「独立行政法人国際協力機構(以下、JICA)に転職してみたいけれど、そもそもどんな会社?」「中途採用ではどんな選考対策をすればいい?」――そんな疑問を抱えている方に向けて、本記事ではJICAの企業概要・事業内容から、中途採用の実態や選考対策までを徹底解説します。
社風や求められる人物像を知ることで、より納得感のあるキャリア選択を目指せます。
なお、本記事の内容は、ワンキャリア転職の独自調査に基づくものであり、実際の制度を網羅的に表せていない場合や、事実とは異なる内容が含まれる可能性があります。
※調査時期:2025年4月
1:JICAの企業情報・事業内容
1-1:会社概要
- 会社名:独立行政法人 国際協力機構
- 設立日:2003年10月
- 代表者:田中 明彦
- 所在地:東京都千代田区二番町5-25二番町センタービル
- 資本金:8兆4,395億円(2024年10月末)
- 従業員数:2,011人(2025年1月)
1-2:事業内容
JICA(国際協力機構)は日本の政府開発援助(ODA)を担う機関で、開発途上国の経済・社会発展を支援しています。主な事業には、技術協力・有償資金協力(円借款)・無償資金協力があります。また、専門家の派遣や研修の実施や青年海外協力隊の派遣も行っています。これらを通じて、持続可能な開発目標(SDGs)の達成にも貢献しています。
(出典)JICAの事業の進め方|独立行政法人 国際協力機構 JICA 採用サイト
1-3:業績
JICAの直近の業績(2022年度)では、技術協力プロジェクト数は約2,400件、無償資金協力は約1,100億円、有償資金協力(円借款)は約6,300億円にのぼりました。特にインフラ整備、保健・医療、教育、気候変動対策分野での支援が強化され、ウクライナやアフリカ諸国などへの支援も注目されました。SDGs達成への取り組みとしても積極的に活動を展開しています。
(出典)国際協力機構年次報告書2022
2:JICAに関するよくある質問
2-1:キャリア社員にも海外派遣のチャンスはある?
キャリア入社社員であっても、希望すれば2部署目で海外派遣のチャンスを得られる人はいます。
しかし、入社5年目ごろに海外派遣がほぼ確約されている新卒とは異なり、必ずそのチャンスを得られるというわけではないようです。海外駐在のポストの枠が限られていることや新卒が優先されることから、キャリア入社で海外のチャンスを得られるかどうかは運要素も大きくなります。
2-2:入社して、実際にどうだった?
JICAへ入構後のミスマッチを防ぐために、実際に入構した人の声を見てみましょう。
▼入社後に気づいた良いギャップ
若手のうちから何億円規模の案件を任せられ、非常に責任感・緊張感があり成長できる環境にある。多様なバックグラウンド(教育、農業、防災、経済等)の人材が揃っており、話を聞くだけでも刺激を感じる。また、中央省庁や、大学、民間企業等、多様なアクターと仕事をする機会が多く、プロジェクトマネジメント能力が身に付く。
▼入社前に知っておきたかったギャップ
デスクワークが多く、あまり開発途上国の現場と接点がない。(新卒/団体職員)
▼事業展望について
今後途上国での事業主体が、公的機関から、民間企業に変わっていくことがほぼ自明なので、いかに企業の力を開発に活かすかを上層部は日々考えている様子だった。現場レベルではあまりオペレーションや実施案件の変化はないが、今後はより多くのアクターを巻き込んだプロジェクトが増えるのではないかと思う。(キャリア/団体職員)
日本で唯一のODA実施機関なので、事業の独自性はピカイチだと思います。一方で、国力と予算規模が比例するので、今後日本の経済低迷が続けば、できることも少なくなってくるのではという懸念はあります。(キャリア/団体職員)
3:JICAにキャリア入社するには?
さらに・・・



