「東京都庁に転職してみたいけれど、そもそもどんな会社?」 「中途採用ではどんな選考対策をすればいい?」
ーーそんな疑問を抱えている方に向けて、本記事では東京都庁の企業概要・事業内容から、中途採用の実態や選考対策までを徹底解説します。
社風や求められる人物像を知ることで、より納得感のあるキャリア選択を目指せます。
なお、本記事の内容は、ワンキャリア転職の独自調査に基づくものであり、実際の制度を網羅的に表せていない場合や、事実とは異なる内容が含まれる可能性があります。
※調査時期:2025年1月
※なお、東京都庁=東京都職員を指します。
1:東京都庁の企業情報・事業内容
1-1:会社概要
- 会社名:東京都庁
- 設立日:1991年4月
- 代表者:小池百合子
- 所在地:東京都新宿区西新宿2-8-1
- 資本金:百万円
- 従業員数:東京都職員定数条例 33,026人
1-2:事業内容
東京都庁は、東京都の行政機関であり、東京都の政治・経済・文化の中枢を担っています。主な事業には、都市計画・交通インフラの整備・環境保護・教育・福祉・産業振興などが含まれ、都民の生活向上を目指しています。
東京都庁は約14万人の職員を擁し、多様な専門分野で活動しています。近年では、デジタル化の推進や持続可能な都市の実現に力を入れており、スマートシティの構築を目指しています。
また、国際都市としての地位を強化するため、グローバルな視点での政策立案も行っています。これにより、東京都庁は、今後も成長を続ける都市の未来を支える重要な役割を果たし続けるでしょう。
(出典)都庁総合ホームページ
1-3:業績
令和5年度の一般会計・特別会計歳入歳出決算において、合計約6,000億円の黒字となっています。
都民の暮らしを守るために、これからも黒字体制を継続していくことが期待されます。
2:東京都庁に関するよくある質問
2-1:入庁時の試験の種類は?
東京都庁の採用試験は年齢に応じて分かれており、I類A採用試験は24〜31歳、I類B採用試験は22〜29歳を対象としています。社会人経験なく入社する場合、24歳のI類A採用試験合格者は1級37号、22歳のI類B採用試験合格者は1級29号からスタートします。
なお、社会人として該当業務の経験がある方でI類AもしくはI類B採用試験を経て入社する場合は、それぞれ1級37号+社会人歴×4号級、1級29号+社会人歴×4号給からスタートとなります。
また、I類A/B採用試験以外にもキャリア活用採用試験が存在しています。キャリア活用採用試験を経て入社した場合は2級25号級をベースに社会人年数×4号級を加えた等級からスタートします。3級からスタートする方は10人に1人程度の割合です。
2-2:昇格試験は?
基本的には年次で4号級ずつ昇格しますが、30歳を目安に2級に昇格する方が多いです。
2級(主任)への昇格には主任選考に合格することが必要です。主任選考試験ではまず筆記試験が課されますが、入社1年目から受験することが可能です。筆記試験で上位50%の成績を残し合格すると有効期間が設けられ、その間に論文試験を受けることとなります。
なお、I類A採用での入社者は3年目、I類B採用での入社者は5年目から論文試験を受験することができます。論文試験の上位5割が合格となりますが、最終的には上長の判断により昇格が決定します。合格率は例年20〜25%でしたが、近年主任が不足していることもあり、30%程度まで上がっていると見られています。
なお、昇格時の号給は現在の等級/号給の月給が次の等級のどの号給の月給相当かを確認し、その号給に8号級が加算され、決定します。3級(課長代理)への昇格には2通りの手段が存在します。
①管理職選考Aに合格して昇格
主任2年目以上6年未満かつ53歳未満の場合に受験することができるため、主任昇格後最短3年目で3級に昇格することができます。しかし、局長クラスを目指す方向けの選考のため非常に難易度が高く、合格率は5%程度です。
②課長代理級職選考に合格して昇格
主任5年目以上かつ定年年齢未満の場合に受験できるとされていますが、実態としては選考は存在せず、主任5年間の経験に加えて、ある程度優秀な成績を収めていれば昇格することができます。
ほとんどの方はこのパターンで昇格しており、半数程度が40歳前後で昇格します。30代半ばで昇格できる人は1割程度、40代半ば〜50代で昇格できる人は3割程度であり、昇格せずに主任のまま定年を迎える方もいます。
基本的には課長代理を経験した後、統括課長代理を経験しなければ4級(課長)に昇格することはできません。
4級(課長)への昇格は、3級への昇格時にどちらのパターンで昇格したかによって必要条件が変わります。
①で昇格した場合、最短5年(課長代理を3年+統括課長代理を2年)で昇格することができ、再度管理職選考を受ける必要がありません。そのため、I類A採用での入社者の場合は最短11年目、I類B採用での入社者の場合は最短13年目で課長に昇格することができます。
②で昇格した場合、課長代理として3年以上の経験をした方が受験できる管理職選考Bに合格し、統括課長代理として原則2年間の経験を積むと昇格することができます。管理職選考Bの合格率は1割程度です。概ね40代半ばで課長に昇格します。
なお、一部の専門的な技術が認められた職員の場合は統括課長代理に昇格し、さらに専門課長として管理職選考を受けずに昇格する場合もあります。
5級(部長)への昇格には選考は存在しておらず、個人の評価に応じて決定されるため、基準はブラックボックスです。
(参考:東京都職員採用HP「試験・選考情報(令和7年度実施)」)
(参考:東京都人事委員会HP「初任給一覧」)
2-3:年収の構成は?
東京都庁の年収はベース給与+賞与で構成されています。ベース給与は等級/号給ごとの金額に対し地域手当が一律20%上乗せされて支給され、課長以上の場合にはさらに管理職手当が付与されます。
賞与は期末手当と勤勉手当の2つから構成されています。期末手当は等級/号給により金額が決定しますが、勤勉手当は等級/号給ごとに定められた基準額に対して評価に応じて掛け値が決定します。また、主任以上の場合は通常の賞与に加えて以下ボーナス手当が付与されます。
- 主任:賞与×3%
- 課長代理:賞与×6%
- 統括課長代理:賞与×10%
- 課長:賞与×15%
- 部長:賞与×20%
なお、2024年度は4.85ヶ月分の賞与が年2回に分けて支給されています。
(参考:東京都HP「冬季の特別給の支給について」)
また、上記以外にも34歳まで支給される住居手当(1.5万円/月)や扶養手当、通勤手当なども存在しています。
(参考:東京都人事委員会HP「職員の任用・給与制度 例月給、特別給の算出方法(給与メモ)」)
3:東京都庁にキャリア入社するには?
さらに・・・



