上げは、1,483億円で前年比+27.8%とのことでした。


 

2025年2月期

2026年2月期

売上

1,161億円

1,483億円

対前年比

+23.6 %

+27.8 %



2020年代前半は毎年30-35%の成長を続けており、ここ2年ほどは23%程度と若干下振れ気味だったのですが、ここに来てまた伸びを戻しているようです。


コンサル市場全体が伸びているという追い風はあるのですが、その中でも競合の大手総合系ファーム以上にクライアントのニーズを的確に掴み拡大を続けていることが伺えます。


参考までに、Big4各グループと比べてみましょう。法人別売上までは公開されてはいないのですが、例えばデロイトは2025年5月期でグループ全体で3,908億円の売上、うちグループ内のコンサルティング法人/アドバイザリー法人の売上合計が2,325億円との開示がなされています。ベイカレントの売上規模はBig4各社のコンサル法人の背中を捉える勢いで伸びていることが分かりますね。

(参考)デロイト トーマツ グループ Impact Report 2025



1-2.利益の伸びは若干落ち着くも、高水準であることには変わりなし


続いて利益面です。


「本業が稼ぎ出す現金」を示す指標であるEBITDAとして開示されています。


 

2025年2月期

2026年2月期

EBITDA

435億円

521億円

対前年比

+23.2 %

+19.9 %

EBITDAマージン

37.5 %

35.1 %

※EBITDA:「利払い前・税引き前・減価償却前利益」の略称で、営業利益に減価償却費を足し戻したもの。国による税制や金利の違い、償却方法の違いによらず、企業の稼ぐ力を評価する指標。


対前年比の伸びが若干鈍くなっているように見えるものの、決算ハイライトでは「積極的な採用と人材育成の強化を行ったことで、(略)採用費・研修費・人件費は計画を上回った」、「EBITDAマージンは計画の範囲内(30-40%)となった」との言及があり、特段のネガティブ要素はなさそうです。


ちなみに、EBITDAマージンについて、全業界平均が10~15%程度で、IT・SaaSなど物理的な設備投資が少なく無形資産で高収益を上げられる企業は20-30%と高い水準となることが多いとされています。


ベイカレントのEBITDAマージンはその水準と比べてもさらに一段高く、コンサルタントの採用・育成に掛かった費用を投資として単価上昇につなげ、高い利益の確保につなげられている、ということなのでしょう。


また、アクセンチュアやBig4の日本法人各社と違い、海外親会社向けの利益や、ブランド加盟料といったマージンが不要、という点も利益向上の観点では非常に大きな強みです。



1-3.人員数だけでなく、ひとりあたり売上も向上


人員数について、決算ハイライトには「例年の営業体制の強化に加えて、将来的な成長に向けた組織強化を目的とした人材再配置を実施したため、コンサルタント数は例年より緩やかな伸びとなった」とありますが、それでもコンサルタント数が1,000名近く増加していることに加え、ひとりあたり売上も前年より大きく向上しています。


 

2025年2月期

2026年2月期

コンサルタント数

4,784名

5,590名

 対前年比

+24.7 %

+16.8%

コンサルタント
ひとりあたり売上

2,426万円

2,654万円

 対前年比

-0.9 %

+9.4 %

平均稼働率(通期)

80%台前半

80%台半ば


通期の稼働率が仮に85%であったとすると、平均人月単価は260万円程度であることが推定されます。


総合系ファームの業務/IT系案件、実行支援案件は特に規模が大きくなればなるほど若手のアサインが多くなり、提案の平均単価を上げていくことが難しくなります。


コンサルタントひとりあたり売上を向上させるには、コンサルタントのスペック/パフォーマンスの強化だけでなく、組織としての実績の積み重ねやブランドイメージの向上も欠かせません。


今後も、生成AI/DXなど、国内外企業の投資が活発な領域を狙って、高単価/高付加価値となる案件の獲得拡大を狙っていくことでしょう。





2.プロジェクトの傾向


2-1.案件数とプロジェクト事例

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外資系うさぎのちょこさん

プロの転職家、渡り兎。 今は小さなコンサルファームの社長。 有益な情報を呟いたり有益なnoteを書いたりします。 フォローすると有益になれます。 note:https://note.com/choconejito

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