「ワーク・ライフ・バランス」から「ワーク・ライフ・シナジー」へ。一見すると仕事と無関係な趣味への没頭が、巡り巡って「キャリアの武器」になる。本特集では、仕事(ワーク)との「シナジー(相乗効果)」を生み出す、多様な「趣味」に焦点を当てます。
今回お話を伺ったのは、株式会社令和トラベルの大木優紀さん。アナウンサーから、スタートアップ役員へと転身した彼女を支えたのは、他でもない「旅」で培った「未知への適応力」でした。大木さん流の旅行スタイルから、キャリアという旅を成功に導くコンパスを探ります。
空港の「香り」が違う。それが旅にハマった原体験
もともと父がすごくレジャー好きで、幼い頃から海や山へよく連れて行ってくれました。だから、外に出て新しいものを見る楽しさは、昔から知っていたんだと思います。
初めて家族と行った海外は、プーケットとシンガポール。今でも鮮明に覚えているのは、空港に降り立った瞬間のこと。「空気の香りが違う!」って、ものすごい衝撃を受けたんです。言葉が通じない人たちがすぐそこにいる環境に身を置いたことも、すごく刺激的でした。
本格的に海外旅行にハマったのは、大学に入ってから。自分でアルバイトをして貯めたお金で、自由に旅を設計できるようになったのが大きかったです。
大学1年生の時に、初めて自分のお金で友達と計画して旅行した先がハワイなんですが、最近出張でその時に泊まったホテルに宿泊する機会があって。18歳の頃の初心が蘇ってきて、感慨深いものがありました。
私が特に好きなのは、旅に行く前の計画を立てている時間。私にとって旅行は、どこか「答え合わせ」をしに行くような感覚なんです。事前に調べたからといって楽しみが減ることは全くなくて、現地の香りや空気、風を感じながら「ああ、ここはこういう場所なんだ」と五感で確認するプロセスがたまらなく楽しい。
例えば複雑なフェリーの乗り継ぎを調べて、計画通りに乗り継げた時の達成感や逆にうまくいかなかった時のハプニングも、すべてが自分の足でその場所に立つことの意義を教えてくれます。
旅はいつだって、自分のキャリアの「立ち位置」を教えてくれる
旅は、自分自身の「現在地」を確認する意味合いも大きいと思っています。
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