「公務員は学生時代に受けた教養試験を突破すれば入れる」と考えている方は少なくありません。
しかし社会人や民間企業からの中途採用、いわゆる経験者採用試験は、実施する省庁や自治体によって科目も評価方法もまったく異なります。
教養試験と論文が中心の試験もあれば、論文試験を課さずSPI3だけで1次選考を行う自治体もあります。
そこで本記事では、人事院・東京都・特別区の公式情報をもとに、経験者採用試験の中身と受験資格の考え方を整理します。
- 1. 公務員の中途採用試験には3つのパターンがある
- 1-1. 教養試験+経験者論文+面接型(人事院の経験者採用試験)
- 1-2. SPI3+面接のみ型(東京都の経験者採用選考)
- 1-3. 教養+論文+面接に加え集団討議を課す型(人事院の一部区分)
- 2. 受験資格の考え方:「年齢制限」ではなく「学歴別経過年数」「職務経験年数」
- 2-1. 人事院方式:学歴に応じた卒業後経過年数(19段階)
- 2-2. 自治体方式:年齢の上限+直近◯年中◯年以上の職務経験
- 2-3. 自分の受験資格を確認する3つのチェックポイント
- 3. 実際の倍率は区分・自治体でどれだけ違うか
- 3-1. 人事院・経験者採用試験(府省合同A・B区分)の倍率
- 3-2. 東京都・特別区の倍率比較
- 4. 試験形式別の対策ポイント
- 4-1. 教養試験・経験者論文の対策
- 4-2. SPI3型の対策
- 4-3. 面接(人物試験)の対策
- よくある質問
- Q. 経験者採用試験に年齢の上限はありますか?
- Q. 民間企業に勤めながら受験できますか?
- Q. 論文試験が苦手な場合、SPI3型の自治体を選ぶべきですか?
- まとめ:試験形式を知ってから対策を始める
- ワンキャリア転職のご紹介
1. 公務員の中途採用試験には3つのパターンがある
公務員の経験者採用試験・選考は、大きく分けて3つのパターンに分類できます。「教養試験+論文+面接」が中心の型、論文を課さず適性検査と面接だけで進む型、さらに集団討議まで含む型です。まずはこの3パターンの違いを押さえておきましょう。
1-1. 教養試験+経験者論文+面接型(人事院の経験者採用試験)
人事院が実施する経験者採用試験(係長級・事務)は、基礎能力試験(教養)・経験論文試験・人物試験がすべての区分に共通して課されます。
教養試験で基礎的な知的能力を、経験論文試験でこれまでの職務経験をどう行政に活かせるかを、人物試験で対人能力や適性を見る構成です。
多くの地方自治体も、程度の差はあれこれに近い「教養+論文+面接」型を採用しているのが実情です。
1-2. SPI3+面接のみ型(東京都の経験者採用選考)
一方、東京都が実施する経験者採用選考は、第1次選考が書類選考と適性検査(SPI3、区分によってはSPI3-G・テストセンター方式)、第2次選考が口述試験(個別面接2回)と資格の評定(任意)という構成で、論文試験が課されない点が特徴です。論文で職務経験を言語化するのが苦手でも、適性検査と面接で勝負できる設計といえます。
1-3. 教養+論文+面接に加え集団討議を課す型(人事院の一部区分)
人事院の経験者採用試験は区分によって、基礎能力試験・経験論文試験・人物試験に加えて、政策課題討議試験や総合評価面接まで課される場合があります。
政策課題討議試験は、複数の受験者が集まって特定のテーマについて議論する形式で、個人面接だけでは見えない協調性や論点整理力が評価対象になります。
どの区分でどの試験が課されるかは年度ごとの募集要項で確認が必要です。
この3パターンの違いは「その組織が経験者に何を求めているか」の表れです。
教養試験を課す組織は基礎的な知識・思考力の担保を重視し、論文を課す組織は職務経験を行政の言葉に翻訳する力を重視し、SPI3のみで済ませる組織は適性とコミュニケーション力を優先していると考えられます。
志望先を選ぶ際は、単に「受かりやすそうか」ではなく、自分の得意な評価軸で勝負できるかという視点も持っておくとよいでしょう。
(参考:人事院「経験者採用試験(係長級(事務))」、東京都職員採用「経験者採用選考」令和8年度実施)
2. 受験資格の考え方:「年齢制限」ではなく「学歴別経過年数」「職務経験年数」
【この先の見どころ】
- 経験者採用試験の受験資格は、実は「年齢」ではなく、学歴に応じた「〇〇」という基準で決まっている制度もあります。人事院の府省合同区分では、学歴によって卒業後の経過年数が19段階に分かれる仕組みが採用されています。
- 令和7年度に実施された結果を区分別に見ると、受験者数を基準にした倍率は「〇〇倍」という区分もあれば、「〇〇倍」を超える区分もあり、自治体や区分によって大きな差が生じています。
さらに・・・



