金融業界への就職・転職を考えるとき、「金融のなかでどの業態・企業が年収が高いのか」は気になるポイントです。この記事では、各社の有価証券報告書に記載された平均年間給与や、「ワンキャリア転職」の業態別ランキング記事をもとに、金融業界の年収を横断的に見ていきます。
先に結論をお伝えすると、金融業界の年収は、M&A仲介などの専門系が突出して高く、平均年収が2,000万円を超える企業もあります。一方で、銀行・証券・保険といった各業態は、企業ごと・持株会社と事業会社ごとに年収の見え方が大きく変わります。
この記事では、まず業態を横断した年収の全体像と読み方を押さえたうえで、各業態の詳しい比較は、それぞれの専門記事へご案内します。
1. 金融業界の年収ランキング【結論】
金融業界のなかで平均年収が最も高い水準にあるのは、M&A仲介などの専門系です。ワンキャリア転職の「M&A業界の年収ランキング」によると、M&A仲介大手の平均年収は、M&A総合研究所で2,894万円、M&Aキャピタルパートナーズで2,266万円、ストライクで1,521万円です。これらは成果報酬型の色彩が強く、平均値の背後で個人差が大きい点に特徴があります。
M&A系に次いで、その他金融(リース・取引所など)や、銀行・証券・保険の持株会社なども高い水準にあります。たとえば、リースなどを手がけるオリックスの平均年間給与は10,396,546円(提出会社・2026年3月期)です。
ただし、金融の年収ランキングを見るうえでは、「どの数値を比べているか」に注意が必要です。次章で、その読み方を整理します。
2. ランキングの見方と注意点
金融の年収ランキングを正しく読むために、押さえておきたい3つのポイントがあります。
第一に、比較の基準となる「平均年間給与」は、多くの場合、各社の有価証券報告書「従業員の状況」に記載された提出会社(グループの中核会社または持株会社)の数値です。賞与や基準外賃金を含む金額で、平均年齢や勤続年数によっても変わります。
第二に、持株会社(〇〇フィナンシャル・グループ、〇〇ホールディングスなど)の平均年間給与は、その持株会社に所属する従業員のもので、傘下の銀行・証券・保険会社の従業員とは異なります。持株会社は少人数で管理部門中心のため、数値が高めに出る傾向があります。たとえば、第一生命ホールディングスの提出会社(持株会社)の平均年間給与は10,442千円ですが、これは従業員490名の持株会社の数値であり、生命保険の営業などを担う第一生命保険(事業会社)の従業員全体とは異なります。
(出典)第一生命ホールディングス 有価証券報告書(第123期)
第三に、M&A仲介のような成果報酬型の業態では、平均年収が高くても、それは上位のプレイヤーが数値を押し上げている面があります。同じ会社のなかに年収数百万円の社員と数千万円のアドバイザーが同居している点に注意が必要です。生命保険相互会社(日本生命など)は有価証券報告書を提出しないため、公表される給与の性質も異なります。
3. 【業態別】M&A・専門系の年収
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