村田製作所が2026年4月30日に発表した2025年度(2026年3月期)決算は、売上収益が1兆8,309億円と過去最高を更新しました。しかしその内実は、「AIサーバー向けコンデンサが大躍進した事業」と「スマートフォン向け高周波部品が大幅減収した事業」が同居する、二極化した決算でした。
転職を検討しているビジネスパーソンが気になるのは、好決算が給与・待遇にどう反映されるかでしょう。ワンキャリア転職には「業績の割にはあまり社員に還元されていない」という声も集まっています。本記事では、決算データとリアルなクチコミの両面から、村田製作所への転職前に知っておくべき現実を整理します。
売上過去最高でも営業利益は微増—決算の「二面性」を読む
2025年度の連結業績は、売上収益1兆8,309億円(前期比+5.0%)と過去最高を更新した一方、営業利益は2,818億円と前期比+0.8%の微増にとどまりました。純利益(親会社の所有者に帰属する当期利益)は2,339億円で前期比ほぼ横ばいです。
利益が売上ほど伸びなかった主因は、表面波フィルタ事業ののれん減損438億円という大型の一時費用です。通信市場の高周波化が当初の想定より緩やかに進んでいることや、中華圏の競合メーカーの台頭による競争激化を受け、事業価値の見直しを余儀なくされました。製品価格の値下がりや固定費増加という構造的な圧力も続いています。
ROICは9.7%(前期比-0.3pt)と、自社が掲げる中期目標「12%以上」(2027年3月期目標)には届いていない状況です。
AIサーバーが主役:コンデンサ事業が12.6%増の快進撃
今回の決算で最大の牽引役となったのが、コンデンサ(積層セラミックコンデンサ、MLCC)事業です。
コンデンサ売上は9,364億円(前期比+12.6%)と大幅増収。特にサーバー向けを中心とした「コンピュータ用途」は3,104億円(前期比+28.4%)に拡大し、そのうちデータセンター関連の売上は1,767億円(前期比+73.9%)と急成長しました。
この背景には、AIサーバーや周辺機器における電子部品の搭載数増加があります。村田製作所の主力製品であるMLCCは、AIインフラの電力制御・信号処理に不可欠な部品であり、データセンター投資の拡大が直接的な需要増につながっています。来期(2026年度)は、コンデンサのデータセンター関連売上がさらに前年比+85〜90%増と急拡大する見通しです。
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