「公務員から転職するなんて、もったいない」
そのような意見を聞いて、モヤモヤした経験がある人もいるのではないでしょうか。
結論から言うと、公務員から民間企業への転職は年々増加する傾向にあります。
本記事では、この変化の背景にある構造的な要因と、退職前に押さえておきたい制度上の注意点を整理します。
- 1. 公務員から民間企業への転職は増えている:離職率データで見る結論
- 1-1. 人事院データで見る離職率の推移(令和2→3年度)
- 1-2. 地方公務員の年代別退職率:20代は8年で2.33倍
- 2. なぜ今、公務員からの転職が増えているのか
- 2-1. 若手世代の価値観の変化
- 2-2. 民間企業の採用意欲・中途採用市場の拡大
- 2-3. 「安定」の意味が変わってきていること
- 3. 公務員から民間企業への転職、企業側はどう見ているか
- 3-1. 評価されやすいポイント(法令知識・調整力・文書作成力等)
- 3-2. 誤解されやすいポイント(先入観とのギャップ)
- 4. 退職前に確認すべき法的な注意点
- 4-1. 国家公務員の再就職ルール(届出義務など)
- 4-2. 失業給付の扱い(雇用保険の適用対象外である点)
- 4-3. 退職手続きのタイミングと引継ぎ
- よくある質問
- Q. 公務員から民間企業への転職は本当に難しいのですか?
- Q. 転職活動をしていることは職場に知られますか?
- Q. 公務員を辞めたら失業保険はもらえますか?
- Q. 何歳までなら公務員からの転職に不利になりませんか?
- まとめ:データと制度を理解した上で、判断する
- ワンキャリア転職のご紹介
1. 公務員から民間企業への転職は増えている:離職率データで見る結論
1-1. 人事院データで見る離職率の推移(令和2→3年度)
人事院「令和3年度公務員白書」によると、令和2年度における一般職国家公務員の離職者総数は19,643人、離職率は全職員で7.0%でした(男性7.3%・女性5.6%)。
これに対して、人事院「令和4年度公務員白書」では、令和3年度の離職者総数は21,171人(前年度比+1,342人)、離職率は全職員で7.5%(男性7.8%・女性6.2%)まで上昇したことが示されています。
1年間で離職者が1,300人以上増え、離職率も0.5ポイント上昇したことになります。
(参考:人事院「令和3年度公務員白書」第1部第3章第1節、人事院「令和4年度公務員白書」第1部第3章第1節)
1-2. 地方公務員の年代別退職率:20代は8年で2.33倍
地方公務員に目を向けると、変化はさらに顕著です。総務省が公表した資料によると、地方公務員(一般行政職)の2013年度から2021年度にかけての退職者数・退職率は、次のように推移しています。
- 20代:退職者数1,564人→3,637人、退職率1.30%→2.27%(2.33倍)
- 30代:退職者数1,327人→3,215人、退職率0.66%→1.58%(2.42倍)
- 40代:退職者数1,099人→1,687人、退職率0.43%→0.71%
- 全年齢計:退職者数5,727人→10,500人、退職率0.69%→1.22%(1.83倍)
全年齢平均でも退職率は1.83倍に増えていますが、20代・30代の伸び方はそれを上回るペースです。特に20代は退職者数が2倍以上に増え、退職率も2.27%に達しています。
離職率の上昇そのものは、公務員という仕事の魅力が失われたことを直接意味するわけではありません。
むしろ、若手世代を中心に「一つの組織に留まり続けること」自体の価値が相対的に下がり、キャリアの選択肢として転職が当たり前になってきたことの表れと見る方が実態に近いでしょう。
実際、後述するように民間企業側の中途採用意欲も高まっており、公務員経験者が「選ばれる側」から「選ぶ側」に回りやすい環境が整いつつあります。
(参考:総務省公表資料)
2. なぜ今、公務員からの転職が増えているのか
【この先の見どころ】
- 公務員からの転職が増えている背景には、民間企業側の「〇〇」の広がりと、公務員にとっての「安定」の意味そのものの変化が関係しています。
- 企業の採用担当者は公務員経験者の「〇〇」を評価する一方で、「前例踏襲でスピード感がない」といった先入観を持つこともあります。
- 退職前に見落としがちなのが、「〇〇」という国家公務員法上のルールです。知らないまま転職活動を進めると、思わぬところで不利益を受けることがあります。
さらに・・・



