「AIに仕事が奪われる前に何をするべきか」。そのような疑問を抱いた方もいるのではないでしょうか。
2026年4月、ライザップグループはその問いに対して一つの答えを出しました。AI活用などによる業務効率化を推進し、そこから生まれた余剰リソースを建設業界へ振り向ける──最大500人を新事業「RIZAP建設」に出向させるという計画です。
これは単なる人員整理ではありません。「AIによる効率化で生まれたリソース」と「人が足りないブルーカラー」をつなぐ、新しいキャリアパスの開拓です。本記事では、この動きが示すブルーカラー職の価値変化と、転職を考えるあなたにとっての意味を読み解きます。
ライザップが「RIZAP建設」を立ち上げた背景──AIが生んだ余剰人材の行き先
ライザップグループは2026年4月14日、新事業「RIZAP建設」を発表しました。
背景にあるのは、グループ全体で推進してきた業務効率化です。同社によれば、AIの活用などを通じて従業員への約20%の生産性向上を推進しており、そこから生まれる余剰リソースを慢性的な人手不足に悩む建設業界へ振り向けるというのが今回の計画です(同社発表)。
ライザップには、chocoZAP(チョコザップ)の急拡大を通じて培った施工ノウハウがありました。年間1,020店舗を超えるペースでの出店過程で、資材の直接調達や職人の社内育成を進めてきた経緯があります。そのノウハウを外販事業として展開するのがRIZAP建設の骨子で、テストフェーズ(2025年10月〜2026年3月)ではすでに186件を受注、売上高30億円を計上。従来比でコスト25〜30%削減、工期を約2倍速で実現しているといいます。
出向済みの約50人のバックグラウンドは多様で、元トレーナーや小売部門の出身者が中心。もともとchocoZAP店舗での壁紙貼りや機器修理の経験があったことが、現場転換の下地になっています。
(参考)
ライザップG、500人をブルーカラーに転換。新事業「RIZAP建設」で人手不足の建設人材にリスキリング(BUSINESS INSIDER JAPAN)
【RIZAP建設 始動】建設業に本格参入 1年で1,020店舗出店の「ギネス世界記録™」を支えた独自スキームを外販 ~500人のスキル強化で成長を再加速——新たなステージへ移行
「ホワイトカラー消滅」は現実か──AIが変える職種の境界線
ライザップの動きは、日本社会が直面する二つの変化が交差した結果です。
一つでは、AI・自動化の進展により、データ入力・書類処理・定型的なカスタマー対応といったホワイトカラー業務の一部が急速に代替されつつあります。ライザップの今回の動きは、そうした変化を先取りした事例の一つとも言えます。
もう一つでは、身体を使う現場系の職種で深刻な人手不足が続いています。建設業界では2040年までに約122万人の労働力が失われると試算されており、老朽化したインフラの維持すら困難になる未来が現実味を帯びています。AIで代替しにくい「現場の手仕事」の希少性は、これから先さらに高まっていきます。
ブルーカラーの「価値」が急上昇している理由
ワンキャリア転職に集まったクチコミをもとに算出した建設業大手の年収データでは、20代後半〜30代前半で高い給与水準が確認されています。
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