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34歳コンサルMgr、母親業とキャリアの狭間で【かつて、バリキャリだった私たちへ(1)】

有名大学を卒業してから、20代を仕事に捧げてきた。


定時で帰れる日なんてなかったし、眠れないほど悔しい思いも、涙ぐむほどの達成感も、必死に打ち込んだ仕事がくれたものだった。たまに友達と集まった夜は、「私たちバリキャリかも」なんて茶化しながら、仕事の愚痴をアルコールで流した。


気付いたらあっという間に30代。


ライフイベントや心身の変化のなかで、キャリアに迷うことが増えてきた。変わらず仕事に打ち込む人、家庭に比重を置く人、人生をガラッと変えた人も。みんなそれぞれの道を歩き始めた。


かつて、バリキャリだった私たちへ。


ねえ、今どんな暮らしをしてる?

何に悩んで、何と戦ってる?

これから、どんな未来にしたいと思ってる?

乾杯して、飲み込んできたホンネを教えてよ。


女性の「キャリアの交差点」をリアルに描く新連載、スタートです。




久しぶりに会うカレンは、少し痩せたかもしれない。


学生時代、アディダスのスタンスミスを履き潰していた足元は、今はローヒールのフェラガモに変わっていた。ディオールのクッションファンデで完璧に整えられた肌は、白磁のように透き通って、TASAKIのピアスがよく映える。けれど、その目の下には、YSLの上質なコンシーラーでも隠しきれない、うっすらとしたクマが浮かんでいた。


「久しぶり」

「遅くなってごめん、おつかれ」


神楽坂のワインビストロ。乾杯のために掲げたグラスには、きめ細かな泡が立ち上っている。サークルの飲み会で耳まで赤くしてカシオレを煽っていた彼女が、今はすいすいとシャンパンを口に運ぶ。


店の名物だという「燻製卵のポテトサラダ」を一口放り込んだ瞬間、彼女の目尻がふにゃりと下がる。あ、その笑顔は、昔のままだ。


カレンのスマホがひっきりなしに光る。ロック画面に映る娘さんは、今夜は実家に預けてきたという。


ひとしきり近況報告が終わったところで、私は切り出した。


「で、どうなの? ほんとのところ」


カレンは、ふう、と小さく息を吐いて、グラスに残った泡を見つめながら語り始めた。


(Marina Demidiuk/Shutterstock.com)




このまま、いつまで走り続けられる?


外から見たら、キラキラしてるんだろうなって思うよ。


23区に新築マンション買って、年収もそこそこあって、コンサルのマネージャー。ファンド勤めの夫とかわいい娘。クルマは持ってないし、共働き前提の生活だけど、旅行や外食に困ったことは一度もない。そういう意味では、豊かな暮らしだなって思う。


そうやってハード情報だけ並べたら、「すごいですね!バリキャリのワーママさんですね!」ってリアクションしか返ってこないのも分かってる。悩みなんて言ったら、嫌味だって思われるだろうし。


でもさ、ほんとは心も身体も、崩れかけのまま走り続けてる。


こんな生活、いつまでもつんだろうって毎日思ってるよ。


正直に言うとさ――仕事、やめたくてしょうがないんだよね。




「努力が好き」って思ってた


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ビストロちゃん

都内在住のミドサー。趣味はレストラン開拓とサシ飲み。とりあえずレバーパテを頼みがち。

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